更新日:2025.10.31

年金の追納はする必要ある?なぜしない方がいいと言われるのか

年金の追納はする必要ある?なぜしない方がいいと言われるのか

年金の追納について、「年金の追納はした方がいい?」「年金の追納をしない方がいいと言われるのはなぜ?」など、気になっている方もいるのではないでしょうか。

年金は過去10年分までさかのぼって追納することができ、年間約20万円を追納することで、将来の年金額が年2万円増えます。

実際に計算してみると、年金の追納は非常にお得であるため、「追納すべき」と言えますが、「追納しない方がいい」という意見があることも確かです。

本記事では、年金の追納制度の概要、追納のメリットとデメリット、追納額と年金額などについて解説しています。

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年金の追納とは?

そもそも追納制度とはどんなものか?

年金の「追納(ついのう)」とは、過去に未納または免除された国民年金保険料を、後からまとめて納めることができる制度です。

「学生納付特例制度」などを利用していた人が社会人になったあと、「将来の年金額を増やしたい」と考えて追納するケースが特に多く見られます。

追納制度では、原則として過去10年分までさかのぼって追納可能です。

単に未納期間を埋めるだけではなく、追納した金額が将来の年金受給額に反映される仕組みになっているため、「将来の年金を増やすための追加投資」と考えることができます。

一方、追納には注意点もあります。

2年以上前の分を追納する場合には、当時の保険料に「加算金」が上乗せされるため、実際の支払い額が高くなる点に注意が必要です。

追納制度について、より詳しくは、日本年金機構の「国民年金保険料の追納制度」を参照するようにしてみてください。

年金を追納するメリット

年金の追納には、将来の年金受給額を増やせるという明確なメリットがあります。

たとえば、1年間分を追納すると、全額免除の期間であれば老後の年金が年間で約1万円、納付猶予や学生納付特例の期間であれば年間で約2万円ほど増える計算です。

基礎年金は、その半分が国庫負担となっているため、実質的には負担額の2倍の効果が見込まれます。

また、追納した保険料は、「社会保険料控除」の対象です。

確定申告や年末調整の際に「社会保険料 (国民年金保険料) 控除証明書」を提出することで、所得税と住民税の負担が軽減されます。

なお、納付猶予や学生納付特例の期間は、追納しなくても「受給資格期間」としてカウントされますが、追納をしなければ年金額には反映されません。

「受給資格期間」は、「保険料納付済期間」「保険料免除期間」「合算対象期間」の合計が10年以上であれば、年金を支給できるようになるというものです。

「受給資格期間」は、10年以上という条件を満たせば、それ以上にカウントされてもメリットはなく、年金受給額には反映されません。

つまり、年金受給額を増やしたければ、追納する必要があります。

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年金を追納しない方がいいと言われる理由

なぜ「しない方がいい」という意見があるのか?

年金未納分や猶予分を追納すれば、将来の年金が増えるため得に思えますが、一部には「追納はしない方がいい」という意見もあります。

その意見の根拠として、追納には「追納加算額」がかかる点が挙げられます。

2年以上前の分は追納額が当時より高くなるため、割高な支払いになることがあります。

実際の金額を見てみましょう。

令和7年度中に追納する際の保険料額は、次の通りです。

全額免除·納付猶予、学生納付特例
平成27年度の月分 15,930円
平成28年度の月分 16,600円
平成29年度の月分 16,820円
平成30年度の月分 16,650円
令和元年度の月分 16,710円
令和2年度の月分 16,820円
令和3年度の月分 16,860円
令和4年度の月分 16,740円
令和5年度の月分 16,520円(※追納加算額はありません)
令和6年度の月分 16,980円(※追納加算額はありません)

※出典:日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」

令和7年度に、10年前の「平成27年度分」の追納をする場合でも、月額15,930円となっており、言うほど延滞金は大きくはありません。

むしろ、追納加算額が含まれない令和6年度分の保険料の方が大きくなっており、近年の年金負担額の上昇分の大きさが可視化されている状況です。

現行制度では、年金を追納した方が合理的と言えます。

ただ、将来的に年金制度の見直しが行われ、受給開始年齢や支給額が変わるリスクは排除できません。

日本の人口動態や少子高齢化、人口減少を考えると、年金制度が現行のまま維持されると考えるのは現実的ではありません。

とはいえ、それでも、現状においては追納した方が合理的なのは計算上では明らかです。

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追納するかどうかの判断材料とは

損得で考えるならどこを見るべきか?

年金の追納をするかどうかを判断する際は、「どのくらいの期間で元が取れるのか?」を試算することが重要です。

追納は、老後の受給額を増やす効果がありますが、支払った金額を年金で取り戻すまでには一定の年数がかかります。

たとえば、2025年度分の基礎年金の額は年間83万1,700円となっています。

基礎年金を40年(480月)納付して年間83万1,700円のため、1年あたりで見ると約20,792円です。

1年分の追納で年金が年間2万円増えるとすると、20万円追納した場合には10年で元が取れる計算となります。

厚生労働省の「生命表」によると、65歳における平均余命は、男性19.97年、女性24.88年となっています。

統計的に考えても、追納するのは合理的と言えます。やはり基礎年金は、その半分が国庫負担である点が大きいです。

ただ、これはあくまで統計であり、自分自身の健康状態や平均余命、退職後の生活設計に見合うかを検討するようにしましょう。

また、追納は一度に多額を支払うケースもあるため、現在の家計への負担も無視できません。

住宅ローンや教育費など他の支出計画がある場合には、無理のない範囲で判断するようにしてください。

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追納しない場合に起こる影響

追納しなかったことで何が変わるのか?

追納をしなかった場合、老後の年金額が月額で数千円から1万円程度少なくなる可能性があります。

追納しなかった期間は、「受給資格期間」としてはカウントされますが、年金額の計算には反映されないためです。

結果として、老後の生活費の補填において毎月の収入差が積み重なり、20年や30年単位で見ると総額で大きな差が生じることもあります。

また、年金を支払っていない期間があると、障害年金や遺族年金の支給要件を満たせなくなる場合もあります。

年金 支給要件
障害年金 ・初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の「保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)」と「保険料免除期間」をあわせた期間が3分の2以上あること。
・初診日が令和18年3月末日までのときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。
遺族年金 ・死亡日の前日において、「保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)」が国民年金加入期間の3分の2以上あること。
・死亡日が令和18年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。

※出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
※出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」

障害年金や遺族年金は、事故や病気、世帯主の急逝といった将来のリスクに備える重要な保障です。

追納をしておくことで、万一の際にも支給対象となる可能性を確保できます。

つまり、追納をしない選択は短期的には家計に優しいかもしれませんが、長期的な安心感や保障を失うリスクを伴います。

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追納すべきか迷ったときにやるべきこと

まずは具体的な損益シミュレーションを

追納するかどうか迷っている方は、感覚やイメージではなく、実際にどれくらい年金額が増えるのかを数字で把握することが重要です。

日本年金機構の「ねんきんネット」を使えば、追納した場合の将来の年金受給額を簡易的にシミュレーション可能となっています。

追納額と将来の増加見込み額を比較し、何年で元を取れるかを確認しましょう。

また、追納は、老後資金の一部を前払いするような位置づけと考えることができます。

そのため、ライフプラン表を作成し、老後にどの程度の資金が不足するかを明確にしておくことも大切です。

もし老後資金の不足が見込まれる場合は、追納による年金増額が安定的なキャッシュフローの確保につながります。

追納する方が合理的

結論から言えば、長期的な視点で見ると、追納は非常に合理的な選択です。

現在のように、年間20万円を追納して年金が年間2万円増える場合、単純計算でわずか10年で元が取れてしまうことになります。

平均寿命を考えれば、過半数以上の人が黒字となるケースがほとんどです。

さらに、追納した保険料は「社会保険料控除」の対象となるため、所得税や住民税の負担が軽くなります。

追納が合理的な背景には、基礎年金(国民年金)は、給付の半分が国庫による税金負担でまかなわれていることがあります。

追納を通じて将来受け取る年金のリターンは、金融商品に比べても圧倒的に有利と言わざるを得ません。

同じ資金を新NISAやiDeCoに回すよりも、確実かつ再現性の高い「老後の保険」として機能します。

つまり、追納は、将来の不安を減らすうえで最もコスパの良い選択の一つと言えるでしょう。

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まとめ

年金の追納は、約10年間で元を取ることができ、「社会保険料控除」にもなるため、合理的でお得な行為です。

将来的に日本の年金制度がどうなるかは不透明ではあるものの、年金額の試算や平均寿命から計算すると、「年金は追納できるなら追納するべき」と言えるでしょう。

Q&A

Q1 年金の追納はする必要がありますか?
A1 年金の追納は、約10年間で元を取ることができ、社会保険料控除にもなるため、追納できるならした方が合理的です。

Q2 なぜ「年金の追納をしない方がいい」と言われる?
A2 「追納加算額」が発生する、将来的に年金がもらえるか不透明などの理由が挙げられます。ただ、実際に計算してみると、それらのデメリットを補って余るほどのメリットがあると言えます。

Q3 年金の追納をしなかった場合のデメリットとは?
A3 年金額が減少する、障害年金や遺族年金の支給要件を満たせなくなる場合があることなどが挙げられます。

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