更新日:2026.2.4
生活防衛資金はいくら必要?どうやって貯める?
生活防衛資金について、「生活防衛資金はいくら必要?」「生活防衛資金はどうやって貯める?」など、疑問に感じていませんか。
生活防衛資金とは、収入が途絶える、もしくは急な支出が発生した場合にも、一定期間の生活を維持するために備えておくべき資金です。
「生活防衛資金がいくら必要か?」は一概には言えないものの、「生活費の6ヶ月分程度」が一つの目安となります。
本記事では、生活防衛資金の目安や決め方、生活防衛資金を貯める方法、生活防衛資金を少なくするうえで使える保険や公的支援について解説しています。
Contents
生活防衛資金とは?

生活防衛資金とはどんなお金?
生活防衛資金とは、収入が途絶えたり急な支出が発生したときでも、一定期間の生活を維持するために備えておく「緊急予備資金」です。
病気やケガ、リストラ、転職活動の長期化、災害など、誰にでも起こり得る不測の事態に備える役割を持ちます。
投資や保険ではカバーできない「当面の生活費」を確保しておくことで、精神的·経済的な安定をもたらし、家計のリスクを大幅に下げることができます。
新NISAなどで資産運用する場合にも重要な考えとなる
「生活防衛資金がいくら必要か?」を試算しておくことは、新NISAなどで投資を始める上でも非常に重要な考えです。
投資には、短期的な値下がりリスクがつきもので、急な出費があった際に投資資産を取り崩してしまうと、その期間に上昇した場合には利益を逃してしまいます。
そのため、新NISAなどの投資を始める前に「生活費の何ヶ月分を現金として確保しておくか?」を見積もっておくことが、安全に長期投資を続けるうえでの土台となります。
生活防衛資金は、安定した資産形成を支える「最初のバリア」ともいえる存在です。
いくらあれば安心?

単身世帯・共働き・子育て世帯で異なる必要額
具体的に必要な生活防衛資金は、世帯構成や収入の安定度、住んでいる場所などによって大きく変わります。
たとえば、単身世帯であれば、生活費の3〜6ヶ月分程度、額にすると60万円〜120万円程度がひとつの基準になります。
共働きであれば収入源が複数あるためリスクが分散され、必要額はやや少なくても安心度を保つことができます。
一方、子育て世帯や片働き家庭では、収入減のリスクが高いため、6〜12ヶ月分の備えを目安にしておきましょう。
| 世帯タイプ | 推奨期間 | 必要額の目安 | 生活防衛資金の考え方 |
|---|---|---|---|
| 単身世帯 | 3〜6ヶ月分 | 60〜120万円 | 支出が比較的少ないため、期間を長めに取ってもよい |
| 共働き世帯 | 3〜6ヶ月分 | 80〜150万円 | 収入源が2つありリスク分散できるが、固定費が高めになる傾向 |
| 子育て世帯 | 6〜12ヶ月分 | 150〜300万円 | 支出が大きくなるため、より厚めの備えが必要 |
ただ、これはあくまで概算による一般論でしかありません。
実際に、「いま現在、1ヶ月の生活を維持するためには、いくら掛かっているか?」を必ず試算した上で、自分自身の生活防衛資金を計算するようにしてみてください。
自分に合った金額をどう決めるか

判断材料となる4つの基準とは?
「生活防衛資金は、いくら必要か?」は人によって大きく異なりますが、その判断には4つの基準が役立ちます。
1. 毎月の固定費を具体的に把握する
2. 今の職の安定性を見極める
3. 家族構成や今後のライフプランを加味する
4. 公的支援の受給可能性も考慮する
まず重要なのは、「毎月の固定費」を正確に把握することです。
家賃や光熱費、通信費、保険料、食費など、変動しにくい支出を集計することで、「最低限の生活に必要なお金」が見えてきます。
次に、「職の安定性」も大きな判断材料です。
正社員で解雇リスクが低いのか、契約社員や派遣社員、フリーランスのように収入が不安定なのかによって、必要な備えは変わります。
また、「家族構成や今後のライフプラン」も考慮すべきポイントです。
特に、子どもの教育費が控えている場合には、生活防衛資金をより厚めにしておく必要性が高まります。
最後に、失業給付や傷病手当金などの「公的支援の受給可能性」も検討材料となります。
公的支援が手厚いほど、必要な生活防衛資金は少なく見積もっても構いません。
これら4つを踏まえた上で、「今現在、リストラやケガによって、収入が途絶えてしまったらどうするか?」という家計のシミュレーションをしてみるようにしましょう。
生活防衛資金と投資資金はどう分ける?

投資と混同しない「分けて考える」重要性
生活防衛資金は、病気やケガ、リストラによる突然の収入減少など、不測の事態に備えるための「絶対に手をつけてはいけないお金」です。
一方、投資資金は、値動きのある金融商品に回すことを前提とした「リスクを取ってもよいお金」となります。
この2つを混同すると、想定外のタイミングで生活を圧迫したり、暴落時に資産を取り崩さざるを得なくなる危険があります。
投資を始める際は、まず生活防衛資金を確保してから投資に進むというステップが重要です。
また、長期投資の成果は継続による複利で得られるものなので、生活費の不足で積立を中断しないためにも、投資と防衛資金を切り離して考えることが成功の鍵となります。
そのため、生活防衛資金は、銀行などの別口座で管理し、投資口座とは完全に分離しておくことが効果的です。
たとえば、「生活防衛資金は普通預金」「投資資金は証券口座」と明確に分けておくと、誤って使うリスクが減ります。
生活防衛資金を貯める方法

無理なく貯めるためのポイントとは?
生活防衛資金を着実に貯めるためには、家計の仕組みそのものを工夫し、無理なく継続できる方法を取り入れることが重要です。
まず取り組みたいのは、毎月必ず出ていく「固定費の見直し」です。
スマホ料金や保険料、サブスクなどは、一度見直すだけで毎月数千円〜数万円の節約につながることもあり、そのまま貯蓄に回せば、負担感なく生活防衛資金を増やせます。
また、収入が入った時点で自動的にお金を振り分ける「収入の自動仕分け」も効果的です。
生活費口座と貯蓄口座を分け、余剰分を自動で積み立てる仕組みを作ると、意識しなくても資金が貯まっていきます。
特に、新NISAのつみたて投資枠では、証券会社がこのような仕組みを用意してあるため、投資を継続する習慣にもそのまま流用できます。
生活防衛資金を少なくために使える保険と公的制度

万一の場合に備えて保険に加入しておく
万一のリスクに備えて、必要な保険に加入しておくことによって、生活防衛資金を少なくできる場合があります。
病気やケガで長期間働けなくなった場合の収入源を補填できる「就業不能保険」や「所得補償保険」は、失業リスクに備えられます。
また、住宅ローンを抱えている場合は「団体信用生命保険(団信)」が強い味方です。万一の際にローン残高がゼロになるため、住居費のリスクを大幅に減らせます。
家族を持つ場合には、死亡時に毎月の生活費を補償する「収入保障保険」や、一定期間の保障を提供する「定期保険」、子どもの教育資金を計画的に準備できる「学資保険」などが役立ちます。
| 保険の種類 | 主な目的 | 保障内容 | メリット |
|---|---|---|---|
| 就業不能保険 (所得補償保険) |
働けなくなった時の収入補填 | 病気やケガで就労不能になった場合に毎月の給付金 | 生活費を長期間カバーでき、必要な生活防衛資金を減らせる |
| 団体信用生命保険(団信) | 住宅ローン対策 | 死亡や高度障害時にローン残高がゼロに | 万一の際にローンの心配が不要になり、住居費分の防衛資金を減らせる |
| 収入保障保険 | 死亡時の遺族の生活費確保 | 契約期間中に死亡した場合、毎月給付金が支払われる | 必要な時期だけ必要額を確保でき、掛金が合理的 |
| 定期保険 | 死亡保障を一定期間だけ確保 | 契約期間中の死亡時に一括で保険金 | 割安な保険料で大きな保障が得られる |
| 学資保険 | 子どもの教育資金の準備 | 18歳など節目で祝い金や満期金が受け取れる | 計画的に教育資金が積み立てられ、万一時は保険料が免除になる |
万一の場合に備えた公的支援
生活防衛資金を少なくするうえでは、公的支援制度を理解しておくことも非常に重要です。
公的支援を活用することによって、急に収入が途絶えてもすぐに生活が立ち行かなくなるリスクを抑えられます。
まず、仕事中や通勤中のケガに対しては「労災保険」が適用され、治療費だけでなく休業補償も受けられます。
条件を満たせば、「傷病手当金」などの制度も利用でき、ケガで働けない期間の生活を支えることが可能です。
また、失業した場合には雇用保険の「基本手当(失業保険)」が支給され、在職中の給与に応じて一定期間の生活費を補うことができます。
会社の倒産など、定年退職や自己都合以外で失職した場合には、基本手当の支給日数は次のようになっています。
| 算定基礎期間 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | |
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | – |
| 30歳以上35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35歳以上45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45歳以上60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60歳以上65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
※出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
まとめ
生活防衛資金は、働けなくなった場合などに備えて、「生活費の6ヶ月分程度」が一つの目安となります。
生活防衛資金を貯めるうえでは、「固定費の見直し」などが効果的であり、これは生活費を下げて生活防衛資金そのものを少なくする効果にもつながります。
Q&A
Q1 生活防衛資金はいくら必要?
A1 ライフスタイルによって異なるため一概には言えないものの、「生活費の6ヶ月分」が一つの目安となります。
Q2 生活防衛資金はどうやって貯める?
A2 まずは家計簿をつけるなどして現在の生活費を把握した上で、保険やサブスクなどの必要ない固定費を削ってみる方法が挙げられます。
Q3 生活防衛資金は投資資金とどう分ける?
A3 「生活防衛資金は銀行の普通預金」「投資資金は証券口座」と明確に分けておくと、誤って使うリスクを減らせます。また、投資においては「自動積立機能」も有効です。









