更新日:2026.2.4
贈与税はいくらからかかるのか?申告を忘れるとどうなる?
贈与税について気になっており、「贈与税っていくらからかかるの?」「贈与税の申告を忘れたらどうなる?」など、疑問に思っていませんか。
贈与税は、年間で合計110万円までの贈与なら非課税となります。
「誰からもらったか?」「何をもらったか?」などで贈与税額が変わることもあり、申告をしないでいると、加算税や延滞税が課されるケースもあるため注意が必要です。
本記事では、贈与税の仕組みや具体的な計算例、贈与税申告の注意点や延納制度について解説しています。
Contents
贈与税の基本と課税対象になる金額の目安

そもそも贈与税とはどんな税金なのか?
贈与税とは、個人から財産をもらった場合に、その財産を受け取った人(受贈者)に課せられる税金です。
財産を「あげた人(贈与者)」ではなく、「もらった人(受贈者)」が納税義務者となります。
贈与税の対象となる「贈与財産」は、現金に加えて、不動産(土地や建物)、株式、債券、自動車、貴金属、生命保険の権利など、「金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」です。
親子間の援助や結婚資金の支払いなど、日常的に行われるサポートも贈与とみなされるケースがあるため、意図せず税金が発生してしまう可能性もあります。
また、贈与税は相続税とのバランスを取る役割も持っており、資産家が生前に大量に財産を移して相続税を回避することを防ぐ仕組みでもあります。
そのため、贈与税の税率は、相続税と同様に累進課税となっており、金額が大きくなるほど税負担も増えるのが特徴です。
贈与は簡単に行える取引だからこそ、仕組みを理解しておかないと、後で思わぬ税負担につながる点には注意が必要です。
いくら以上もらうと贈与税がかかるのか?
贈与税には「基礎控除」と呼ばれる非課税枠があり、年間110万円までの贈与であれば税金はかかりません。
この110万円は、「1月1日〜12月31日」の暦年ごとに適用され、贈与を受ける側(受贈者)ごとに計算されます。
そのため、複数の人からもらった金額の合計が110万円を超える場合、超えた部分に対して贈与税が課税される仕組みです。
たとえば、父から100万円、母から50万円をもらった場合、合計150万円となり、110万円の超過分である40万円が課税対象となります。
贈与額が年間110万円を超えたときは、翌年2月1日〜3月15日の間に贈与税の申告をする必要があります。
申告を忘れると延滞税や加算税がかかる可能性があり、負担が増えるため注意が必要です。
贈与税がかかるケースは?

誰からもらったら贈与税がかかるのか?
贈与税は、「誰からもらったお金や財産でも」課税対象になる税金です。
両親や祖父母、配偶者といった家族はもちろん、友人や恋人、知人など、贈与者との関係性は関係ありません。
「家族からの援助だから非課税」と誤解されやすいものの、税法上は家族間の金銭のやり取りもすべて贈与として扱われ、年間110万円の非課税枠を超える場合は申告が必要です。
特に注意したいのは、生活費や学費など日常生活の援助であっても、使い道に応じて贈与とみなされるケースがある点です。
また、結婚費用や住宅取得資金など、親からの支援がまとまった金額になる場面では、非課税特例を使わない限り贈与税の対象になる可能性があります。
贈与税の非課税制度(住宅・教育資金・結婚子育て資金)とは?
贈与税には、住宅資金、教育資金、結婚·子育て資金の3つについて非課税制度が設けられていますが、一部の制度は終了に向かっているため注意が必要です。
住宅資金の贈与が非課税となる「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」は、2026年12月31日までに、省エネ住宅資金は1,000万円、それ以外は500万円までが非課税となる制度です。
教育資金の贈与が非課税となる「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、2026年3月31日までに教育資金1,500万円まで(学校等以外は500万円まで)が非課税となる制度となっています。
ただ、教育資金贈与の非課税については、2026年3月31日に制度終了となる見込みです。
結婚や子育て資金の贈与が非課税となる「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」は、2027年3月31日までに結婚資金1,000万円までが非課税となる制度です。
こちらの制度は、2025年3月31日までの予定でしたが、2年間延長となりました。
贈与税の計算方法と税率の仕組み

贈与額に応じて税率はどう変わるのか?
贈与税は「累進課税」が採用されており、基礎控除110万円を超えた部分の金額に応じて、税率が10%〜55%まで段階的に上がる仕組みです。
贈与税の税率は、18歳以上の者が両親や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた「特例贈与財産」と、それ以外の「一般贈与財産」に分かれており、次のように税率が異なります。
● 特例贈与財産
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 300万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 3,000万円超 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | – | 10万円 | 25万円 | 65万円 | 125万円 | 175万円 | 250万円 | 400万円 |
● 一般贈与財産
| 基礎控除後の課税価格 | 200万円以下 | 400万円以下 | 600万円以下 | 1,000万円以下 | 1,500万円以下 | 3,000万円以下 | 4,500万円以下 | 4,500万円超 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 税率 | 10% | 15% | 20% | 30% | 40% | 45% | 50% | 55% |
| 控除額 | – | 10万円 | 30万円 | 90万円 | 190万円 | 265万円 | 415万円 | 640万円 |
金額が大きくなるほど税負担も重くなるため、計算方法を理解しておくことが大切です。
たとえば、父と母から合計300万円の贈与を受けた場合は「特例贈与財産」となり、課税対象は「300万円 − 110万円 = 190万円」となり、この190万円に該当する「税率10%」「控除額なし」が適用されるため、贈与税額は「190万円 × 10% = 19万円」となります。
贈与税の申告の注意点は?

贈与税の申告と納付方法
贈与税の申告は「贈与を受けた人(受贈者)」が行う必要があります。
申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までと決められており、この期限内に、受贈者の住所地を管轄する税務署へ申告書を提出し、同時に納税まで完了させることが求められます。
申告は紙の書類だけでなく、e-Tax(電子申告)を使ってオンラインで提出することも可能です。
なお、贈与税は原則として「現金での一括納付」が基本となりますが、後述する延納制度の利用により、分割での納税が認められるケースもあります。
申告書には、贈与された財産の内容や評価額、贈与者情報などを正確に記載する必要があり、不動産や株式などは評価方法に専門知識が必要となる場合もあります。
適切に申告を行うためには、必要書類の準備や評価額の確認を早めに進めることが重要です。
申告しないとどうなるのか?
贈与税の申告を行わずに放置すると、後から税務署の調査で指摘され、追徴課税の対象となる可能性があります。
無申告が発覚すると、通常の税額に加えて、無申告加算税や延滞税が加算され、結果的に支払額が大幅に増えてしまうことも少なくありません。
また、贈与を隠したまま贈与者が亡くなると、その財産が「相続税の対象」と判断され、相続税として課税されるリスクもあります。
特に、多額の資金移動や不動産の名義変更は税務署が把握しやすく、後からの指摘が多い領域です。
意図的に隠した場合は重加算税の対象となる場合もあり、罰則はさらに重くなる点に注意が必要です。
贈与税の延納制度
贈与税は、原則として、申告期限までに「現金による一括納付」が必要ですが、まとまった税額を短期間で支払うことが難しい場合には「延納制度」を利用して分割納付も可能です。
延納が認められるためには、まず納税額が10万円以上であることが条件となります。
延納期間は最長5年間となっており、担保を提供する必要がありますが、延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合には、担保の提供は不要です。
不動産など流動性の低い財産を贈与された場合や、贈与税の負担が想定より重くなった場合など、急な現金支出が難しいケースでは延納が選択肢となり得ます。
ただ、延納はあくまで例外的なケースであるため、現金で納付できるなら延納しないに越したことはありません。
なお、相続税では「物納」が認められていますが、贈与税には物納制度はありません。
まとめ
贈与税は、複数の人からの贈与額が合計110万円を超える場合、超えた部分に対して課税される仕組みとなっています。
贈与税は、財産を「あげた人(贈与者)」ではなく、「もらった人(受贈者)」が納税義務者となります。
贈与税が発生する場合には、翌年2月1日〜3月15日の間に申告をする必要があり、申告しないと、加算税や延滞税などが課される場合もあるため注意しておきましょう。
Q&A
Q1 贈与税はいくらからかかるのか?
A1 贈与税には年間110万円の基礎控除があります。複数の人からの贈与が合計110万円を超える場合に、贈与税を申告する必要が出てきます。
Q2 贈与税の申告期限は?
A2 贈与税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与を受けた人(受贈者)の住所地を管轄する税務署へ申告書を提出し、納税する必要があります。
Q3 贈与税を申告しないとどうなる?
A3 加算税や延滞税が課されることがあり、意図的に隠した場合は重加算税の対象となる場合もあります。なお、贈与税には、納税額が10万円以上の場合には延納制度も設けられています。




