更新日:2026.2.5
財形貯蓄はやめたほうがいい?なぜ時代遅れと言われるのか?
財形貯蓄制度について興味があり、「財形貯蓄はやめた方がいい?」「財形貯蓄制度が時代遅れと言われる理由とは?」など、疑問に思っていませんか。
財形貯蓄制度は、勤務先を通じて給与から自動的に積み立てができる制度で、目的別に「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があります。
ただ、財形貯蓄制度は1971年(昭和46年)から始まった古い制度であり、新NISAやiDeCoなどに比べると時代遅れと言わざるを得ません。
本記事では、財形貯蓄制度の仕組み、「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の違い、新NISAやiDeCoとの違いやデメリットについて解説しています。
Contents
財形貯蓄制度とは?

財形貯蓄制度はどんな仕組み?
財形貯蓄制度とは、勤務先を通じて給与から自動的に積み立てができる「職場を介した貯蓄制度」です。
給与天引きのため強制力があり、「気づいたらお金が貯まる」という特徴があります。
財形貯蓄制度には、目的別に「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があり、それぞれ使途や税制優遇の条件が異なります。
一般財形貯蓄は使いみち自由な積立、財形住宅貯蓄は持ち家取得のための貯蓄、財形年金貯蓄は老後資金の形成を目的としています。
財形貯蓄制度を利用できる勤労者は、職業や雇用形態に関わらず、事業主に雇用される全ての者が対象です。
アルバイトやパート、契約社員や派遣社員であっても、継続して雇用関係が認められる場合には、積立期間の要件(一般財形貯蓄は3年以上、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は5年以上)を満たせば契約できます。
ただ、勤務先に制度がある場合でしか利用できず、転職時は引き出しや移管に制約がある点がデメリットです。
また運用先の選択肢が限られ、金利が低い金融機関を利用せざるを得ないケースも多いことから、「時代遅れ」「メリットが薄い」と言われる理由にもつながっています。
財形貯蓄制度について、より詳しく知りたい場合には、厚生労働省「財形貯蓄制度」のページを参照してみてください。
3つの財形貯蓄制度とは?
財形貯蓄制度には、「一般財形貯蓄」「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」の3種類があります。
いずれも給与天引きで積み立てる点は共通していますが、目的や税制優遇の有無が異なります。
もっとも自由度が高いのは一般財形貯蓄で、使途制限がなく必要なときに引き出すことができ、1人で複数の契約が可能で積立限度額も制限なしです。
ただ、一般財形貯蓄は、自由度が高い反面、利子等の非課税といった優遇措置もありません。
一方、財形住宅貯蓄と財形年金貯蓄は、特定の目的に利用すれば利子が非課税になるメリットがありますが、要件を満たさない引き出し方をすると税制優遇が受けられないため、やや使い勝手が悪いと感じる人も多い制度です。
3つの財形貯蓄制度について、違いを簡単にまとめると以下の通りです。
| 制度の種類 | 主な目的 | 税制優遇 | 引き出しの自由度 |
|---|---|---|---|
| 一般財形貯蓄 | 自由に使える貯蓄 | なし | 高い(自由に引き出し可能) |
| 財形住宅貯蓄 | 住宅購入やリフォームなど | 利子が非課税(条件あり) | 中程度(目的外の引き出しは制限) |
| 財形年金貯蓄 | 老後資金の積立 | 利子が非課税(条件あり) | 低い(長期拘束あり) |
財形住宅貯蓄は、資金用途が住宅の建設や購入、リフォームなどに限定されており、対象となる住宅には面積要件(原則として50㎡以上)があります。
財形年金貯蓄で引き出しする場合には、財形住宅貯蓄と合わせて元利合計550万円までが非課税となり、保険商品の場合には払込保険料累計額385万円までから生じる利子等が非課税となる優遇措置があります。
財形貯蓄制度のメリット
財形貯蓄制度には、勤労者と事業主の双方にとって多くのメリットがあります。
まず勤労者にとっては、「財形住宅貯蓄」「財形年金貯蓄」を合わせて元利合計550万円まで利子が非課税となり、老後資金や住宅取得の準備を有利に進められます。
特に、財形年金は年金受取が終わるまで非課税が継続するため、長期資産形成に役立ちます。
また毎月1,000円から積立でき、給与天引きで自動的に貯まるため、手間なく計画的に貯蓄できる点も魅力です。
さらに、一定の条件を満たせば「財形持家融資」を利用でき、企業によっては財形給付金や一時金を受け取る制度がある場合もあります。
一方、事業主にとってもメリットは大きく、従業員の貯蓄意識の向上や福利厚生制度の充実につながり、結果として従業員の定着率が高まり、人材確保にもプラスに働く効果が期待できます。
さらに、財形制度を導入していることは求人票にも明記でき、福利厚生の整った企業としてアピールできる点も利点です。
財形貯蓄のデメリットは?

資産運用目的には不向きな理由とは?
財形貯蓄制度は「貯める仕組み」としては便利ですが、資産運用を目的とするとメリットはほとんどありません。
その理由は、預金利率が極めて低い点が挙げられます。
2024年7月以降の日銀利上げによりゼロ金利からは抜け出したものの、それでも多くの金融機関では金利が1%未満となっています。
預金金利よりインフレ率の方が高いため、実質的には資産が目減りしていく状況です。
また、財形貯蓄は制度上、利用できる金融機関や商品の種類が限られており、運用益を狙える投資信託や株式などを選べるわけではありません。
あくまでも「元本確保の預貯金型」に偏っているため、資産を増やすという観点では効率が悪いのが実情です。
積立の強制力は魅力ですが、将来の資産形成を考えるなら、より高いリターンが期待できる手段と比較しながら検討する必要があります。
財形貯蓄の制度は時代遅れ?

現在の制度が時代に合っていない理由は?
財形貯蓄制度は1971年(昭和46年)から始まった歴史ある制度ですが、現在の金融環境には必ずしもマッチしていません。
その最大の理由が、超低金利にあります。
利子非課税という制度上のメリットがあっても、そもそもの金利が1%未満では、非課税の恩恵はごくわずかで、資産形成にはほとんど寄与しません。
また、住宅購入や老後資金の準備に関しても、現在では新NISAやiDeCoを使った投資信託によるインデックス投資など、より効率的で柔軟な選択肢が数多く登場しています。
さらに、財形貯蓄は勤務先に制度がないと利用できず、転職すると引き出しやすさが変わるなど、現代の働き方とも相性が良いとは言えません。
こうした点から、財形貯蓄は「時代遅れ」と評価されることが増えており、そもそも制度があること自体を知らない人も非常に多くなっています。
財形貯蓄を続けるより他の方法がよいケース

iDeCoや新NISAとの違いは?
財形貯蓄は、「自動で積み立てられる」という点では便利ですが、長期的な資産形成を目的とするなら、iDeCoや新NISAの方が圧倒的に有利です。
iDeCoは、掛金が全額所得控除となり節税効果が大きいほか、投資信託などで運用益を非課税で増やせます。
新NISAも同様に、投資から得られる利益がすべて非課税となり、長期運用に適した商品が選べる点が魅力です。iDeCoに比べると、いつでも引き出せる点がメリットです。
一方、財形貯蓄は預金型が中心で、金利が低いため、インフレに負けやすいという構造的な弱点があります。
また、iDeCoと新NISAは、リスクの異なる金融商品から選べるため、自分の年齢や収入、リスク許容度に応じて運用方針を調整できます。
財形貯蓄制度とiDeCo、新NISAの違いをまとめると、次の通りです。
| 項目 | 財形貯蓄制度 | iDeCo | 新NISA |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 貯蓄 | 老後資産形成 | 資産形成全般 |
| 税制優遇 | 財形住宅と財形年金の利子が非課税 | 掛金が全額所得控除、運用益非課税 | 運用益や配当金が非課税 |
| 運用商品 | 預金中心 | 投資信託や定期預金保険などから選択 | 株式や投資信託など幅広く選択可 |
| 流動性 | 中途解約は可能だが制約あり | 原則60歳まで引き出し不可 | いつでも売却、引き出し可 |
| 積立方法 | 給与天引きで自動積立 | 銀行口座から自動引落 | 金額を自由設定して積立 |
| メリット | 強制力があり貯まりやすい | 節税効果が大きい | 非課税枠が大きく柔軟 |
| デメリット | リターンが非常に低い | 引き出し制限が強い | 元本割れリスクあり |
| おすすめタイプ | とにかく強制的に貯めたい人 | 老後資金を効率的に作りたい人 | 投資で資産形成したい人 |
財形貯蓄を「やめた方がいい」かどうかの判断ポイント

利用中の人が見直すべきポイントは?
財形貯蓄制度を既に利用している人も、一度「本当に自分の資産形成に役立っているか?」を見直すことが大切です。
まず確認すべきは、適用されている利率です。
金利が0.01%台のまま積み立てている場合、インフレにより実質的な価値が下がっている可能性があります。
また、積立目的と制度の特徴が一致しているかどうかも重要です。
住宅購入や老後資金のためであっても、新NISAやiDeCoなど、現在はより効率的な制度が多数存在します。
さらに、転職やライフスタイルの変化に合わせて柔軟に見直せるか、手続きのしやすさや自由度も、判断材料になります。
「惰性で続けていないか?」「より適した手段がないか?」を定期的にチェックし、必要に応じて制度を切り替えることで、より効率的な資産形成を目指すようにしましょう。
まとめ
財形貯蓄制度のメリットは、給与を強制貯蓄できる点のみと言っても過言ではありません。
財形貯蓄制度は1971年に始まった古い制度のため、新NISAやiDeCoの方が合理的なことに加えて、昨今のインフレ局面には相性が悪いと言わざるを得ません。
Q&A
Q1 財形貯蓄制度はやめたほうがいい?
A1 財形貯蓄制度のメリットは強制貯蓄のみであるため、新NISAやiDeCoなどを検討してみた方がいいことは確かです。
Q2 財形貯蓄制度はなぜ時代遅れと言われる?
A2 昨今のインフレ局面には対応できない点、新NISAやiDeCoに比べるとメリットが少な過ぎる点などが挙げられます。
Q3 財形貯蓄制度を利用中の場合はどうすべき?
A3 いきなり全てを引き出すことが難しいとしても、少しずつ引き出して新NISAやiDeCoに回した方が合理的です。非課税措置が受けられないと思うかもしれませんが、低金利で微々たるものであるため、無視しても影響はないのではないでしょうか?






