更新日:2026.2.9
寄付金控除とは?節税メリットはある?
寄付金控除について気になっていて、「寄付金控除とは?」「寄付金控除の節税メリットは?」など、疑問に思っていませんか。
寄付金控除とは、一定の団体に「特定寄附金」を支出した場合に税金の負担を軽減できる制度です。
「ふるさと納税」が最も代表的な寄付金控除として知られています。
ただ、寄付金控除には控除額に上限があり、控除の対象となる寄付先や控除方式は法律で決めてられているなど、すべての寄付が対象となるわけではありません。
本記事では、寄付金控除の仕組みや控除方式、対象となる金額や寄付対象、「ふるさと納税」についても解説しています。
Contents
寄付金控除はどんな制度か

寄付金控除の仕組みは?
寄付金控除とは、国や地方自治体、認定NPO法人など、一定の団体に「特定寄附金」を支出した場合に、税金の負担を軽減できる制度です。
対象となる寄付を行うと、確定申告を通じて「所得控除」または「税額控除」のいずれかが適用され、所得税や住民税が軽減されます。
控除の対象となる寄付先や控除方式は法律で定められており、すべての寄付が対象になるわけではありません。
代表的な例としては、次のような特定寄附金が寄付金控除の対象となります。
● 国または地方自治体に対する寄附金
● ふるさと納税
● 公益法人などに対する寄附金で財務大臣が指定したもの
● 「独立行政法人」や「学校の設置を主たる目的とする私立学校法人」など、公益の増進に著しく寄与する法人に対する寄附金
● 政党等への寄附金のうち一定のもの
● 認定NPO法人等に対する寄附金で、その活動事業に関連するもの
● 特定新規中小会社が発行した株式の払込みによる取得に要した金額(※800万円まで)
寄付金控除の控除額は、「次の(1)(2)のうち低い方の金額-2,000円」となります。
(1)特定寄附金の合計額
(2)総所得金額等の合計額の40%
所得控除と税額控除の違いとは

どちらの控除方法が適用されるのか?
寄付金控除には「所得控除」と「税額控除」の2つの方式があり、どちらが適用されるかは寄付先の種類によって異なります。
所得控除は、課税対象となる所得金額を減らす仕組みで、「所得×税率」によって節税額が決まるため、所得税率が高い高所得者ほど有利になりやすい特徴があります。
一方、税額控除は、計算された税額そのものから一定割合を直接差し引く方式で、所得水準にかかわらず節税効果を実感しやすいのがメリットです。
| 所得控除 | 税額控除 |
|---|---|
| 医療費控除 雑損控除 社会保険料控除 生命保険料控除 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど) 地震保険料控除 障害者控除 寡婦控除 ひとり親控除 勤労学生控除 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除 基礎控除 |
住宅ローン控除 配当控除 外国税額控除 |
所得税において、寄付金控除は所得控除に分類されることが一般的ですが、個人住民税では税額控除となります。
政治活動に関する寄附金や認定NPO法人等に対する寄附金または公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除を選択できます。
より詳しくは、国税庁「一定の寄附金を支払ったとき(寄付金控除)」のページを参照するようにしてみてください。
寄付金控除を最大限に活用するには、自分の所得状況と寄付先の控除方式を事前に確認することが重要となります。
控除対象となる金額や上限は?

いくらまで控除できるのか?
寄付金控除で認められる控除額には、控除方式ごとに上限が設けられています。
所得控除型の場合、控除対象となるのは「特定寄附金の合計額もしくは総所得金額等の合計額の40%のうち低い方-2,000円」となります。
※参考:国税庁「一定の寄附金を支払ったとき(寄付金控除)」
一方、税額控除型では、2,000円を超える寄付額の10%が個人住民税から直接差し引かれますが、総所得金額等の30%が限度となります。
※参考:総務省「ふるさと納税以外の寄附金税制」
所得税率は累進課税となっている一方で、住民税は10%一律であるため、高所得者の場合には所得控除の方がお得になりやすい傾向があると言えるでしょう。
対象となる寄付先の具体例

認定NPO法人や学校法人も対象になる?
寄付金控除の対象となる寄付先は、国や地方自治体だけではありません。
一定の要件を満たした認定NPO法人、公益社団法人·公益財団法人、社会福祉法人、学校法人なども控除対象となります。
特に認定NPO法人への寄付は、所得控除に加えて税額控除を選択できるケースが多く、節税効果が高い点が特徴です。
ただし、NPO法人でも「認定」を受けていない場合は、控除内容が異なることがあるため注意が必要です。
認定NPO法人への寄付金控除を受けるには、確定申告書に控除を受ける金額についてその控除に関する記載があり、かつ、「認定NPO法人等寄附金特別控除額の計算明細書」および寄附金を受領した旨、寄附金が認定NPO法人の主たる目的である業務に関連する旨、寄附金の額および受領年月日を証する書類を確定申告書に添付する必要があります。
※参考:国税庁「認定NPO法人に寄附をしたとき」
学校法人や社会福祉法人への寄付も、寄付金の使途や制度上の要件を満たしていれば対象となります。
寄付前に、寄付先が控除対象かどうかを公式サイトなどで確認しておくと安心です。
寄付金控除を活用するための実務ポイント

確定申告で必要な手続きは?
寄付金控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。
申告時には、寄付先から発行される「寄付金受領証明書」を添付、または内容を記載する必要があります。
証明書には寄付額や寄付日、寄付先の情報が記載されており、控除を受けるための重要な書類となります。
また、所得控除と税額控除のどちらを適用するかを自分で選択し、確定申告書に正しく反映させなければなりません。
控除方式を誤ると、本来受けられる節税効果を十分に活かせない可能性があるため注意しておきましょう。
代表的な寄付金控除「ふるさと納税」を押さえておこう

ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、応援したい自治体を選んで寄付を行うことで、所得税や住民税の控除を受けられる代表的な寄付金控除制度です。
寄付をすると、その地域の特産品などの返礼品を受け取れる点が最大の特徴で、制度を上手に活用すれば実質的な自己負担は2,000円に抑えられます。
控除の対象となる金額は「寄付額-2,000円」で、一定の上限内で、確定申告を行った年の所得税と翌年の住民税から差し引かれます。
返礼品は税制上「一時所得」に該当しますが、一時所得には年間50万円の特別控除額があるため、一般的な利用額であれば、課税を心配する必要はありません。
ただ、ふるさと納税は、すべての人に向いているわけではない点には注意が必要です。
住民税や所得税をあまり支払っていない人は、控除上限額が低くなるため、ふるさと納税のメリットが小さくなります。
節税効果が小さいにも関わらず、ふるさと納税ありきで寄付をするのは、本末転倒となる場合もあるため、注意しておきましょう。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」とは?
ふるさと納税は原則として確定申告が必要ですが、一定の条件を満たせば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することで申告を省略できます。
この制度は、寄付先の自治体数が5団体以内で、かつ医療費控除など他の理由で確定申告を行わない給与所得者などが対象です。
利用する場合は、寄付ごとに申請書を自治体へ提出します。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を使うと、所得税からの控除は行われず、寄付した翌年度の住民税から控除額がまとめて差し引かれる仕組みです。
ただし、6団体以上に寄付した場合や確定申告を行う場合は適用できないため、事前に条件を確認しておくことが重要です。
ふるさと納税と「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の違いは、次のようになっています。
| 比較項目 | 通常のふるさと納税(確定申告) | ふるさと納税ワンストップ特例制度 |
|---|---|---|
| 対象者 | 確定申告を行う人(自営業者や副業収入がある会社員など) | 給与所得のみで確定申告が不要な会社員、公務員など |
| 申請方法 | 寄付後、確定申告書に寄付金控除を記入して申告 | 各自治体に「申請書」を郵送して手続き完了 |
| 申請期限 | 翌年の確定申告期間内(原則:2月16日~3月15日) | 寄付した翌年の1月10日までに自治体へ必着 |
| 寄付先の上限数 | 制限なし | 最大5自治体まで |
| 控除の反映方法 | 所得税と住民税の双方から控除される | 住民税から全額控除される |
| 必要書類 | 確定申告書、寄付金受領証明書など | ワンストップ特例申請書、本人確認書類のコピー |
まとめ
寄付金控除は、国や地方自治体、認定NPO法人などに「特定寄附金」を支出した場合に、所得控除もしくは税額控除できる制度です。
多くの人が活用できる寄付金控除としては、「ふるさと納税」が代表的です。
ただ、「ふるさと納税」にしても控除額には上限が設定されており、所得税と住民税をあまり払っていない場合には、あまりお得にはならない可能性が高い点に注意しておきましょう。
Q&A
Q1 寄付金控除とは?
A1 国や地方自治体、認定NPO法人など一定の団体に「特定寄附金」を支出した場合に、所得控除もしくは税額控除できる制度です。
Q2 寄付金控除の節税メリットとは?
A2 所得控除の場合には「特定寄附金の合計額もしくは総所得金額等の合計額の40%のうち低い方-2,000円」が控除されます。税額控除の場合には、2,000円を超える寄付額の10%が個人住民税から直接差し引かれます(総所得金額等の30%が限度)。高所得者の場合には所得控除の方がお得です。
Q3 おすすめの寄付金控除は?
A3 ふるさと納税は、最も代表的な寄付金控除の制度です。実質2,000円の負担で、その地域の特産品などの返礼品を受け取れます。「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を活用することで、5団体以内なら確定申告も不要となります。





