更新日:2025.9.9
50代の貯金はいくら必要?定年後の対策は?
50代のお金の件について、「50代の貯金はいくら必要?」「50代が定年に向けた資産運用とは?」など、気になっていませんか?
50代は、子どもの教育費支出も終わりに向かい、定年後に向けた老後資産の形成を本格化していく時期です。
50代から新NISAなどで投資を始めるのは遅いと思うかもしれませんが、まったくそのようなことはないため、老後に向けたチャレンジとして資産運用を始めてみるのも手です。
本記事では、50代の貯蓄額の実態、定年に向けた50代の必要資金額、50代から始められる節約や資産運用について解説しています。
Contents
50代の貯金事情と平均額

50代の平均・中央値の貯金額はどのくらいなのか?
金融庁が2024年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50代世帯の平均貯金額は、次のようになっています。
| 50代世帯の平均貯金額 | 平均値 | 中央値 |
|---|---|---|
| 二人以上世帯 | 1,168万円 | 250万円 |
| 二人以上世帯(金融資産保有世帯のみ) | 1,677万円 | 700万円 |
| 単身世帯 | 1,087万円 | 30万円 |
| 単身世帯(金融資産保有世帯のみ) | 1,859万円 | 600万円 |
※出典:金融庁「家計の金融行動に関する世論調査」
50代世帯について、二人以上世帯の平均値は1,168万円、中央値は250万円。単身世帯の平均値は1,087万円、中央値は30万円となっています。
なお、これは金融資産を保有していない世帯を含むもので、金融資産を保有していない割合は、二人以上世帯は29.2%、単身世帯は40.2%です。
金融資産保有世帯に限ると、二人以上世帯の平均値は1,677万円、中央値は700万円。単身世帯の平均値は1,859万円、中央値は600万円となっています。
50代は平均値と中央値の差が全世代の中でも特に大きくなっており、資産を多く持つ層と資産を持たない層の二極化が進んでいることが明らかです。
金融資産を保有していない割合は、二人以上世帯・単身世帯ともに全年代の中で突出して多くなっています。
特に、単身世帯の中央値は30万円と、ほぼ2人に1人は実質的に貯金ゼロという現状です。
これから必要な老後資金を見積もる

定年までにいくらあれば安心なのか?
50代は、老後資産を形成するラストスパートとも言える年代です。
老後資産の目安としては、金融庁が2019年に発表して大きな話題となった「老後2,000万円問題」があります。
ただ、これは夫婦で年金以外に月5.5万円不足するという前提で、30年生きると約2,000万円不足するという単純な試算に基づくものであり、やや誇張されている面が否めません。
実際のデータをもとに、定年までにいくらあれば安心なのかを見ていきましょう。
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の世帯の消費支出は265,898円となっています。
二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の消費支出について、世帯主の年齢別、年金収入も合わせて見ると、次の通りです。
| 65歳以上全体 | 65~69歳 | 70~74歳 | 75歳以上 | |
|---|---|---|---|---|
| 実収入 | 266,329円 | 307,741円 | 275,420円 | 252,506円 |
| 可処分所得 | 233,097円 | 266,336円 | 240,596円 | 221,948円 |
| 消費支出 | 259,295円 | 311,281円 | 269,015円 | 242,840円 |
| 収支 | -26,198円 | -44,945円 | -28,419円 | -20,892円 |
※出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
なお同資料では、65歳以上の単身無職世帯は、実収入134,116円、可処分所得121,469円、消費支出149,286円、収支-27,817円となっています。
仮に65歳から月3万円の赤字が30年間続いた場合には、3万円×30年間×12ヶ月=1,080万円となる計算です。
金融庁の「老後2,000万円問題」はやや誇張であるとしても、月30万円以上のゆとりある生活をするには、2,000万円以上あれば安心であることは間違いありません。
収入があるうちにできることをやっておく

収入の柱を複数持つにはどうすればいいのか?
50代は定年までの時間が限られている一方、まだ安定した収入がある時期です。
この段階で「収入源を一つに頼らない仕組み」を作っておくことが、定年後の安心につながります。
まず、現在の職場で得たスキルを活かした副業は、有力な選択肢です。
例えば、資格を使った講師業やコンサルティング、オンラインでの情報発信などは、少ない初期投資で始められます。
副業が発展した場合には、事業届を提出して事業化することで、青色申告特別控除などの税優遇や、赤字になった際には給与所得との損益通算といった節税対策にも使えます。
また、不労所得型の収入源を作ることも検討する価値があるかもしれません。
不動産投資は初期費用こそかかりますが、安定した家賃収入が見込めれば長期的な支えになります。
株式や投資信託を保有して配当金や分配金を得る方法も、時間をかければ育てられる収入源です。
とはいえ、不動産投資・株式投資のいずれも簡単ではないため、やるとしたら人生のキャリアの一つとして本気で取り組むようにしてください。
「簡単に不労所得が実現できる」「ほったらかしても自動でお金が入っている」といった、安易な気持ちだけで手を出してしまうと、大きな損失にもつながりかねないためです。
重要なのは、副業や投資で生活費の全てをカバーする必要はなく、老後に「年金+副収入」で家計の安定を確保できる体制を作ることにあります。
固定費の見直しが資金効率を大きく左右する

見直すべき費目には何があるのか?
50代は教育費のピークを終える家庭も多く、その分を老後資金へ回すチャンスです。
固定費を削って浮いた資金をそのまま投資や貯蓄に回せば、定年までの資産形成ペースを加速できます。
まず優先的に見直したいのは、生命保険です。
生命保険を掛ける最たる理由としては、万一の際の子どもの生活保障にありますが、子どもの教育が終わり独立した場合には、保障を大幅に縮小しても問題ありません。
また、医療保険やがん保険が複数重複している場合は、掛け捨て型や必要最低限のプランに変更することでも年間数万円単位で節約できます。
次に、車の維持費も検討してみましょう。
子どもが独立して使用頻度が減った場合には、車を1台減らす、もしくはカーシェアに切り替えることで大きな削減が可能です。
さらに、通信費は格安SIMや光回線の見直しで月数千円レベルの節約ができ、サブスクサービスも「本当に使っているか」を精査して不要なものは解約するようにしましょう。
投資や制度活用で資産を育てる

今からでもiDeCoやNISAは活用できるのか?
投資や資産運用については、「もう50代だから遅いのでは?」と思いがちですが、まったくそのようなことはありません!
新NISAやiDeCoは、50代どころか60代からでも十分活用可能です。
新NISAでは、累計1,800万円までの投資枠が恒久的に非課税となります。
50代から投資を始めて、80代まで投資を継続しても、まったく問題ありません。
むしろ、新NISAの最も効果的な使い方は、死ぬ直前まで運用を続けて、自身が取り崩さなかった場合には、子どもか孫に相続することであるとも言えます。
iDeCoは加入年齢が拡大されており、65歳まで積み立てられます。掛金が全額所得控除になるため、節税効果を受けながら老後資金を積み立てられるのが魅力です。
ただ、残り期間を考えると、50代から始めるなら、iDeCoより新NISAの方がおすすめと言えます。
50代の新NISA運用におすすめの商品とは?
50代の新NISAにおすすめの商品を見ていきましょう。
新NISAのつみたて投資枠の中でも、特に人気が高いのは次の商品です。
| 商品名 | 種類 | 直近5年間リターン(年率) |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国株インデックス(S&P500指数) | +197.68%(年率+24.38%) |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 世界株インデックス | +162.67%(年率+21.31%) |
| eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | バランス型ファンド | +66.32%(年率+10.71%) |
※直近5年間リターンは2025年7月末時点。
新NISAで大人気となっている米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、オルカンこと世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のどちらかがおすすめです。
直近5年間のリターンは、いずれも年率20%以上となっていますが、これは出来過ぎの値であり、過度な期待はしないようにしてください。
現実的な想定としては、S&P500指数・オルカンともに、今後は年率10%前後の利回りを想定しておくようにしましょう。
また、よりリスクを抑えたい場合には、株式に加えて債権やREITなど8資産に分散投資した「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」もおすすめです。
こちらは株で運用しているS&P500指数・オルカンよりリターンは小さくなりますが、その分だけリスクも抑えられます。
50代の場合は、さまざまなシミュレーションが考えられます。
50代が退職までの15年間、月5万円の積み立てを継続して、年率7%で運用した場合には、1,585万円(元本900万円)となります。
※出典:金融庁「つみたてシミュレーター」
50代から新NISAを始めて30年間、月5万円の積み立てを継続して年利7%で運用した場合には、6,100万円(元本1,800万円)です。
50代の新NISAの使い方は、現在の財産状況や退職金、年金などさまざまな要素によって左右されるため、より詳しくは、FPに相談してみるようにしてください。
まとめ
50代は、子どもの教育費も終わりに向かい、本格的に老後資産の形成に取り組んでいく時期です。
特に、50代から新NISAや副業を始めても間に合うため、老後に向けたキャリアとして本気で取り組んでみてはいかがでしょうか?
Q&A
Q1 50代の貯金額の平均は?
A1 金融庁「家計の金融行動に関する世論調査」によると、二人以上世帯の平均値は1,168万円(中央値は250万円)、単身世帯の平均値は1,087万円(中央値は30万円)となっています。
Q2 定年後には貯金はいくらあれば安心?
A2 老後の生活費のデータを見ると、金融庁の「老後資金2,000万円問題」はやや誇張の側面があります。ただ、ゆとりある老後を迎えるには、2,000万円以上あった方がいいことは間違いありません。
Q3 50代が新NISAで資産運用を始めるのは遅過ぎる?
A3 まったくそのようなことはありません。むしろ、50代からコツコツと投資を始めて、最終的に子どもや孫に相続することは、恒久非課税の新NISAを最も有効活用していると言えます。









