更新日:2025.11.25
ふるさと納税はしないほうがいい?向かない人は?
ふるさと納税について、「ふるさと納税はしないほうがいい場合もある?」「ふるさと納税に向かない人とは?」などの点を疑問に思っていませんか。
ふるさと納税は、実質負担を抑えてさまざまな返礼品が貰えるため、利用すれば間違いなく経済的にお得な制度ではあります。
ただ、所得税や住民税の負担額が少ない人や、手続きや書類管理が苦手な人などは、ふるさと納税をしてもあまりお得に感じられないケースが少なくありません。
本記事では、ふるさと納税の仕組みや「ふるさと納税ワンストップ特例制度」について、ふるさと納税をしないほうがいい人、ふるさと納税の問題点について解説しています。
Contents
ふるさと納税とは?

ふるさと納税の控除の仕組みとは?
ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体に寄付をすると、返礼品を受け取りつつ、所得税と住民税が控除される税制優遇制度です。
ふるさと納税による控除額は、自己負担額の2,000円を除いた金額となるため、実質的に2,000円の負担で返礼品を受け取れることになります。
なお、ふるさと納税の返礼品は、税制上では「一時所得」に該当しますが、一時所得には特別控除額50万円があるため、ほとんどのケースでは気にする必要はありません。
ふるさと納税をするには、原則として確定申告を行う必要がありますが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を使えば、確定申告も不要になります。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は、ふるさと納税する自治体の数が5団体以内の場合に、ふるさと納税先の各自治体に申請して行うものです。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を活用する場合には、所得税からの控除は発生せず、ふるさと納税をした翌年度の個人住民税から全額が控除されます。
なお、ふるさと納税する自治体の数が6団体以上となる場合、医療費控除などを受けるために確定申告をする場合などには、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の適用を受けられないため注意しておきましょう。
通常のふるさと納税と「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の違いは、次の通りです。
| 比較項目 | 通常のふるさと納税(確定申告方式) | ワンストップ特例制度 |
|---|---|---|
| 対象者 | 確定申告を行う人(自営業者や副業収入がある会社員など) | 給与所得のみで確定申告が不要な会社員、公務員など |
| 申請方法 | 寄付後、確定申告書に寄付金控除を記入して申告 | 各自治体に「申請書」を郵送して手続き完了 |
| 申請期限 | 翌年の確定申告期間内(原則:2月16日~3月15日) | 寄付した翌年の1月10日までに自治体へ必着 |
| 寄付先の上限数 | 制限なし | 最大5自治体まで |
| 控除の反映方法 | 所得税と住民税の双方から控除される | 住民税から全額控除される |
| 必要書類 | 確定申告書、寄付金受領証明書など | ワンストップ特例申請書、本人確認書類のコピー |
なぜ「しないほうがいい」と言われるのか?

控除の仕組みを理解していないと損をする?
ふるさと納税は「税金が戻ってくる制度」と思われがちですが、正確には2,000円の自己負担をして、住民税や所得税からの控除によって負担を軽減する仕組みです。
住民税や所得税をあまり支払っていない人は、控除上限額が低くなるため、効果がほとんど得られません。
具体的には、専業主婦(夫)や学生、所得の少ないパート勤務者などは、ふるさと納税をしても、ほとんどお得に感じられない可能性があります。
控除上限を超えて寄付した場合、その超過分はただの寄付扱いとなり、返礼品の価値に対して割高になってしまい、節税どころか損をしてしまう可能性もあります。
また、返礼品は「○○○○○円相当」と記載されていることがありますが、実際の商品の相場を知っている場合には、割高と感じるケースも少なくありません。
たとえば、「20万円相当分のPC」を返礼品として受け取る場合、安く買えるPCサイトなら15万円程度で買えるといったケースがあります。
手間や時間コストを考えると逆効果になるケース

手続きが思った以上に面倒と感じる人も?
ふるさと納税は手軽なイメージがありますが、実際には意外と手間がかかると感じる人も少なくありません。
「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用する際に申請書を出し忘れたり、住所変更後に再申請を行わなかったりすると、控除が無効になるケースもあります。
書類の不備や提出漏れがあった場合には、確定申告を行う必要があり、かえって時間と労力が増えてしまうケースもあります。
確定申告が必要な人が誤ってワンストップ特例を使ってしまうなど、手続き上のミスが原因で控除を受けられない人も少なくありません。
特に、医療費控除や雑損控除の適用を受けるために確定申告をしてしまうと、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は無効になってしまう点は、ほとんど周知されていないため間違いが発生しやすくなっています。
忙しい人や書類管理が苦手な人にとっては、手間の割にメリットを感じにくく、あまりお得に感じられないかもしれません。
キャッシュフローに影響し、家計を圧迫することもある

寄付のタイミングによっては資金が足りなくなる?
ふるさと納税では、寄付する金額は一度自分で支払う必要があるため、一時的な支払いが発生します。
特に、年末にまとめて寄付する場合には、短期間で数万円〜数十万円の出費となり、家計の資金繰りを圧迫することもあります。
さらに、控除が適用されるのは翌年以降の住民税や所得税であるため、「すぐにお金が戻るわけではない」点にも注意が必要です。
返礼品の魅力に惹かれて計画なく寄付してしまい、一時的に生活費が足りなくなるような事態に陥らないようにしておきましょう。
自治体への偏りや制度のゆがみにモヤっとする人も

制度本来の目的からズレていると感じる?
ふるさと納税は、「地方創生」を目的に地方を応援するために始まった制度ですが、自治体間の返礼品競争が激化しており、制度の本質が薄れていると指摘されています。
寄付が集中する自治体と、税収が減少する都市部との格差拡大も問題視されており、結果的に本来の行政サービスに影響が出かねない状況です。
ふるさと納税による減収の影響を最も受ける東京都は、ふるさと納税に参加していません。
また、ふるさと納税の実施においては、さまざまな経費が生じており、寄付先の自治体に流れる実質額は、寄付受入額の5割程度に過ぎないというのが実際の所です。
寄付金の多くは、ふるさと納税の仲介事業をしている大手ネット事業者の手数料に流れてしまっています。
納税者側としては、実質2,000円の負担で返礼品を受け取れるためお得ですが、日本全体で俯瞰してみると、それほどお得になってはいないというのが現状です。
近年は、日本でも減税議論が過熱していますが、ふるさと納税を使う人が増えれば増えるほど、各自治体にとって貴重な財源となっている消費税などの重要性が増すため、減税しにくくなるという皮肉な状況です。
こうした状況を受けて、総務省は返礼品の「地場産品ルール」や「返礼割合3割以下」の制限を設けるなどの是正措置を行っていますが、制度の運用バランスは依然として課題が残っています。
「豪華な返礼品目当ての制度になっている」と感じてモヤモヤする人も多く、倫理的なゆがみを理由に、敢えて、ふるさと納税をしない人も少なくありません。
公平性の観点からも問題がある
「ふるさと納税」による控除額は、所得に応じて上限が高くなる仕組みとなっています。
自己負担額2,000円は同じであるにも関わらず、高所得者ほど多額の返礼品を受け取れるようになるため、公平性の観点からも問題があると言わざるを得ません。
同じ自己負担2,000円であっても、収入によって次のように返礼品の上限額には差が出ます。
| 収入金額 | ふるさと納税額 | 返礼品の上限額=ふるさと納税額の3割 |
|---|---|---|
| 500万円 | 28,000円 | 8,400円 |
| 1,000万円 | 144,000円 | 43,200円 |
| 2,000万円 | 536,000円 | 160,800円 |
ただ、ふるさと納税は公平な制度とは言えないものの、現状では使わない方が損になってしまっているため、国の税制上では負のインセンティブになってしまっています。
ふるさと納税をやめたほうがいい人は?

しないほうがいい人の特徴は?
ふるさと納税は、実質2,000円の負担で返礼品が貰えるため、経済的にはお得な制度です。
ただ、すべての人に向いているわけではありません。
住民税や所得税をあまり支払っていない人は、控除上限額が低くなるため、ふるさと納税のメリットが小さくなります。
この他にも、手続きや書類管理が苦手な人、確定申告を避けたい人、あるいは複数自治体とのやり取りを煩わしく感じる人には負担が大きくなりがちです。
また、寄付金を立て替える形になるため、現金の余裕が少ない家庭や単月の出費を抑えたい世帯には不向きです。
さらに、制度そのものに疑問を感じたり、メリットよりも手間やストレスを重く見る人は、無理に参加しない方が賢明といえます。
まとめ
ふるさと納税は、実質負担額2,000円で返礼品が貰えるため、経済的にはお得な制度ではあります。
ただ、住民税の額が少ない場合にはそれほどお得にならず、手続きが面倒な人にとっても作業の割にはあまりお得に感じられない場合が少なくありません。
Q&A
Q1 ふるさと納税に向かない人とは?
A1 住民税の額が少ない人、書類作業などの手続きが面倒な人には、あまりお得に感じられないと言えます。
Q2 ふるさと納税はしないほうがいい?
A2 経済的に考えれば、実質負担額2,000円で返礼品を受け取れるため、お得な制度ではあります。
Q3 ふるさと納税の問題点は?
A3 返礼品競争の過熱や自治体間の格差、税制的な不公平性など、税制面で見ると、ふるさと納税は問題点が多いと言わざるを得ません。ただ、現状では使わないと損になってしまうという矛盾を抱えています。









