更新日:2025.11.26
コモディティETFとは?どんなリスクがある?
金や原油などのコモディティETFに興味があるものの、「コモディティETFって?」「コモディティETFにはどんなリスクがあるの?」など、疑問に思っていませんか。
貴金属価格の上昇を受けて、金ETFや銀ETF、プラチナETFなどのコモディティETFへの注目が高まっています。
コモディティETFは、株のように分配金は出ないものの、ポートフォリオの一部としておすすめできる金融商品です。
本記事では、コモディティETFの概要、具体的な金ETFや原油先物ETFの紹介、コモディティETFのリスク、コモディティETFの投資方法について解説しています。
Contents
なぜコモディティETFが注目されているのか?

インフレや地政学リスクが高まる中での役割とは?
コモディティETF(商品先物ETF)は、金(ゴールド)や原油、穀物などの実物資産や先物価格に連動する金融商品です。
特に、金(ゴールド)や銀、プラチナといった貴金属系のコモディティETFは、インフレ対策としても注目を集めています。
物価上昇局面では、円やドルといった通貨価値が下がる一方、金(ゴールド)などの実物資産の価値は相対的に上昇する傾向があるためです。
また、地政学的リスクが高まる局面では、供給不安や物流制約が起こりやすく、コモディティ価格が上昇する傾向もあります。
コモディティは、株式や債券と異なる値動きをするため、ポートフォリオの分散効果も期待でき、経済や市場が不安定なときほど注目されやすい投資対象です。
主なコモディティETFの種類と特徴

金やプラチナなどの「貴金属系ETF」
貴金属系ETFは、金や銀、プラチナなどの貴金属価格と連動した値動きをするETFです。
特に、金ETFは世界的に最も取引量が多いコモディティETFです。
東証に上場している貴金属系ETFには、次のような銘柄があります。
| 東証ETF | 種類 | 信託報酬 | 特徴 | 上昇率(直近5年間) |
|---|---|---|---|---|
| 【1326】SPDRゴールド・シェア | 金ETF | 0.40% | ゴールドETFの中でも信託報酬が低い | +216.15% |
| 【1540】純金上場信託(現物国内保管型) | 金ETF | 0.44% | ゴールドETFの中でも流動性が非常に高い人気銘柄 | +225.37% |
| 【1541】純プラチナ上場信託(現物国内保管型) | 銀ETF | 0.55% | 代表的な銀ETF | +159.99% |
| 【1542】純銀上場信託(現物国内保管型) | プラチナETF | 0.55% | 代表的なプラチナETF | +206.27% |
※上昇率は、2025年11月12日終値時点の値。
東証の金ETFとしては、【1540】純金上場信託(現物国内保管型)と【1326】SPDRゴールド・シェアの2銘柄が代表的です。
いずれも現物の金価格に連動しており、株式や通貨が不安定なときの「安全資産」として資金が流入しやすい特徴があります。
また、ゴールド価格は、1トロイオンス当たりのドル建て価格で表示されるドル建て資産のため、円安局面では円建て価格が上昇する「円安ヘッジ資産」である点もメリットです。
ゴールド価格は直近で大きく上昇しており、【1540】純金上場信託(現物国内保管型)は直近5年間で+225.37%と、3倍以上の大きな上昇率となっています(2025年11月12日時点)。
プラチナや銀は、貴金属としての価値に加えて工業用途もあるため、景気動向にも影響を受けやすい点が特徴です。
プラチナETFとしては【1541】純プラチナ上場信託(現物国内保管型)、銀ETFとしては【1542】純銀上場信託(現物国内保管型)が代表的な銘柄です。
直近5年間の上昇率はそれぞれ+159.99%、206.27%となっており、金ETFに匹敵する上昇率となっています。
東証には、上記銘柄以外にも貴金属ETFが上場していますが、流動性が非常に低く「流動性リスク」が高いため、おすすめできません。
原油や農作物などの「エネルギー・農産物系ETF」
コモディティETFとしては、原油や天然ガスなどに連動する「エネルギーETF」、大豆や小麦、トウモロコシなどに連動する「農産物系ETF」もあります。
これらは、世界的な需給バランスや地政学リスク、気候変動などの影響を強く受け、短期間で価格が大きく動きやすい点が特徴です。
特に原油価格は、中東情勢やOPECの生産調整、景気動向などのニュースに敏感に反応するため、価格変動リスクが高い一方で、短期トレードの対象としても人気があります。
「WTI原油先物」などの原油価格に連動する東証ETFには、次のような銘柄があります。
| 東証ETF | 種類 | 信託報酬 | 特徴 | 上昇率(直近5年間) |
|---|---|---|---|---|
| 【1671】WTI原油価格連動型上場投信 | 原油先物ETF | 0.935% | WTI原油価格に連動する | +269.35% |
| 【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 | 原油先物ETF | 0.55% | 原油ETFの中でも信託報酬が低い | +291.47% |
※上昇率は、2025年11月12日終値時点の値。
東証の原油先物ETFとしては、【1671】WTI原油価格連動型上場投信、【1699】NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信の2銘柄が代表的です。
直近5年間の上昇率は金ETFを超えていますが、これは2020年コロナショックでの暴落から、2022年ウクライナ情勢までに大きく上げたためであり、2023年以降はほぼ横ばいとなっています。
なお、東証には農産物系ETFとして、ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッドが運用する銘柄が多数上場していますが、いずれも取引量がほとんどなく流動性リスクしかないため、投資対象としてはおすすめできません。
投資におけるリスクは?

価格変動リスクと短期的な値動きの荒さ
コモディティETFは、直近では株を超える大きな上昇率となっているものの、相応のリスクも存在します。
まず、価格変動の大きさには注意が必要です。
商品先物価格は、需給バランスや金利、為替、地政学的要因など、複数の外部要因に敏感に反応します。
特に原油価格は、産油国の政策や中東情勢、在庫統計などによって短期間で大きく上下することがあります。
また、ETFの中でも2倍以上の値動きをする「レバレッジ型」は、価格調整による乖離や短期的な値動きによる影響が大きいため、長期保有には不向きです。
具体的には、東証ETNとして【2036】NEXT NOTES 金先物 ダブル・ブル ETN、【2038】NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETNがあります。
それぞれ、ゴールド価格のレバレッジ型ETN、原油先物価格のレバレッジ型ETNですが、リスクが高いため、投資初心者にはおすすめできません。
さらに、レバレッジ型ETFやETNは新NISAの対象外です。
なお、株や債券に連動する通常のETFには分配金が出ますが、コモディティETFは商品価格と連動するだけで分配金が出ない点にも留意しておきましょう。
コモディティETFを選ぶポイント

投資対象と連動指数の中身を確認しよう
コモディティETFを選ぶ際は、まず「どの資産価格に、どのように連動するのか」を確認することが重要です。
たとえば、金ETFなら「ロンドン金価格」、原油先物ETFなら「WTI原油先物価格」といった資産価格に、どのように連動するのかを押さえておきましょう。
その上で、ETFの手数料である「信託報酬(経費率)」を保有コストとしてチェックしておくことが重要です。
なお、ETFの中には「先物価格連動型」と「現物価格連動型」があり、これらは仕組みやリスクが異なります。
先物価格連動型は、原油や農産物など現物保管が難しいコモディティに多く、先物取引の期近·期先価格差(ロールコスト)によって実際の値動きと乖離が生じる場合があります。
一方で、金ETFのような現物価格連動型は、純金の価格をほぼ忠実に反映するため、インフレヘッジや長期保有向きです。
コモディティETFの投資方法やタイミング

ゴールドETFに長期・積立・分散投資する
ゴールドETFは、コモディティETFの中でも、安定的に長期保有しやすい資産として人気の金融商品です。
金(ゴールド)は、インフレや金融不安時に買われやすく、株式や債券と異なる値動きをするため、資産全体のリスク分散に役立ちます。
ポートフォリオ全体のうち、約10%をゴールドETFに配分するのが一般的な目安です。
また、新NISAを活用して長期·積立·分散投資をすれば、値上がり益を非課税にもできます。
ただ、直近では金が株より大きく上がっているものの、より長期のリターンで見ると、株の方がリターンが大きく分配金も非課税にできるため、新NISAの優先順位としては株を優先すべきというのが一般論です。
原油先物ETFは大暴落時に投資する
原油先物ETFは、通常の長期投資にはあまり向かない商品です。
原油価格は、国際情勢や需給動向、OPECの方針、為替などに左右され、変動が激しいためです。
ただ例外的に、魅力的な投資機会が訪れることもあります。
たとえば、新型コロナ初期の2020年3月には、原油先物価格が一時マイナス圏に急落し、原油先物ETFは大暴落しましたが、その後の反発局面では大きな利益を得られました。
原油先物ETFの直近5年間リターンが、株や金を上回っているのは、コロナショックによる暴落があったためです。
原油先物ETFを「大暴落時に仕込む戦略」は、リスク管理を徹底した上でのタイミング投資が鍵になります。
まとめ
コモディティETFは、金ETFや原油先物ETFといった、商品先物価格に連動するETFです。
直近では金価格が大きく上がっており、ポートフォリオの10%程度を目安に金ETFに投資するのもおすすめです。
ただ、コモディティETFは、商品ごとに相応の価格変動リスクがあり、分配金が出ない点にも注意しておきましょう。
Q&A
Q1 コモディティETFとは?
A1 金ETFや原油先物ETFといった、商品先物価格に連動するETFです。
Q2 コモディティETFのリスクとは?
A2 価格変動リスクが大きく、株のように分配金が出ないことが挙げられます。特に、貴金属価格は直近で大きく上がっているため、リスクも相応に大きくなっています。
Q3 コモディティETFの投資方法は?
A3 金ETFをポートフォリオの10%程度を目安に長期·積立·分散投資する、原油価格の大暴落時に原油先物ETFに投資するなどの方法が考えられます。






