更新日:2025.12.8
VIX指数とは?“恐怖指数”との付き合い方
恐怖指数ことVIX指数について、「そもそもVIX指数とは?」「VIX指数を投資に活かすには?」など、興味がある方も少なくないのではないでしょうか。
VIX指数は、S&P500指数の逆相関指数となっており、世界株安局面では急騰することで知られています。
近年では、AIバブルの崩壊が懸念された2024年8月には65.73、トランプ関税ショックが世界経済を動揺させた2025年4月には60.13まで急騰しました。
本記事では、VIX指数の意味、VIX指数が急騰した場面、VIX指数の活用法や注意点について解説しています。
Contents
なぜVIX指数は「恐怖指数」と呼ばれるのか

VIX指数が意味するものとは?
VIX指数とは、米国市場を代表する株価指数「S&P500指数」に連動するオプション価格をもとに算出される「今後30日間の予想ボラティリティ(価格変動率)」を示す指標です。
投資家が不安を感じ、将来の値動きが荒くなると予想されるほどオプションの価格は上昇し、結果としてVIX指数も高くなります。
そのため、市場心理の悪化を一目で把握できる指標として「恐怖指数」と呼ばれることも少なくありません。
一般的に、上昇相場などで市場が落ち着いているときにはVIX指数は低下する傾向にあり、これは投資家のリスク許容度が高い状態を意味します。
一方で、VIX指数が急騰した場合は、市場に何らかの不安や不確実性が生じているサインとされ、世界株安の局面ではVIX指数が急伸する傾向があります。
| S&P500指数 | 上昇 | 下落 |
|---|---|---|
| VIX指数 | 下落 | 上昇 |
VIX指数の数値と市場の関係性

VIXが上昇するのはどんな場面か?
VIX指数が上昇する典型的な場面としては、景気指標の悪化、インフレ懸念、金利急変、地政学リスク、さらには金融機関の破綻など、市場の不確実性が高まる局面です。
こうした状況では、投資家がリスク回避姿勢を強め、株式市場では売りが優勢となり、オプション需要が高まるためVIX指数が上昇する傾向があります。。
反対に、企業業績が好調で株価が安定上昇している局面や、イベントリスクが後退して市場心理が落ち着くと、VIX指数は低下しやすくなります。
つまり、VIX指数の動きは株式市場と逆相関になりやすく、短期的にマーケットの緊張状態を測る重要なバロメーターとして参考にされているのです。
VIX指数が急上昇した局面
VIX指数は、10〜30程度のレンジに収まっていることが大半ですが、急騰する場合があります。
近年で、VIX指数が急上昇した局面を見ていきましょう。
● 2020年3月:コロナショック
2020年3月には、新型コロナウイルスの世界的なパンデミックを受けて、世界的に株価が急落しました。
コロナショックによって、VIX指数は一時85.47にまで急騰し、リーマンショック後に付けた最高値89.53を更新しそうになりました。
● 2024年8月:AIバブル崩壊懸念
2024年7月から8月に掛けて、米国市場ではAIバブル崩壊が懸念されたことにより株価は一時暴落し、日本でも日銀が利上げを発表したことで円高株安のダブルパンチとなりました。
VIX指数は、一時65.73まで急騰しました。
● 2025年4月:トランプ関税ショック
2025年3月から4月に掛けては、第二次トランプ政権による「トランプ関税」が世界経済を動揺させました。
世界中の株が大きく売られ、VIX指数は一時60.13まで急騰しました。
| 年月 | VIX指数 | 背景 |
|---|---|---|
| 2008年10月 | 89.53(1993年以降の最高値) | リーマンショックによる世界金融危機 |
| 2020年3月 | 85.47 | 新型コロナの世界的パンデミック(コロナショック) |
| 2024年8月 | 65.73 | AIバブル崩壊懸念による世界同時株安 |
| 2025年4月 | 60.13 | トランプ関税ショックによる世界同時株安 |
なお、1993年以降では、リーマンショック後の2008年10月に付けた89.53がVIX指数の最高値となっています。
VIX指数の活用法

個人投資家はどう使えばいい?
個人投資家にとってVIX指数は「市場心理の温度計」として活用でき、買い急ぎや感情的な売買を避けるための客観的な判断材料になります。
たとえば、VIX指数が極端に低いときは市場が過度に楽観的な状態であり、そのタイミングで追加投資をする場合には慎重な判断が求められます。
逆に、VIX指数が急騰している局面では、相場が不安定であることを示しているため、無理にリスク資産へ突っ込まず、ポジション整理や現金比率の引き上げを検討する材料として使えます。
とはいえ、VIX指数は短期的に上下する指標のため、単独で売買判断に使うのではなく、相場環境や株価指標と組み合わせて総合的に判断することが重要です。
また、これまでの統計からすると、VIX指数が急騰した2020年3月、2024年8月、2025年4月は、いずれも絶好の買い場だったことは事実です。
VIX指数に連動するETF
VIX指数の動きを投資で活用したい場合には、VIX指数に連動するETFが選択肢となります。
VIX指数に連動するETFは、暴落時に急騰する性質があるため、一部のトレーダーには非常に好まれています。
ただ、VIX指数に連動するETFは、投資に適さないとして、世界的には上場廃止が相次いでいることには注意が必要です。
東証では、長らく【1552】国際のETF VIX短期先物指数が、世界株安時に急騰する銘柄として多くのトレーダーに愛用されていましたが、2024年2月12日をもって上場廃止となりました。
その後継として、【318A】VIX短期先物指数ETFが新規上場しており、現在はこちらが主要な選択肢となっています。
ただ、VIX指数連動型ETFは値動きが激しく、長期保有にはまったく向かない銘柄であることには注意が必要です。
2020年3月、2024年8月、2025年4月などの相場急落時にのみ短期トレードに適する銘柄となることを留意しておくようにしましょう。
VIX指数に関する注意点は?

VIXは“予測”ではない?
VIX指数は、「近い将来の株価変動を当てる指標」と誤解されがちですが、実際には市場参加者が織り込む“期待ボラティリティ”を表す指標に過ぎません。
つまり、あくまで「市場心理の反映」であり、実際の値動きとは必ずしも一致しない点に注意が必要です。
とくに市場がパニックに陥った局面では、VIX指数が急騰しても株価の下落タイミングが前後したり、上昇幅が過大もしくは過小に見えることがあります。
このため、VIX指数を“未来の価格を当てるツール”として使うと、誤った判断を招きやすくなります。
あくまで「市場の不安がどれほど高まっているのか」を知るための指標として位置づけておき、相場全体のセンチメントを把握するうえでの補助ツールとして活用する姿勢が重要です。
また、VIX指数が高値を付けた2020年3月、2024年8月、2025年4月は、現在から見ると相場の底だったと言えます。
しかし、VIX指数が急騰している現在進行形では、どこまで上がるのかは誰にも分からないため、VIX指数から相場の底を当てることは至難の業であり、宝くじを当てるようなものです。
長期投資におけるVIXとの付き合い方

短期売買だけでなく“相場観の補助”に活かせる
VIX指数は、短期売買のトリガーとして使われる印象が強いものの、長期投資家にとってもリスク管理の面で有用な情報源となります。
定期的にVIX指数の推移を観察することで、市場がどの程度の緊張感を抱えているのか、あるいは過度に楽観的になっているのかを把握しやすくなるためです。
たとえば、VIX指数が高水準で推移しているなら買い増しのチャンスになるかもしれず、逆に落ち着いた状態なら「そろそろ上昇トレンドも終わりかもしれない」と考えて株式比率を下げて守りを固める判断のタイミングかもしれません。
なお、2024年8月には65.73、2025年4月には60.13という例外はあるものの、ここ数年ではVIX指数は長らく10〜30程度で推移しています。
VIX指数が50を超えたら買い?
VIX指数が50を超える局面は、市場がパニック状態に陥り、投資家の恐怖心理が極限まで高まっているタイミングを示します。
過去の統計を振り返ると、VIX指数が50以上に急騰したのは、リーマンショックやコロナショックなど、歴史的な暴落局面に限定されており、いずれも株式市場は“売られすぎ”の状態にありました。
そのため「VIX指数が50を超えた場面で株式を買っていれば、ほぼ大底付近で購入できていた」という統計的事実は否定できません。
ただし、これはあくまで過去の傾向であり、未来の値動きを保証するものではありません。
VIX指数が50を超えても下落が一時的に続く場合もあり得ますし、恐怖がピークに達した後の転換点を正確に捉えるのは容易ではありません。
しかし長期投資の視点では、極端な恐怖局面は“割安で買うチャンス”になりやすいのも事実です。
活用するかどうかは自己責任ではありますが、VIX指数が急騰した直後には大きなチャンスが転がっていることは間違いないでしょう。
まとめ
VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれ、世界株安局面では急騰する傾向があります。
近年では、AIバブルの崩壊が懸念された2024年8月、トランプ関税ショックの2025年4月に急騰しました。
VIX指数の扱いには注意が必要ですが、VIX指数が50以上に急騰した2020年3月、2024年8月、2025年4月は、いずれも絶好の買い場だったことは統計的事実となっています。
Q&A
Q1 VIX指数とは?
A1 S&P500指数の逆相関指数で、世界株安局面で急騰することから「恐怖指数」とも呼ばれています。近年は10〜30程度のレンジで推移していますが、2024年8月には65.73、2025年4月には60.13まで急騰しました。
Q2 VIX指数を活用する方法は?
A2 VIX指数が50を超えていた場面が、相場の底だったことは統計的事実です。
Q3 VIX指数を売買する方法は?
A3 VIX指数に連動するETFとして人気だった【1552】国際のETF VIX短期先物指数は、2024年2月12日に上場廃止となりました。後継銘柄として【318A】VIX短期先物指数ETFが新規上場しています。







