更新日:2025.12.8
アセットアロケーションとは何か?
アセットアロケーションについて、「アセットアロケーションって何?」「アセットアロケーションとポートフォリオはどう違うの?」など、疑問に思っている方も少なくないのではないでしょうか。
アセットアロケーションとは、「株式70% 金10% 現金20%」のように、資産をどのように保有しているかを示すものです。
似たような概念に「ポートフォリオ」がありますが、ポートフォリオはアセットアロケーションを実現するためのものです。
本記事では、アセットアロケーションとポートフォリオの違い、年代別のアセットアロケーションの考え方、アセットアロケーションを実現するツールや商品について解説しています。
Contents
アセットアロケーションとは?

アセットアロケーションとは何か?
アセットアロケーションとは、投資資金を、どの資産クラスにどの割合で配分するかを決める「資産配分戦略」のことです。
株式、債券、不動産、金(ゴールド)、現金、暗号資産(仮想通貨)など、性質の異なる資産を組み合わせることで、値動きの偏りを抑え、安定した長期運用を実現しやすくなります。
資産クラスごとにリスクとリターンの特性が異なるため、1つに集中させるよりも、複数に分散したほうが市場変動への耐性が高まります。
長期的な投資成果の約8割はアセットアロケーションで決まると言われるほど、投資における基盤となる考え方です。
アセットアロケーションとポートフォリオの違いとは?
「アセットアロケーション」と「ポートフォリオ」はよく混同されますが、役割が異なります。
アセットアロケーションは、「どの資産クラスに、どれくらいの割合で投資するか」を決める“上位の設計図”です。
一方、ポートフォリオは、アセットアロケーションで決めた比率に基づいて、「具体的にどの銘柄に投資するか」を構築するものです。
たとえば、資産分配比率「株式70%、金10%、現金20%」がアセットアロケーションとなります。
この中の「株式70%」の中身として、「米国株投信60% 米国株個別株20% 日本株個別株20%」といった保有割合が、ポートフォリオとなります。
| 項目 | アセットアロケーション | ポートフォリオ |
|---|---|---|
| 役割 | 資産クラスの配分を決める戦略 | 具体的な銘柄を選ぶ実行プラン |
| 具体例 | 株式70%、金10%、現金20% | 米国株投信60% 米国株個別株20% 日本株個別株20% |
| 決める内容 | 株式、債券、不動産、現金などの比率 | どのETFや投資信託、個別株を買うか |
より具体的なケースで解説します。
資産1,000万円について、「株式70%、金10%、現金20%」のアセットアロケーションにすると決めた場合には、金額は次のようになります。
● 株式70%:700万円
● 金10%:100万円
● 現金20%:200万円
上記のアセットアロケーションに基づき、株式は「米国株投信60% 米国株個別株20% 日本株個別株20%」のポートフォリオに投資し、金は「ゴールドETF」に投資するとした場合には、次のようになります。
● 株式70%:米国株投信420万円 米国株個別株140万円 日本株個別株140万円
● 金10%:ゴールドETF100万円
● 現金20%:現金200万円
代表的な資産クラスとその特徴

各資産のリスクとリターンにはどんな違いがあるか?
資産クラスごとに、値動きの大きさ(リスク)と期待できる収益(リターン)は大きく異なります。
株式のように高いリターンが期待できる資産は、同時に価格変動リスクも大きい傾向があります。
一方、債券や現金のように値動きが安定している資産は、リターンも控えめです。
また、不動産やコモディティ、暗号資産などは、株式や債券とは異なる値動きをすることがあり、ポートフォリオ全体の分散効果を高める役割もあります。
資産クラスごとの特徴を理解すると、よりバランスの取れたアセットアロケーションを組みやすくなります。
| 資産クラス | リターン | リスク | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 株式 | 高い | 大きい | 成長企業への投資でリターンを狙えるが、価格変動が大きい |
| 債券 | 低〜中 | 小さい | 安定性が高く、景気悪化時に防御力を発揮しやすい |
| 不動産 | 中 | 中 | 家賃収入+値上がり益を狙えるが、流動性は低め |
| コモディティ(金や・原油など) | 低〜中 | 中〜大 | インフレ対策に強いが、価格変動は資源需給に左右されがち |
| 代替資産(暗号資産など) | 資産による | 資産による | 価格変動が極端で投機的だが、リターンも大きくなる可能性 |
| 現金 | 低い | ほぼゼロ | 安全性が高いが、インフレ時は実質価値が目減りする |
アセットアロケーションの組み方と考え方

どうやって資産配分比率を決めるのか?
アセットアロケーションを決めるうえで最も重要なのは、自分自身の「リスク許容度」を正しく把握することです。
リスク許容度は、年齢や収入、家族構成、将来必要となる資金額などによって大きく変わります。
若いほど収入が伸びやすく運用期間も長いため、価格変動を受けても取り戻せる可能性が高く、株式比率を高めても問題ないケースが多くなります。
逆に、退職が近い年代や大きな支出を控えている家庭では、債券や現金を多めにして安定性を重視する判断が一般的です。
参考として、「100−年齢=株式比率」というシンプルな目安もよく使われます。
これは、若いほど株式比率を多くし、年齢を重ねるほど守りを厚くする考え方です。
年代ごとのアセットアロケーション
年代ごとのアセットアロケーションの一例としては、次の表のようになります。
「100−年齢=株式比率」に従った上で安全資産は現金のみとし、その他資産は金(ゴールド)や不動産REIT、暗号資産などが該当します。
| 年代 | 特徴 | 株式 | その他資産 | 現金 | ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 20代 | 長期運用できリスク許容度が高い | 80% | 0% | 20% | 成長重視。積立投資と相性が良い |
| 30代 | 収入安定、まだ長期運用が可能 | 70% | 10% | 20% | 子育てや住宅など支出増を考慮 |
| 40代 | リスクと安全性のバランスが重要 | 60% | 20% | 20% | 教育費と老後資金の両立を想定 |
| 50代 | 資産保全を意識し始める時期 | 50% | 30% | 20% | 大きな値下がりに備えて安全資産比率を増やす |
| 60代 | 取り崩し期。安全性重視 | 40% | 30% | 30% | 価格変動リスクを抑え安定運用 |
なお、この考えはあくまで一例です。
アセットアロケーションというと複雑に考えてしまいがちです。
非常にシンプルに、リスク資産=株式、安全資産=現金と割り切って考えて、株式80%、現金20%など大雑把な考えで問題ありません。
債券やREITを入れてしまうと複雑になるため、特に考える必要はないかと思います。
また、株式の内訳は、S&P500指数の米国株投信、オルカン(全世界株式投信)などを100%のポートフォリオにしても問題ありません。
リバランスの重要性とタイミング

リバランスはなぜ必要なのか?
リバランスとは、変動した資産配分を元の比率に戻す作業のことです。
市場は常に上下しており、株式が大きく値上がりすれば、当初の計画よりも株式比率が高くなり、結果としてリスクが過度に偏ることがあります。
逆に、株式が大きく下がった局面では、安全資産の比率が高まり、リターンを得る機会を逃す可能性も生まれます。
こうした「意図しないポートフォリオの歪み」を修正するのがリバランスの目的です。
定期的なリバランスによって、運用者は当初立てた戦略の通りに資産を管理でき、長期的なリスクコントロールにつながります。
また、一定のルール(半年や1年ごと、ズレが◯%以上など)を決めておけば、感情に左右されずに落ち着いた投資判断ができる点もメリットです。
アセットアロケーションに役立つツールとは?

どんなツールを使えばいい?
アセットアロケーションを考える際には、証券会社が提供している無料の診断ツールやロボアドバイザーの資産配分診断が役立ちます。
これらのツールでは、年齢や収入、性格診断などの入力結果から、あなたのリスク許容度に合った“最適な資産配分”を自動で提案してくれます。
加えて、投資信託のポートフォリオ分析機能を使えば、自分の保有資産が、どの地域や資産クラスにどれだけ偏っているかを視覚的に確認でき、リバランスや構成見直しの判断がしやすくなります。
投資初心者でも簡単に使えるため、まずは気軽に試してみましょう。
分からなかったらバランス型投信を選択するのもアリ
アセットアロケーションを自分で考えるのが難しい場合は、最初から複数の資産に分散された「バランス型投信」を選ぶのもおすすめです。
たとえば、新NISAでも人気のバランス型投信「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内REIT、先進国REITの8つの資産に均等投資する設計となっています。
これ1本で幅広い分散が実現でき、リバランスについても自動で行ってくれるため、アセットアロケーションに自信がない人や、手軽に資産運用を始めたい人にとって有力な選択肢となります。
まとめ
アセットアロケーションとは、「株式70% 金10% 現金20%」のように、資産をどのように保有しているかを示すものです。
ポートフォリオは、上記の株式70%について「米国株投信60% 米国株個別株20% 日本株個別株20%」で保有するといった、実際の投資銘柄を決めるものです。
アセットアロケーションというと複雑に考えてしまいがちですが、「株式80%、現金20%」など大雑把な考えで問題ありません。
Q&A
Q1 アセットアロケーションとは?
A1 「株式70% 金10% 現金20%」のように、資産をどのように保有するかを示すものです。
Q2 アセットアロケーションとポートフォリオの違いとは?
A2 ポートフォリオは、アセットアロケーションの資産比率に基づいて、具体的にどの銘柄に投資するかを決めるものです。資産比率「株式70% 金10% 現金20%」はアセットアロケーションとなり、上記の株式70%について「米国株投信60% 米国株個別株20% 日本株個別株20%」はポートフォリオとなります。
Q3 アセットアロケーションの考え方とは?
A3 「100−年齢=株式比率」というシンプルな式があります。アセットアロケーションは複雑に考えず、シンプルに考えるようにしましょう。









