更新日:2026.2.9
年金受給額の平均はいくら?年金だけで暮らせる?
年金について気になっていて、「年金受給額の平均はいくら?」「老後は年金だけで暮らせる?」など、不安に思っていませんか。
令和6年度の実績では、国民年金の平均受給額は59,431円、厚生年金の平均受給額は151,142円となっています。
年金額は徐々に増加しているものの、近年はそれ以上のペースでインフレが進んでいる厳しい状況です。
本記事では、年金の平均受給額、年金世代の受給状況と老後の必要額の試算、年金以外で老後資産をまかなう方法などについて解説しています。
Contents
年金の平均受給額はどのくらいなのか

公的年金の平均受給額とは?
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金(老齢基礎年金)の平均受給額は59,431円、厚生年金(老齢厚生年金を含む)の平均受給額は151,142円となっています。
| 平均受給額 | 国民年金 | 厚生年金 |
|---|---|---|
| 令和4年度 | 56,428円 | 144,982円 |
| 令和5年度 | 57,700円 | 147,360円 |
| 令和6年度 | 59,431円 | 151,142円 |
※国民年金:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」21ページより
※厚生年金:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」8ページより
このデータから分かるように、公的年金の受給額には制度ごとに大きな差があります。
国民年金は主に自営業者や専業主婦(主夫)などが加入する基礎的な年金であり、満額を40年間納めた場合でも、月額は69,308円(年額831,700円)(2025年度実績)に留まります。
一方、厚生年金は会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入する仕組みのため、平均受給額は国民年金の約2.5倍の数値です。
また、いずれの年金も年々わずかながら増加傾向にありますが、これは賃金や物価の動向を反映した改定によるものです。
ただし、平均額である点には注意が必要で、実際の受給額は加入期間や現役時代の収入によって大きく異なります。
特に厚生年金は、長く正社員として働いた人ほど受給額が高く、非正規雇用期間が長い場合は平均を下回るケースも少なくありません。
このように、年金は人によって大きく異なるため、公的年金の平均受給額を見ただけでは、年金だけで生活費をまかなえるかどうかは一概には言えません。
年金だけで暮らせるのか?

年金額は物価上昇に追いついていないのか?
公的年金の支給額は、賃金や物価の動向を踏まえて調整される仕組みとなっており、その中心にあるのが「マクロ経済スライド方式」です。
これは、現役世代の人口減少や平均寿命の伸びといった社会構造の変化を反映し、年金財政の安定を目的として給付水準を自動的に調整する制度です。
しかし実際には、物価が上昇している局面でも調整幅が抑えられるため、生活者の実感としては「年金が物価高に追いついていない」と感じるケースが少なくありません。
特に食料品や光熱費など、日常生活に直結する支出が上昇すると、実質的な購買力は低下しやすくなります。
日本でも、2022年以降はインフレとなっているため、年金額そのものが増えていても、生活が苦しいと感じる高齢者が増える要因となっています。
老後資金の必要額はどのくらいになるのか?
年金世代の生活状況について見ていくことで、実際に、老後資金の必要額はどのくらいになるのかを考えてみましょう。
金融庁は2019年に「老後2,000万円問題」を発表して大きな話題となりました。
ただ、この試算は、夫婦で年金以外に月5.5万円不足して、30年生きると約2,000万円が不足するという単純な計算に基づくものであり、やや誇張されている面が否めません。
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の世帯の消費支出は265,898円となっています。
二人以上の世帯のうち65歳以上の無職世帯の消費支出について、世帯主の年齢別、年金収入も合わせて見ると、次の通りです。
| 65歳以上全体 | 65~69歳 | 70~74歳 | 75歳以上 | |
|---|---|---|---|---|
| 実収入 | 266,329円 | 307,741円 | 275,420円 | 252,506円 |
| 可処分所得 | 233,097円 | 266,336円 | 240,596円 | 221,948円 |
| 消費支出 | 259,295円 | 311,281円 | 269,015円 | 242,840円 |
| 収支 | -26,198円 | -44,945円 | -28,419円 | -20,892円 |
※出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
なお同資料では、65歳以上の単身無職世帯は、実収入134,116円、可処分所得121,469円、消費支出149,286円、収支-27,817円となっています。
仮に65歳から月3万円の赤字が30年間続いた場合には、3万円×30年間×12ヶ月=1,080万円となる計算です。
金融庁の「老後2,000万円問題」はやや誇張であるものの、老後に月30万円以上のゆとりある生活をするには、2,000万円以上あるに越した方がよいことは間違いないと言えます。
平均受給額に届かない人の特徴

なぜ受給額が少ない人が多いのか?
公的年金の受給額が平均に届かない人が多い背景には、働き方や加入制度の違いが大きく影響しています。
非正規雇用で働く期間が長かった人や、自営業として国民年金のみに加入していた人は、厚生年金の上乗せ部分がないため受給額が低くなりがちです。
また、転職や離職、育児や介護などで保険料の未納期間や免除期間がある場合、加入年数が短くなり、満額支給に届かないケースもあります。
特に、国民年金は40年間の納付が満額の条件となるため、数年の未納でも受給額に差が生じます。
年金以外で老後資金をどう補うか

不足分はどう準備すればいいのか?
年金だけで老後の生活費をまかなうことが難しい場合、不足分を補うための自助努力が欠かせません。
代表的な手段としては、新NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用した長期的な資産形成が挙げられます。
これらは運用益が非課税または控除対象となるため、効率的に老後資金を準備できます。
また、現預金による貯蓄だけでなく、退職金の使い方を計画的に考えることや、不動産収入などのインカム収入を組み合わせることも有効です。
重要なのは、単一の手段に依存せず、年金·資産運用·貯蓄をバランスよく組み合わせた戦略を早い段階から検討することです。
生涯現役で働くことが最強の老後資金対策となる
老後資金対策として、実は最も実効性が高いのが「できる限り長く働き続けること」です。
新NISAやiDeCoといった制度も有効ですが、継続的な労働収入がもたらすインパクトはそれらを上回るケースも少なくありません。
たとえば、65歳以降も年収200万円で10年間就労できれば、単純計算でも総収入は2,000万円に達します。
これは多くの人にとって、運用だけで同額を生み出すより現実的な選択肢といえるでしょう。
こうした流れを後押しするように、国も高齢者の就労促進を進めています。
年金と給与の併給を制限していた在職老齢年金制度についても見直しが行われ、2025年からは支給停止の基準額が62万円へ引き上げられました。
これにより、働きながら年金を受け取りやすい環境が整いつつあります。
さらに、仕事を続けるメリットは収入面だけではありません。
社会との関わりを保つことで生活リズムが安定し、精神的な充実感や生活の質(QOL)の向上にもつながります。
近年は、体力面に配慮したシニア向けの仕事や、在宅ワーク、副業など柔軟な働き方も増えています。
老後を単なる「引退期間」と捉えるのではなく、新たなキャリアの延長線と考えることが重要です。
無理のない働き方を選びつつ、資産形成や支出管理と組み合わせて準備することで、生涯現役という考え方は老後の安心を支える大きな柱となります。
自分の年金見込み額を知って対策を立てるには

将来の受給額はどうやって確認する?
老後資金対策を考えるうえで、まず把握しておきたいのが「自分はいくら年金を受け取れるのか」という点です。
その確認に役立つのが、日本年金機構が発行する「ねんきん定期便」と、オンラインサービスの「ねんきんネット」です。
ねんきん定期便は毎年誕生月に届き、これまでの加入期間や保険料納付状況、年齢に応じた将来の年金見込み額が記載されています。
一方、ねんきんネットを利用すれば、24時間いつでも最新の記録を確認でき、働き方や受給開始年齢を変えた場合のシミュレーションも可能です。
これらを定期的にチェックすることで、未納や記録漏れに早期に気づけるだけでなく、将来不足しそうな金額を把握し、新NISAや貯蓄など具体的な対策を立てやすくなります。
まとめ
令和6年度の実績では、国民年金の平均受給額は59,431円、厚生年金の平均受給額は151,142円となっています。
年金世代の消費支出を見ると、老後2,000万円はやや誇張と言えるものの、昨今はインフレの影響もあるため、資産額を多く見積もっておいた方がよいに越したことはありません。
Q&A
Q1 年金受給額の平均はいくら?
A1 令和6年度の実績では、国民年金の平均受給額は59,431円、厚生年金の平均受給額は151,142円となっています。年金受給額は年々増加しているものの、昨今のインフレの影響で生活は厳しくなっていると言えます。
Q2 老後は年金だけで暮らせる?
A2 厚生年金受給者であっても、老後を年金だけで暮らすのは非常に厳しいと言わざるを得ません。ただ、金融庁の老後2,000万円必要というのも、やや誇張した表現です。
Q3 年金以外の老後資金はどう補うべき?
A3 新NISAやiDeCoを使って老後資金を形成するのが王道の方法です。それよりも効果が高い方法が、生涯現役でなるべく長く働くことです。






