更新日:2025.6.6
がん保険は本当にいらないのか?どんなとき後悔する?
がん保険が気になっているものの、「がん保険って本当にいらないの?」「がん保険がないと後悔しない?」など、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
がん保険は、がんと診断されたときや、がん手術やがん治療、がん入院に給付金が支払われる、がんに特化した保険です。
ただ、日本では、国民皆保険で自己負担は原則3割となり、医療費が高額になったとしても高額療養費を受けられるため、がん保険への加入は絶対に必要とは言えません。
本記事では、がん保険の特徴や実態、がん保険未加入で後悔するケース、がん保険の選び方や代替手段について解説しています。
Contents
がん保険の実態

がん保険とは?医療保険との違いを解説
がん保険は、がん(悪性新生物・上皮内新生物)と診断された場合や、がん手術やがん治療、がん入院に給付金が支払われる保険です。
がん保険は、医療保険と似ていますが、医療保険はがん以外の病気やけがも対象となる一方、がん保険はがんに特化しています。
| 保険種類 | 対象疾患 | 主な給付金 | 免責期間 | 支払限度日数 |
|---|---|---|---|---|
| 医療保険 | 病気・ケガ | 通院給付金、先進医療給付金など | なし | 制限なし |
| がん保険 | がん | 診断一時金、治療給付金、がん先進医療給付金など | 90日間 | 制限あり |
がん保険には、90日間の免責期間があります。免責期間中に、がんと診断されても保障を受けられません。
がんを対象とした保険としては、がん保険の他にも、がん特約が付いている医療保険や、がん・脳卒中・心筋梗塞の三大疾病を対象とした「特定疾病保険」もあります。
がん保険は本当に必要なのか?統計データから見る実態
がん保険が本当に必要なのかを、国が発表している統計データや日本の医療制度から考えてみましょう。
「国立研究開発法人国立がん研究センター」の2020年度の統計によると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性62.1%、女性48.9%となっています。
「厚生労働省「医療給付実態調査(令和3年度)」によると、がんによる入院費用は約60万円から約170万円、外来費用は約3万円から約11万円と、がんの種類により異なります。
ただ、この金額は公的医療保険適用前の額であり、自己負担となる医療費は1割〜3割です。
また、日本の医療制度では、同一月内の自己負担額が限度額を超えた場合には、高額療養費制度を活用できます。
高額療養費制度では、70歳未満の方は、所得区分により、月額24,600円〜140,100円となります。
国民皆保険の日本の医療制度では、がん治療をすることになったとしても、支払い限度額が設定されているため、経済的に破綻するケースは限られているのが実態です。
そもそも、日本のがん保険は、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)が、1974年11月に発売したのが初めてとされています。
日本ではアメリカのように、「民間医療に未加入のため標準的な癌治療が受けられない」「がん治療のために破産する」といったことは起こりづらいため、がん保険は必ずしも必要とは言えません。
がん保険に入っていなかったことを後悔した人の共通点は?
日本では、がん保険であっても自己負担が1〜3割となり、高額療養費もありますが、それでもがん治療においては、月10万円前後の費用が発生することは確かです。
また、通院や交通費、ウィッグや乳房再建、休職による収入減など、制度でカバーされない出費も多く、平均で100〜200万円ほどの持ち出しが発生するケースも考えられます。
がん保険に加入していなかったことを後悔した人の共通点としては、「がん治療による収入減」や「家族への想定外の金銭的・精神的負担」などが挙げられます。
治療のために長期の休職を余儀なくされ、特に自営業やフリーランスの場合は収入が途絶えてしまい、生活費そのものに困るケースなどです。
また、家族が仕事を減らして付き添いや介護に回ったり、精神的なサポートを行うことで、家計全体の収入減に繋がることもあります。
がん保険は、このような事態を防ぐ備えとして価値がある保険と認識しておくようにしましょう。
癌になったとき、保険に入っていないとどのような影響があるのか?
がんと診断されたとき保険に加入しておらず、100〜200万円程度の一定額の貯金がないと、経済的に困窮してしまう可能性があります。
場合によっては、「治療選択の自由度が狭まる」「治療を継続できない」「生活水準を維持できない」といった影響が出る場合も考えられます。
とはいえ、前述の統計で見てきたように、日本では、がんによる治療費は100〜200万円程度あれば十分に賄えるということも事実です。
また、「国立がん研究センターがん情報サービス「累積罹患リスク(グラフデータベース)」」による、性別・年齢別のがん罹患確率は次のようになっています。
・男性の年齢別がん罹患確率
| 現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0歳 | 0.2% | 0.3% | 0.6% | 1.2% | 2.7% | 7.2% | 19.8% | 40.5% | 62.1% |
| 10歳 | 0.1% | 0.4% | 1.0% | 2.5% | 7.0% | 19.7% | 40.5% | 62.2% | |
| 20歳 | 0.3% | 0.9% | 2.4% | 6.9% | 19.6% | 40.5% | 62.2% | ||
| 30歳 | 0.6% | 2.1% | 6.7% | 19.5% | 40.5% | 62.4% | |||
| 40歳 | 1.5% | 6.2% | 19.1% | 40.4% | 62.5% | ||||
| 50歳 | 4.8% | 18.1% | 40.0% | 62.7% | |||||
| 60歳 | 14.4% | 38.0% | 62.5% | ||||||
| 70歳 | 29.4% | 59.9% | |||||||
| 80歳 | 52.1% |
・女性の年齢別がん罹患確率
| 現在の年齢 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 40年後 | 50年後 | 60年後 | 70年後 | 80年後 | 生涯 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0歳 | 0.1% | 0.3% | 0.7% | 2.2% | 6.0% | 11.8% | 20.1% | 31.5% | 48.9% |
| 10歳 | 0.1% | 0.6% | 2.1% | 5.9% | 11.7% | 20.1% | 31.4% | 48.9% | |
| 20歳 | 0.4% | 1.9% | 5.8% | 11.6% | 20.0% | 31.4% | 48.9% | ||
| 30歳 | 1.5% | 5.4% | 11.3% | 19.7% | 31.1% | 48.8% | |||
| 40歳 | 3.9% | 9.9% | 18.5% | 30.1% | 48.1% | ||||
| 50歳 | 6.3% | 15.2% | 27.4% | 46.2% | |||||
| 60歳 | 9.6% | 22.8% | 43.0% | ||||||
| 70歳 | 14.8% | 37.7% | |||||||
| 80歳 | 28.8% |
男女ともに、40歳までにがんになる確率は約1〜2%程度となっています。
このリスク・確率とがん保険の費用を天秤に掛けて、がん保険に入るべきかどうかを考えてみてください。
また、万一にも、がんになった場合でも、治療費として100〜200万円程度あれば、がん保険に加入する合理性は低いと言えます。
がん保険の代替手段

がん保険に入っていない場合の対策
がん保険に加入しなくても、他の手段で、がんリスクに備えることもできます。
代表的な代替策としては、医療保険や、がん特約が付いた生命保険や共済などです。
医療保険であれば、がんに限らず入院・手術・通院などの保障があり、がん特約が付いているものもあります。
生命保険や共済に、医療特約や三大疾病特約を付ければ、がんに対応した一時金を受け取れる設計にできます。
また、敢えて保険は最低程度の保障にして保険料を抑えておき、NISAやiDeCoに回して資産を増やすという考えも合理的です。
例えば、代表的ながん保険であるライフネット生命「がん保険 ダブルエール<ベーシックタイプ>」の月額保険料は、次の保障で30歳男性は2,341円、30歳女性は2,793円となっています。
・がん診断一時金:100万円
・保険期間・保険料払込期間:終身
・治療サポート給付金:月に1回10万円
・がん先進医療給付金:付加する
仮に、20年間月額2,500円を新NISAで積み立てた場合には60万円となり、年率5〜10%以上も期待できるS&P500指数やオルカン(全世界株式投信)で運用すれば、100万円程度に増やすことも可能です。
がん保険の選び方

がん保険の選び方とは?
がん保険を選ぶ際には、すでに加入している医療保険との保障の重複を避けるように注意しておきましょう。
たとえば、両方で通院給付金が出る場合などでは、保険料だけが割高になる場合があります。
がん保険では「診断一時金」や「先進医療給付」「通院特化型」など、補完的な特約を選ぶようにしましょう。
また、保険料と保障内容のバランスもチェックしておくことが重要です。
終身型のがん保険なら、一定の保険料で一生涯の保障を得られるため、計画が立てやすいメリットがあります。
とはいえ、医療保険・がん保険ともに、リスク発生時に貯金がない場合への備えであり、すでに100万円〜200万円程度の余裕資金があるなら、わざわざ加入する合理性はありません。
がんになったとしても対応できる余裕資金があり、その上で保険に入れる余裕があるなら、保険ではなく、新NISAやiDeCoに回して資産運用する方が合理的です。
まとめ
日本の医療制度では、がん保険に入る合理性は低く、万一がんになった場合であっても、100〜200万円程度の貯金があれば対応できます。
がん保険に入るべき人としては、万一がんになった際への備えがなく、経済的に困窮する家族が出る恐れがあるような場合です。
すでに備えが十分にある場合には、がん保険に入るより、NISAやiDeCoに回して資産形成する方が合理的と言えます。
Q&A
Q1 がん保険がいらないと言われる理由は?
A1 日本では国民皆保険で医療費負担を1〜3割に抑えられ、高額療養費制度で医療費限度額が抑えられる。また、そもそも40代以下は、がん罹患率が極めて低い(1〜2%程度)。
Q2 がん保険未加入で後悔するケースとは?
A2 がん治療の治療費に加えて、がん治療による収入減のダブルパンチとなるケース。万一がんになった場合への備えがないなら、がん保険への加入を検討してみよう。
Q3 がん保険の代替手段とは?
A3 医療保険や生命保険への特約で代替できる。がんになった場合への備えが十分あるなら、保険ではなく、新NISAやiDeCoによる資産形成が合理的。









