更新日:2026.3.11

高額療養費制度とは?申請方法や使いこなすポイント

高額療養費制度とは?申請方法や使いこなすポイント

今月の医療費が高騰しそうで、「高額療養費制度とは?」「高額療養費制度の申請方法とは?」など、お困りではありませんか。

高額療養費制度は、月の医療費が高額になった場合に申請すると、払い戻しを受けられる制度です。

介護も受けている高齢者の方は、高額療養費制度に加えて、「高額介護サービス費」や「高額医療合算介護サービス費」についても理解しておくことが重要です。

本記事では、高額療養費制度の自己負担額、高額療養費の申請方法、「高額介護サービス費」と「高額医療合算介護サービス費」について解説しています。

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高額療養費制度はどんな制度なのか

制度の目的や仕組みは?

高額療養費制度は、医療費が家計を圧迫しないように設けられた公的医療保険の給付制度です。

病気やケガで高額な治療を受けた場合でも、1か月(同一月)あたりの自己負担額が一定の上限を超えた分について、後から払い戻しが受けられます。

対象となるのは保険診療分の自己負担額で、入院や手術、抗がん剤治療などが該当します。

事前に、保険証とあわせて「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口での支払いを最初から上限額までに抑えることも可能です。

なお、これから見ていくように、高額療養費制度は、70歳未満の世帯と70歳以上の世帯では内容がやや異なります。

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自己負担限度額の計算方法とは

年齢や所得によって負担額は変わるのか?

高額療養費制度の自己負担限度額は一律ではなく、年齢と所得によって細かく区分されています。

70歳未満の場合は主に5段階、70歳以上では外来と入院ごとの区分も設けられ、より手厚い上限が設定されるケースが多くなっています。

現役世代では標準報酬月額や年収に応じて上限額が決まり、収入が高いほど限度額も高くなるため、負担能力に応じた仕組みになっているのが特徴です。

70歳未満の自己負担限度額

70歳未満の自己負担限度額は、所得に応じて5段階に分かれています。

計算式は「定額+(医療費-一定額)×1%」が基本となり、収入水準によって下表のように定額部分が異なります。

また、同一世帯で同じ月に支払った自己負担額のうち、1件あたり21,000円以上のものについては「世帯合算」が可能です。

これにより、家族で複数の医療費が発生した場合でも上限額を超えた分が払い戻されやすくなります。

さらに、過去12か月以内に3回以上該当した場合は、4回目から上限額が引き下げられる「多数該当」という仕組みもあります。

70歳未満の自己負担限度額について、詳しくは次の通りです。

所得区分 標準報酬月額 自己負担限度額(月額) 多数該当※2
区分ア 83万円以上 252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1% 140,100円
区分イ 53万円〜79万円 167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1% 93,000円
区分ウ 28万円〜50万円 80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1% 44,400円
区分エ 26万円以下 57,600円 44,400円
区分オ(低所得者) 市区町村民税非課税世帯など) 35,400円 24,600円

※出典:協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき」
※1:総医療費とは、自己負担額を含めた医療費全体の額。
※2:直近1年間に3回以上、高額療養費の支給対象となった場合、4回目から「多数該当」となり、自己負担限度額が軽減となります。
※「区分ア」または「区分イ」に該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、標準報酬月額に基づく区分が優先されます。

70歳以上の自己負担限度額

70歳以上の高額療養費については、次のように自己負担限度額が設けられています。

所得区分 外来(個人ごと) 外来・入院(世帯)
現役並みⅢ(標準報酬月額83万円以上・3割負担) 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
[多数該当:140,100円]
同左
現役並みⅡ(標準報酬月額53万円〜79万円・3割負担) 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
[多数該当:93,000円]
同左
現役並みⅠ(標準報酬月額28万円〜50万円・3割負担) 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
[多数該当:44,400円]
同左
一般所得者 18,000円
[年間上限14.4万円]
57,600円
[多数該当:44,400円]
低所得者Ⅱ(※3) 8,000円 24,600円
低所得者Ⅰ(※4) 8,000円 15,000円

※出典:協会けんぽ「高額な医療費を支払ったとき」
※3:市区町村民税非課税世帯等の場合。
※4:世帯全員の所得が一定基準以下である場合。
※現役並み所得者に該当する場合、市区町村民税が非課税でも「現役並み所得者」区分が優先されます。

70歳以上75歳未満では、外来と入院(世帯合算)で上限額が分かれているのが大きな特徴です。

特に、年金世帯に多い一般所得者は、外来のみであれば月18,000円(年間上限14万4,000円)に抑えられ、通院中心の治療では家計負担が軽減されやすくなっています。

一方、現役並み所得者(3割負担)は、70歳未満とほぼ同様の計算式が適用されます。

高齢者であっても、高所得層には一定の自己負担を求めつつ、低所得者には大幅な軽減措置を設けるなど、負担能力に応じた設計です。

また、現役世代と同様に「多数該当」の仕組みもあり、長期治療が続く場合は4回目以降の負担がさらに軽減されます。

自分の区分を正確に把握し、外来中心か入院を伴うかによって家計への影響を試算しておくことが重要です。

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申請方法と払い戻しの流れ

申請に必要な手続きとは?

高額療養費制度は、原則としていったん医療機関の窓口で自己負担分を支払った後、加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合、市区町村の国民健康保険など)に申請することで払い戻しを受ける仕組みです。

申請書に、領収書や振込先口座情報などを添えて提出すると、通常は診療月から2〜3か月後を目安に、自己負担限度額を超えた分が指定口座へ振り込まれます。

なお、事前に「限度額適用認定証」を取得しておけば、窓口での支払い自体を上限額までに抑えることも可能です。

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適用対象外となる医療費

対象外となる費用には何があるのか?

高額療養費制度の対象となるのは、あくまで公的医療保険が適用される診療費のみです。

差額ベッド代や入院時の食事代、先進医療の技術料、美容目的の治療などは原則として対象外となります。

また、自費診療や健康診断、人間ドック、予防接種なども適用外です。

入院費が高額でも、保険適用部分と自己負担の自由診療部分は分けて考える必要があります。

事前に医療機関へ「保険適用かどうか」を確認することが、想定外の出費を防ぐポイントです。

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高額療養費制度を使いこなすためのポイント

世帯合算や多数該当の制度とは?

高額療養費制度には、家計負担をさらに軽減する仕組みとして「世帯合算」と「多数該当」があります。

世帯合算は、同一世帯で複数人が同じ月に高額な医療費を支払った場合、それぞれの自己負担額を合算して限度額を判定できる制度です。

70歳未満の世帯合算については自己負担額が21,000円以上の医療費のみが対象となりますが、70歳以上は21,000円未満の医療費も対象となります。

また、多数該当は、同じ人が直近1年間に3回以上高額療養費の支給対象となった場合、4回目から自己負担限度額が引き下げられる仕組みです。

高額医療合算介護サービス費とは?

医療費と介護サービス費が高額になった場合に、家計負担を軽減する仕組みが「高額医療合算介護サービス費」制度です。

高額医療合算介護サービス費は、1年間(毎年8月〜翌年7月)に支払った医療保険と介護保険の自己負担額を合算し、定められた上限額を超えた分が払い戻される仕組みです。

介護の場合には高額療養費制度に相当する「高額介護サービス費」および「高額介護予防サービス費」があります。

ただ、医療費と介護費がいずれも発生したにも関わらず、「高額療養費」も「高額介護サービス費」も受けられるまでにはならないケースがあります。

たとえば、いずれも上限額は44,400円にも関わらず、医療費は4万円、介護費は4万円の場合には、「高額療養費」も「高額介護サービス費」も受けられません。

このように、医療費+介護費の合計額が高額になった場合に、トータルの自己負担を抑えるために活用できるのが、「高額医療合算介護サービス費」です。

高齢者世帯では、入院や慢性疾患の治療と同時に介護サービスを利用するケースも多く、負担が重なりやすくなります。

高額医療合算介護サービス費の申請は、加入している医療保険者を通じて行い、支給までに数か月かかるのが一般的です。

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まとめ

高額療養費制度は、名前はよく知られていますが、実際に活用する場合には申請が必要になる点に注意が必要です。

また、介護も同時に受けている家族がいる場合には、「高額介護サービス費」と「高額医療合算介護サービス費」についても理解しておくようにしましょう。

Q&A

Q1 高額療養費制度とは?
A1 1か月(同一月)あたりの医療費の自己負担額が一定の上限を超えた分について、後から払い戻しが受けられる制度です。

Q2 高額療養費制度の申請方法とは?
A2 いったん医療機関の窓口で自己負担分を支払った後に、加入している保険者(協会けんぽや健康保険組合、市区町村の国民健康保険など)に申請して払い戻しを受ける仕組みです。申請書に領収書や振込先口座情報などを添えて提出すると、診断月から2〜3ヶ月後に振り込まれます。

Q3 高額療養費制度を使いこなすためのポイントとは?
A3 自身の限度額について把握しておくとともに、「世帯合算」と「多数該当」の仕組みも理解しておくと安心です。また、介護も同時に受けている家族がいる場合には、「高額介護サービス費」と「高額医療合算介護サービス費」についても理解しておくことを推奨します。

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