更新日:2026.4.24

親の借金は相続される?発覚したら何をすればいい?

親の借金は相続される?発覚したら何をすればいい?

親の借金の相続について、「親の借金は相続される?」「親に借金がある場合には何をすればいい?」など、不安に思っていませんか。

相続では、何もしないでいると、親のプラス財産に加えて、借金や負債といったマイナス財産も引き継ぐことになってしまいます。

借金を相続しないためには、「限定承認」もしくは「相続放棄」という手段がありますが、相続を知った時から3ヶ月以内に行う必要がある点に注意が必要です。

本記事では、親の借金が発覚した場合にすること、「限定承認」と「相続放棄」のどちらを選ぶべきかなどについて解説しています。

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マイナス財産の基本ルール

原則として借金(マイナス財産)もすべて引き継ぐ

相続では、預貯金や不動産といった「プラスの財産」(積極財産)だけでなく、借金や未払金などの「マイナスの財産」(消極財産)も含めて引き継ぐのが原則です。

たとえば、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング残高、住宅ローンの残債、保証人として負っていた債務なども相続の対象となります。

相続人が特別な手続きをしないまま放置すると、法律上は「単純承認」をしたものとみなされ、これらの負債も含めてすべて引き継ぐことになってしまいます。

その結果、相続人は亡くなった親の借金を自分自身の財産から返済する義務を負ってしまいかねません。

また、遺産の内容がはっきりしない段階で安易に遺産を使ったり処分したりすると、単純承認が成立するケースもあるため注意が必要です。

まずは相続財産の全体像を把握し、借金がどの程度あるのかを冷静に確認することが重要です。

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親の借金が発覚したらまずすることは?

信用情報機関(CIC・JICC・KSC)への開示請求

親に借金がある可能性がある場合、まず行うべきなのは借入状況の正確な把握です。

本人が生前に詳しい説明をしていなかった場合でも、信用情報機関へ開示請求を行うことで、多くの借入情報を確認できます。

日本には主に「CIC」「JICC(日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」という3つの信用情報機関があり、それぞれクレジットカード会社、消費者金融、銀行などの借入情報を管理しています。

信用情報機関 主な情報内容
CIC ・クレジットカード契約
・割賦販売
・携帯端末の分割払い
・支払状況 など
JICC(日本信用情報機構) ・消費者ローン
・カードローン
・保証契約
・延滞情報 など
KSC(全国銀行個人信用情報センター) ・銀行ローン
・住宅ローン
・カードローン
・代位弁済
・官報情報 など

相続人は、死亡の事実を証明する戸籍などを添付して開示請求を行うことで、亡くなった親のローンやキャッシングの利用状況を確認可能です。

これにより、銀行ローン、カードローン、クレジットカードのキャッシング枠などの債務を網羅的に把握でき、見落としによる相続トラブルを未然に防ぐことができます。

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借金を背負わないための2つの選択肢

一切の財産を引き継がない「相続放棄」

相続放棄とは、家庭裁判所で正式な手続きを行うことで「最初から相続人ではなかった」とみなされる制度です。

亡くなった親に多額の借金があり、プラスの財産を明らかに上回る場合には、この方法を選ぶことで借金の返済義務から完全に解放されます。

相続放棄が認められると、カードローンや住宅ローンの残債、保証債務なども含めて一切の負債を引き継ぐ必要がなくなります。

ただし、その代わり、預貯金や不動産、自動車、株式といったプラスの財産もすべて放棄することになる点に注意が必要です。

たとえば「実家だけは残したい」と思っても、特定の財産だけを選んで相続することはできません。

そのため、相続放棄を選択する場合は、財産と借金の全体像を確認したうえで慎重に判断する必要があります。

プラス財産の範囲で借金を返す「限定承認」

限定承認とは、亡くなった人の財産の範囲内で借金を返済する相続方法です。

たとえば、預貯金や不動産などのプラス財産が500万円、借金が800万円あった場合でも、相続人が返済するのは500万円までに限定され、それを超える債務を自分の財産から返済する必要はありません。

借金とプラス財産のどちらが多いか分からない場合や、思わぬ保証債務が後から発覚する可能性がある場合に有効な方法とされています。

また、自宅など「どうしても残したい財産」がある場合に検討されることもあります。

ただし、限定承認は相続人全員で共同して家庭裁判所へ申し立てる必要があり、財産目録の作成や官報公告などの複雑な手続きが必要です。

時間や費用もかかるため、実務上はあまり利用件数が多くない制度となっています。

「限定承認」と「相続放棄」のメリット・デメリット

「限定承認」と「相続放棄」の比較表は次の通りです。

項目 限定承認 相続放棄
借金の扱い プラス財産の範囲内でのみ返済 一切引き継がない
手続き 家庭裁判所への申立てが必要 家庭裁判所への申立てが必要
相続人の同意 相続人全員(相続放棄者は除く)の同意が必要 各相続人が個別に放棄可能
意思表示後の撤回 原則として撤回できない 原則として撤回できない
期限 原則3ヶ月以内に申述 原則3ヶ月以内に申述
手続きの難易度 複雑で時間がかかる 限定承認に比べると簡単
選択されるケース 財産状況が不明な場合 借金が明らかに多い場合

限定承認は、プラス財産の方が多かった場合には、差し引きでプラスの相続が可能となります。

一方、限定承認は、「相続人全員で手続きする必要がある」「手続きが非常に複雑で時間と費用がかかる」「相続財産に不動産等がある場合には準確定申告が必要」といったデメリットに注意が必要です。

相続放棄は、借金などの負債を全て放棄するため、借金が多い場合にはこちらの方が有効となります。

ただ、プラス財産も相続放棄してしまう点に注意が必要です。

相続放棄をすると、その人は最初から相続人ではなかったものとして扱われますが、思わぬ親族トラブルが発生するケースにも気を付ける必要があります。

法律における相続順位は次の通りです。

1. 配偶者と子
2. 配偶者と直系尊属(父母など)
3. 配偶者と兄弟姉妹

たとえば、子ども(第1順位)の全員が相続放棄をした場合、相続権は被相続人の親(第2順位)へ移り、親もいない場合には兄弟姉妹(第3順位)へと移行します。

その結果、借金などのマイナス財産も次順位の相続人に引き継がれる可能性があり、この仕組みを知らずに相続放棄を行うと、後になって親族が突然債権者から請求を受け、親族間トラブルに発展するケースも少なくありません。

相続放棄を検討する際には、次順位の相続人となる親族へ事前に事情を説明し、必要に応じて連続して相続放棄の手続きを行うことについて話し合っておくことが重要です。

「限定承認」と「相続放棄」のどちらを選ぶべきか?

亡くなった親に借金がある場合、「限定承認」と「相続放棄」のどちらを選ぶべきかを考えてみましょう。

実務からすると、もっとも多く選ばれる方法は「相続放棄」です。

相続放棄を行えば、預貯金や不動産などの資産だけでなく、借入金や未払い金といった負債も含めて一切の相続をしない扱いとなります。

そのため、将来にわたって借金の返済義務を負うリスクを確実に避けられます。

一方で、負債の総額が不明確で、調査の結果によっては資産が残る可能性がある場合には「限定承認」も有効な選択肢です。

限定承認では、相続によって得た財産の範囲内でのみ債務を清算する仕組みとなっており、仮に負債が資産を上回っても、相続人が自分の財産から不足分を支払う必要はありません。

ただし、限定承認は、相続人全員で手続きを行う必要があり、家庭裁判所への申立てや財産整理などの手続きが複雑で、時間や費用もかかる傾向があります。

そのため、負債が明らかに多いケースでは「相続放棄」、資産と負債のバランスが不明な場合には「限定承認」を検討するという考え方が一般的です。

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相続発生から「3ヶ月」以内のルール

原則として「相続を知った日から3ヶ月以内」が期限

相続放棄や限定承認を選択する場合、法律上の期限が定められています。

それが「熟慮期間」と呼ばれる3ヶ月のルールです。

これは、自分が相続人になったことを知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きを行わなければならないというものです。

この期間内に、亡くなった親の預貯金や不動産、株式などのプラス財産と、借金や未払金といったマイナス財産を調査し、どの相続方法を選ぶべきか判断する必要があります。

もし期限内に何も手続きをしなかった場合、法律上は自動的に「単純承認」をしたものとみなされ、借金を含めたすべての財産を引き継ぐことになります。

期限を1日でも過ぎると原則として取り消しはできないため、借金の可能性がある場合は早めに財産調査を行い、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。

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まとめ

亡くなった親に借金があることが発覚した場合には、まずは信用情報機関(CIC、JICC、KSC)へ開示請求を行って、債務を網羅的に把握することが重要です。

借金が多い場合には、相続を知った時から3ヶ月以内に、「限定承認」もしくは「相続放棄」を行う必要があります。

借金が明らかに多い場合は「相続放棄」、財産状況が不明な場合は「限定承認」を選ぶのが一般的です。

Q&A

Q1 親の借金が発覚したら何をすればいい?
A1 まずは、信用情報機関(CIC、JICC、KSC)へ開示請求を行って、債務を網羅的に把握するようにしましょう。

Q2 親に借金がある場合の相続はどうすればいい?
A2 「限定承認」もしくは「相続放棄」を行うことによって、借金を相続せずに済みます。ただし、いずれも相続を知った時から3ヶ月以内に行う必要がある点に注意が必要です。

Q3 「限定承認」と「相続放棄」のどちらを選ぶべき?
A3 借金が明らかに多い場合は「相続放棄」、財産状況が不明な場合は「限定承認」を選ぶのが一般的です。

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