更新日:2026.5.29
ペアローンとは?やめておいたほうがいい夫婦の特徴は?
ペアローンについて気になっていて、「ペアローンとは?」「ペアローンをやめておいた方がいいケースって?」など、疑問に思っていませんか。
ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを組むもので、単独ローンに比べて借入可能額が大きくなり、税制面でも夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる点がメリットです。
一方、借入額が大きくなることによるリスクや、夫婦のどちらかの収入が減少した場合には注意が必要です。また、離婚時にはトラブルの種になりやすくなります。
本記事では、ペアローンの仕組みや利用状況、ペアローンの注意点やデメリットについて解説しています。
Contents
ペアローンとは?

夫婦それぞれが「主債務者」として住宅ローンを組む制度
ペアローンとは、1つの住宅に対して夫婦それぞれが別々に住宅ローン契約を結び、双方が「主債務者」となる制度です。
一般的には、お互いが相手のローンの連帯保証人となり、実質的に2本のローンを同時に組む形になります。
世帯年収を合算した形で審査されるため、単独ローンに比べて借入可能額が大きくなり、希望する物件の選択肢が広がる点がメリットです。
また、夫婦それぞれが「住宅ローン控除」を受けられる可能性があるため、税制面での恩恵も期待できます。
一方、契約が複雑になることや将来のライフプランへの影響も大きいため、メリットだけでなくリスクも十分に理解した上で判断することが重要です。
単独ローン・ペアローン・収入合算・連帯債務の違い
住宅ローンには大きく分けて「単独ローン」「ペアローン」「収入合算(連帯保証)」「連帯債務」の4つの方法があり、それぞれ仕組みやリスク、税制面の扱いが異なります。
単独ローンは、1人が契約して返済するシンプルな形で管理しやすい反面、借入可能額は個人の年収に依存します。
ペアローンは、夫婦それぞれが別々に契約するため借入額や控除面で有利ですが、費用やリスクも大きくなる点に注意が必要です。
収入合算は、主債務者1人に対して配偶者の収入を合算する方法で手続きが比較的簡単ですが、控除は原則1人分です。
連帯債務は、1つのローンを夫婦で共同して返済する形で、双方に返済義務が発生します。
| 項目 | 単独ローン | ペアローン | 収入合算(連帯保証) | 連帯債務 |
|---|---|---|---|---|
| 契約数 | 1本 | 2本 | 1本 | 1本 |
| 債務者 | 1人のみ | 夫婦それぞれが主債務者 | 主債務者+連帯保証人 | 夫婦で共同債務 |
| 借入可能額 | 個人年収ベース | 世帯年収で大きく増加 | 増やせるがやや制限あり | 増やしやすい |
| 団信 | 契約者のみ | それぞれ加入 | 主債務者のみが基本 | 金融機関により異なる |
| 住宅ローン控除 | 原則1人分 | 夫婦それぞれ適用可 | 主債務者のみ | 条件次第で双方可 |
| 初期費用 | 1契約分 | 2契約分で割高 | 比較的シンプル | 中程度 |
| リスク | シンプルで低い | 離婚や収入減に弱い | 保証人に負担リスク | 共同責任で調整が必要 |
借入額の大きさや住宅ローン控除の適用だけでなく、将来の収入変動や離婚リスクも踏まえて選択することが重要です。
ペアローンの利用状況

若い世代ほどペアローン利用率が高くなっている
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」によると、年代別にペアローンの利用状況は次のようになっています。
| 年代 | ペアローン利用 | 収入合算を利用 | いずれも利用していない |
|---|---|---|---|
| 全体 | 24.1% | 14.6% | 61.3% |
| 20代 | 35.3% | 21.3% | 43.3% |
| 30代 | 30.9% | 14.4% | 54.7% |
| 40代 | 16.5% | 13.6% | 69.8% |
| 50〜69歳 | 12.6% | 12.1% | 75.3% |
※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)】」
ペアローンの利用は若年層ほど高い傾向にあり、特に20代では3割以上が利用している状況です。
これは共働き世帯の増加や、住宅価格の上昇により単独収入では希望物件を購入しにくくなっていることなどが背景にあると考えられます。
一方で、年齢が上がるにつれて利用割合は低下しており、50代以降では1割程度にとどまっています。
全体の6割以上はペアローンや収入合算を利用しておらず、依然として単独ローンが主流です。
ペアローンの注意点とデメリット

どちらかが死亡・就業不能になっても「相手のローン」は残る
ペアローンの注意点は、夫婦それぞれが独立したローン契約を持つため、片方に万が一のことがあっても、もう一方のローンはそのまま残る点です。
例えば、夫が死亡した場合、夫のローンは「団体信用生命保険(団信)」によって完済されますが、妻名義のローンは引き続き返済義務が残ります。
そのため、残された側は収入が減少した状態でも返済を続けなければならず、家計への負担が一気に重くなるリスクがあります。
さらに、産休·育休や病気による収入減少といったライフイベントにも弱く、想定外の事態に対応しにくい点もデメリットです。
契約が2本になるため「初期費用(諸費用)」が割高になる
ペアローンは2つのローン契約を同時に結ぶ仕組みのため、諸費用もそれぞれに発生し、結果として初期費用が高額になりやすい点にも注意が必要です。
具体的には、金融機関へ支払う融資手数料や保証料、契約書に貼付する印紙代、さらには不動産登記にかかる抵当権設定費用などが、すべて2件分必要になります。
そのため、単独ローンと比較して数十万円単位でコストが増加するケースも珍しくありません。
また、借入額自体が増えやすい構造であるため、総返済額や利息負担も大きくなりがちです。
変動金利で借りる場合には、日銀利上げなどの金利上昇による負担増も大きくなります。
ペアローンは、目先の借入可能額だけで判断するのではなく、トータルコストでの比較検討が欠かせません。
贈与税が発生する場合がある
ペアローンでは、住宅購入時の「資金負担割合」と「登記上の持分割合」を一致させないと、思わぬ贈与税が発生するリスクがあります。
例えば、夫2,500万円、妻1,500万円の合計4,000万円を借りているにもかかわらず、持分を1:1に設定すると、本来の負担割合との差額である500万円が「夫から妻への贈与」とみなされ、課税対象となる可能性があります。
夫婦の負担額に応じて「夫6:妻4」のように設定する必要がある点に注意しておきましょう。
また、将来的にどちらか一方のローンへ借り換えたり、一方が返済を肩代わりした場合も、その分が贈与と判断されるケースがあります。
なお、贈与税には年間110万円の基礎控除や、一定条件下で最大2,000万円まで控除できる配偶者特例もあるため、事前に制度を理解したうえで慎重に設計することが重要です。
離婚した時のペアローンの末路

簡単に家を売却できず、名義変更も困難になる
ペアローンで購入した住宅は、夫婦の共有名義となるため、離婚時の処理が非常に複雑になります。
売却する場合には、必ず双方の同意·署名·実印が必要となり、どちらか一方が反対すると手続きが進められません。
さらに問題となるのが、売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」のケースです。
この場合、不足分を現金で一括返済しなければ抵当権を外せず、売却自体ができない可能性があります。
また、どちらか一方が住み続ける場合でも、もう一方の持分やローンの整理(借り換えや名義変更)が必要となりますが、金融機関の審査ハードルは高く、簡単には認められません。
結果として「住めない家のローンだけが残る」といった深刻なトラブルに発展することもあります。
ペアローンはやめておくべき夫婦の特徴

「将来の働き方が不透明」な世帯
ペアローンは夫婦それぞれの収入を前提に返済計画が組まれるため、将来の働き方が不透明な世帯には向いていません。
例えば、出産や育児を機に一方が専業主婦(主夫)になる可能性がある場合や、時短勤務やパートへの切り替えで収入が大きく減少する見込みがある場合には、当初の返済計画が成り立たなくなるリスクがあります。
また、転職や独立などで収入が不安定になるケースも同様です。
ペアローンは借入可能額が増える分、身の丈以上の物件を購入しやすい点が逆に落とし穴となりかねません。
まとめ
ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを組めるため、単独ローンに比べて借入可能額が大きくなり、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる点などがメリットです。
その反面、借入額が大きくなることによるリスクや、夫婦のどちらかの収入が減少した場合や離婚時にはトラブルになりやすい点がデメリットです。
若い世帯ほどペアローンの利用率が増えていますが、将来の収入変動や離婚リスクも踏まえて選択するようにしましょう。
Q&A
Q1 ペアローンとは?
A1 1つの住宅に対して夫婦それぞれが別々に住宅ローン契約を結ぶものです。世帯年収を合算した形で審査されるため借入可能額が大きくなり、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられる点などがメリットです。近年、若い世代ではペアローン利用率は増加傾向にあります。
Q2 ペアローンの注意点とは?
A2 夫婦どちらかに万一のことがあっても、もう一方のローンはそのまま残る点に注意が必要です。例えば夫が死亡した場合には、夫のローンは団体信用生命保険(団信)によって完済されますが、妻名義のローンは引き続き返済義務が残ります。さらに、産休や育休、病気による収入減少に弱い点にも注意が必要です。ペアローンは借入可能額が増えやすいため、変動金利の場合には金利上昇で総返済額が増加しやすくもなります。
Q3 ペアローンをやめておいたほうがいい夫婦の特徴は?
A3 ペアローンは夫婦それぞれの収入を前提に返済計画が組まれるため、将来の働き方や収入状況が不透明な世帯には向いていません。将来的に、夫婦どちらかが専業主婦(主夫)になる可能性がある場合、時短勤務やパートへの切り替えを予定している場合、転職や独立をする計画がある場合などには、おすすめできません。






