更新日:2026.4.16

住宅ローンは相続される?返済できない場合は?

住宅ローンは相続される?返済できない場合は?

住宅ローンの相続について気になっていて、「住宅ローンは相続される?」「住宅ローンを返済できない場合はどうすべき?」など、不安に思っていませんか。

団体信用生命保険(団信)に加入していれば、ローン契約者が亡くなると、住宅ローンは免除されます(ペアローンの場合は、亡くなった人が契約していたローン部分のみ免除)。

一方、団信に加入していない場合には、住宅と一緒に住宅ローンの債務も相続される点に注意が必要です。

本記事では、団体信用生命保険(団信)の仕組み、ペアローンのケース、住宅ローンを相続して返済できない場合の「相続放棄」などについて解説しています。

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住宅ローンは相続される?

団信に加入していれば住宅ローンは「免除(完済)」される

住宅ローンを組む際、多くの場合は「団体信用生命保険(団信)」に加入します。

団信とは、ローン契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金によって住宅ローンの残高が返済される仕組みの保険です。

そのため、住宅ローン契約者が死亡した場合でも、団信に加入していれば保険金によって残っているローンが完済され、遺族に返済義務が残ることはありません。

団信では、金融機関が保険会社から直接保険金を受け取り、その資金でローンを完済する手続きが行われます。

この場合に遺族へ現金が支払われるわけではありませんが、住宅ローンはなくなるため、家やマンションなどの不動産はそのまま家族の財産として残ります。

なお、団信の契約形態は、次のようになっています。

契約者 被保険者 保険金受取人
金融機関 住宅ローン利用者 金融機関

団信の特徴は、保険金受取人が「金融機関」となっている点にあります。

保険金は金融機関に支払われるため、団信それ自体については、相続税を含めて個人に課税されることはありません。

住宅ローンは債務控除されないため注意

相続税においては、団信の保険金は相続税の課税価格に算入されず、債務残高も債務控除の対象にはなりません。

相続税の計算では、亡くなった人が残していた借入金などの債務を相続財産から差し引くことができ、これを「債務控除」といいます。

たとえば、被相続人に借入金や未払いの医療費などがある場合、その金額を財産総額から控除したうえで相続税を計算する仕組みです。

しかし、住宅ローンについては注意が必要です。

住宅ローンに団体信用生命保険(団信)が付いている場合、契約者が死亡すると保険金によってローン残高が返済されます。

つまり、相続人が実際にその借金を負担することはありません。

このように、団信によって実質的に返済義務がなくなる住宅ローンは、相続税の計算における債務控除の対象にはならないとされています。

そのため、不動産は相続財産として評価される一方で、住宅ローン残高を差し引くことはできない点に注意が必要です。

債務控除できるもの 債務控除できないもの
・借入金
・未払い金

・未払い医療費

・未払い税金(所得税、住民税、固定資産税など)

・預かり敷金

・墓地などの非課税財産の未払い金

・保証債務(※部分的に控除できる場合もある)

・遺言執行費用、税理士費用、登記費用

・団信により返済が免除される住宅ローン

・延滞税、加算税
・預かり保証金

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住宅ローンは相続される?

ペアローンの場合は「亡くなった人の分」だけが免除

夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを契約する「ペアローン」の場合、団信が適用されるのは、原則として亡くなった人が契約していたローン部分のみです。

たとえば、夫婦で住宅ローンを組み、夫と妻がそれぞれ自分名義のローンを契約していた場合、夫が死亡すると夫のローン残高は団信によって完済されます。

しかし、妻自身が契約している住宅ローンは団信の対象ではないため、その残高はそのまま残り、妻は自分のローンについては引き続き返済を続ける必要がある点に注意が必要です。

ペアローンは住宅購入時の借入額を増やせるメリットがありますが、団信の保証も半々になるため、万一の際には片方の返済負担が残る可能性がある点については考慮するようにしておきましょう。

連帯債務や連帯保証人になっている配偶者の返済義務

住宅ローンでは、夫婦の収入を合算して借入額を増やす「収入合算」を利用するケースも多くあります。

この場合、配偶者が連帯債務者や連帯保証人になっていることがあります。

たとえば、夫が主債務者として住宅ローンを組み、妻が連帯債務者として契約している場合、団信に加入しているのが夫だけであれば、夫が死亡した際にローンが完済されるかどうかは契約内容次第です。

団信の対象が主債務者のみの場合には、妻が残ったローンの返済義務を負う可能性があります。

また、妻が夫の連帯保証人になっており、夫が団信未加入のまま死亡した場合には、金融機関は保証人である妻に対して返済を求めることができます。

そのため、住宅ローン契約では誰が団信に加入しているのか、誰が連帯債務者や保証人になっているのかを事前に確認しておくことが大切です。

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住宅ローンが残っていて返済できない場合は?

返済が困難なら「相続放棄」で家を手放す

住宅ローンが残っている状態で名義人が亡くなり、団信が適用されない場合には、そのローンは原則として相続人が引き継ぐことになります。

しかし、ローン残高が住宅の価値を大きく上回っている場合や、遺族の収入では今後の返済が難しい場合には「相続放棄」という選択肢があります。

相続放棄をすると、住宅ローンを含めたすべての債務を引き継がずに済むため、遺族が自分の財産からローンを返済する必要はなくなります。

ただし、その代わりに亡くなった人の財産を一切相続できなくなる点には注意が必要です。

つまり、被相続人が保有していた家だけでなく、預貯金や有価証券などのプラスの財産も含めてすべて相続できなくなります。

そのため、住宅ローンの残高と不動産の価値、他の相続財産の有無などを総合的に確認したうえで、本当に相続放棄が適切かどうかを慎重に判断するようにしましょう。

また、相続放棄には期限があり、原則として「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。

この期限を過ぎてしまうと、自動的に「単純承認」をしたものとみなされ、住宅ローンの負債もすべて引き継ぐことになるため注意が必要です。

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死亡発覚後に遺族が行うべき手続き

まずは金融機関へ「死亡の連絡」と団信の申請

住宅ローンの名義人が亡くなった場合、まず行うべきなのは借入先の金融機関への連絡です。

死亡の事実を伝えることで、団体信用生命保険(団信)の保険金請求手続きや、今後のローン対応について案内を受けることができます。

金融機関へ連絡すると、団信の保険金請求に必要な書類一式が案内されます。

この際、保険金請求書、死亡診断書(または死亡検案書)、戸籍謄本などの提出が求められることが一般的です。

これらの書類を保険会社へ提出し、審査が行われたうえで保険金の支払いが決定します。

団信の手続きはすぐに完了するわけではなく、書類提出から保険会社の審査が終わるまで、通常は1〜2ヶ月程度かかることは留意しておきましょう。

住宅ローンの名義人が亡くなった場合には、できるだけ早く金融機関へ連絡し、手続きを進めることが大切です。

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住宅ローンと合わせて覚えておきたい「配偶者居住権」とは?

配偶者居住権とは?自宅に住み続ける権利を守る制度

配偶者居住権とは、配偶者が亡くなった後も、残された配偶者が自宅に住み続けられるようにするための制度で、2020年の民法改正により新しく設けられました。

通常、住宅は相続財産として相続人の間で分割されますが、遺産分割の結果によっては、配偶者が自宅を相続できず住み続けられなくなる可能性もあります。

こうした問題を防ぐために設けられたのが「配偶者居住権」です。

この制度では、自宅の「所有権」と「居住する権利」を分けて相続することができます。

たとえば、自宅の所有権は子どもが相続し、配偶者は配偶者居住権を取得することで、その家に無償で住み続けることが可能です。

これにより、配偶者は住まいを確保しながら、預貯金など他の財産を多く相続できる場合もあります。

住宅ローンが完済されているケースだけでなく、相続後の住まいをどう確保するかを考えるうえでも重要な制度のため、住宅を含む相続では配偶者居住権の仕組みを理解しておくことが大切です。

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まとめ

ローン契約者が亡くなった場合、団体信用生命保険(団信)に加入していれば住宅ローンは免除されますが、団信に加入していない場合には住宅と一緒に住宅ローンの債務も相続されます。

ペアローンの場合には、団信が適用されるのは、亡くなった人が契約していたローン部分のみである点は留意しておくようにしましょう。

団信に加入しておらず、住宅ローンを相続しても返済が困難な場合には、相続を知った時から3ヶ月以内に「相続放棄」という手段があります。

Q&A

Q1 住宅ローンは相続される?
A1 ローン契約者が亡くなった場合、団体信用生命保険(団信)に加入していれば住宅ローンは免除されますが、団信に加入していない場合には住宅と一緒に住宅ローンの債務も相続されます。

Q2 ペアローンの場合には団信はどうなる?
A2 ペアローンで団信が適用されるのは、亡くなった人が契約していたローン部分のみです。夫が亡くなったとしても、妻は自分のローンについては引き続き返済を続ける必要があります。

Q3 住宅ローンを相続して返済できない場合には?
A3 団信に加入しておらず、住宅ローンを相続しても返済が困難な場合には、相続を知った時から3ヶ月以内に「相続放棄」することができます。ただ、相続放棄すると、家だけでなく預貯金や有価証券などのプラスの財産も含めて相続できなくなる点に注意が必要です。

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