更新日:2026.4.21
住宅ローン控除とは?確定申告は必要?
住宅ローン控除について、「住宅ローン控除とは?」「住宅ローン控除を受けたら確定申告は必要?」など、疑問に思っていませんか。
住宅ローン控除は、住宅ローン残高をもとに、所得税などから直接税額を差し引ける「税額控除」の制度です。
住宅ローン控除を利用するには、会社員は初年度には確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末控除で完結します。
本記事では、住宅ローン控除の仕組み、住宅ローン控除を受けるための条件、住宅ローン控除と確定申告について解説しています。
住宅ローン控除の仕組みとの還付額の目安

最大13年間、年末ローン残高の「0.7%」が還付される
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用してマイホームの購入や新築、増改築などを行った場合に、年末時点のローン残高の一定割合を所得税から差し引ける「税額控除」の制度です。
現在の制度では、原則として年末の住宅ローン残高の0.7%が控除額の目安となり、その分だけ税負担が軽減されます。
● 住宅ローン控除の控除額=住宅ローンの年末残高×控除率(0.7%)
たとえば、年末のローン残高が3,000万円の場合、単純計算で年間21万円程度の控除を受けられることになります。
控除期間は住宅の種類によって異なり、省エネなど一定の条件を満たす新築住宅では最長13年間、一般的な中古住宅の場合は最長10年間となっています。
また、住宅ローン控除可能額のうち、所得税において税額控除しきれなかった額は、「所得税の課税総所得金額等の5%(最大97,500円)」を上限に、翌年度分の個人住民税から控除可能です。
対象となる住宅の要件と借入限度額
【新築】省エネ基準への適合が必須条件
新築住宅の住宅ローン控除は、次の通りです。
| 区分 | 借入限度額 | 控除期間 | 床面積 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅、 認定低炭素住宅 |
・5,000万円(子育て世帯・若者夫婦世帯) ・4,500万円(その他の世帯) |
13年間 | 50㎡ ※新築住宅の場合、令和7年末までに建築確認:40㎡ (所得要件:1,000万円) |
| ZEH水準省エネ住宅 | ・4,500万円(子育て世帯・若者夫婦世帯) ・3,500万円(その他の世帯) |
||
| 省エネ基準適合住宅 | ・4,000万円(子育て世帯・若者夫婦世帯) ・3,000万円(その他の世帯) |
||
| その他の住宅 | 0円 | ー | ー |
※出典:国土交通省「住宅ローン減税」
新築住宅で住宅ローン控除を受けるためには、一定の省エネ性能を満たしていることが大前提となっています。
現在の制度では、省エネ基準に適合していない住宅は控除の対象外となり、住宅ローン控除を一切受けることができません。
表のとおり、住宅の性能が高いほど借入限度額が優遇される仕組みとなっており、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は最大5,000万円(子育て世帯·若者夫婦世帯)のローン残高まで控除対象となります。
ZEH水準省エネ住宅や省エネ基準適合住宅でも、それぞれ段階的に限度額が設定されています。
控除期間はいずれも最長13年間で、長期間にわたって税負担の軽減を受けられるのが特徴です。
また、住宅の床面積は原則50㎡以上が条件ですが、令和7年末までに建築確認を受けた新築住宅については40㎡以上でも対象となる特例があります(所得1,000万円以下)。
【中古】築年数要件の廃止と新耐震基準の適用要件
中古住宅の住宅ローン控除は、次の通りです。
| 区分 | 借入限度額 | 控除期間 | 床面積 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅、 認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、 省エネ基準適合住宅 |
3,000万円 | 10年間 | 50㎡ ※新築住宅の場合、令和7年末までに建築確認:40㎡ (所得要件:1,000万円) |
| その他の住宅 | 2,000万円 |
※出典:国土交通省「住宅ローン減税」
中古住宅(既存住宅)の場合でも、一定の条件を満たせば住宅ローン控除を利用可能です。
以前は「木造20年以内、マンション25年以内」といった築年数制限がありましたが、現在はこの条件が見直され、新耐震基準に適合している住宅であることが重要なポイントとなっています。
具体的には、原則として、1982年(昭和57年)以降に建築された住宅であれば対象になるケースが一般的です。
表のとおり、省エネ基準に適合する住宅や認定長期優良住宅など一定の性能を満たす中古住宅の場合、借入限度額は3,000万円、控除期間は最長10年間となっています。
一方、性能要件を満たさない一般的な中古住宅では、借入限度額が2,000万円に引き下げられます。
中古住宅は新築より控除条件がやや厳しいため、購入前に対象要件を確認しておくことが重要です。
控除を受けるための適用条件

合計所得金額が「2,000万円以下」であること
住宅ローン控除を利用するためには、いくつかの基本的な条件を満たす必要があります。
まず重要なのが、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であることです。
給与所得だけでなく、事業所得や不動産所得を含めた合計所得で判断されるため、その年に不動産売却などで大きな利益が出た場合は対象外になる可能性があります。
住宅に自ら居住すること
住宅ローン控除は、自分が住むための住宅が対象であり、「床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること」が条件となっています。
住宅の引き渡し日または工事完了日から6ヶ月以内に入居し、その年の12月31日まで引き続き住んでいることが居住条件です。
そのため、別荘やセカンドハウス、投資用マンションなどの賃貸目的の物件は対象になりません。
なお、勤務先からの転勤命令等、やむを得ない事由によって住まなくなった場合には、住宅ローン控除の適用を受けられなくなります。
ただ、転勤が終わるなどして再び対象住宅に入居した場合には、再入居年以後、残存控除期間について控除の適用を再度受けられるようになります。
10年以上に分割して返済する借入金があること
住宅ローン控除を受けるためには、返済期間が10年以上の住宅ローンを利用していることも条件となります。
つまり、短期間で返済するローンや一括返済を前提とした借入れは対象になりません。
一部繰上返済によって、当初の借入日からの償還期間が10年未満となった場合には、その年以後、控除は受けられなくなるため注意しておきましょう。
また、借入先は、銀行などの金融機関だけでなく、勤務先からの住宅資金の借入れでも一定の条件を満たせば対象になる場合があります(無利子もしくは0.2%未満の利率の借入金は対象外)。
ただし、親族や知人からの個人的な借入れは原則として対象外となります。
直近3年間に居住用財産の特例を受けていないこと
次の3つの居住用財産に関する特例を、居住年、その前年、その前々年の3年間に受けていないことも、住宅ローン控除を受けるための条件となっています。
● マイホームを売ったときの特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)
● マイホームを売ったときの軽減税率の特例(居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例)
● マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例)
つまり、直近3年間に上記特例のいずれかを受けていた場合には、住宅ローン控除を受けることができません。
確定申告のやり方

入居した翌年の「2月16日〜3月15日」に税務署へ申告する
住宅ローン控除を受けるためには、入居した翌年に確定申告を行う必要があります。
会社員であっても自営業者であっても、最初の年だけは必ず税務署に申告しなければ、控除を受けることができません。
確定申告の申告期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までで、この期間中に必要書類を提出します。
具体的には、住宅ローンの年末残高証明書や売買契約書、登記事項証明書などを基に控除額を計算して申告します。
近年は、マイナンバーカードとスマートフォン、またはパソコンがあれば、国税庁の電子申告システム「e-Tax」を利用して自宅から手続きすることも可能です。
「e-Tax」を使えば、税務署へ直接行く必要がなく、24時間いつでも申告できるため、忙しい会社員でも比較的簡単に申告を完了できます。
2年目以降の手続きは?

会社員は2年目から勤務先の「年末調整」で完結する
住宅ローン控除の手続きは、最初の年だけは確定申告が必要ですが、会社員の場合は2年目以降の手続きが大幅に簡単になります。
税務署から送付される「住宅借入金等特別控除申告書」と、金融機関から発行される「住宅ローン残高証明書」を勤務先に提出すれば、年末調整の中で控除額が計算される仕組みです。
一方、自営業者やフリーランスの場合は年末調整がないため、2年目以降も毎年の確定申告で控除を申請する必要があります。
住宅ローン残高証明書などの必要書類は確実に保管しておき、確定申告の際に忘れずに提出するようにしましょう。
まとめ
住宅ローン控除は、代表的な税額控除の制度として、多くの人に活用されています。
住宅ローン控除を利用するには、会社員は初年度に確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末控除で完結します。
Q&A
Q1 住宅ローン控除とは?
A1 住宅ローンを利用してマイホームの購入や新築、増改築などを行った場合に、年末時点のローン残高の一定割合(原則として0.7%)を所得税から差し引ける「税額控除」の制度です。
Q2 住宅ローン控除を受けるための条件とは?
A2 新築の場合には省エネ基準への適合が条件となっています。この他にも「合計所得金額が2,000万円以下であること」「住宅に自ら居住すること」「10年以上に分割して返済する借入金があること」「直近3年間に居住用財産の特例を受けていないこと」などがあります。
Q3 住宅ローン控除を受ける際に確定申告は必要?
A3 会社員の場合、初年度には確定申告が必要となりますが、2年目以降は年末調整だけで完結できます。





