更新日:2025.5.27
ワンルームマンション投資はどう?なぜやめとけと言われるのか
ワンルームマンション投資に興味はあるものの、「ワンルームマンション投資の目安利回りは?」「ワンルームマンション投資のリスクとは?」など、疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
ワンルームマンション投資は、少額から始められる手軽さがある一方で、空室リスクや管理費による収益低下リスクに注意が必要です。
ワンルームマンション投資の利回りは、宣伝では「5%以上」などと宣伝される場合もありますが、表面利回りではなく、実質利回りに注目するようにしましょう。
本記事では、ワンルームマンション投資の仕組みやメリット・デメリット、ワンルームマンション投資の成功ポイントについて解説しています。
Contents
ワンルームマンション投資の基本と実態

ワンルームマンション投資とは何か?その仕組みと基本的な収益構造
ワンルームマンション投資とは、都市部の区分所有型の単身者向け物件を購入し、賃貸に出して家賃収入を得る不動産投資です。
他の不動産投資に比べると、ワンルームマンション投資は、少額から始められる手軽さが魅力な一方、空室リスクや管理費による収益低下リスクに注意が必要です。
| 投資種類 | 初期費用 | 管理の手間 | 空室リスク | 流動性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ワンルームマンション | 500万円〜 | 少ない | 高い | 中 | 都市部に多く、手軽に始めやすい |
| アパート一棟投資 | 数千万円~ | 多い | 分散可能 | 低 | 賃貸経営として収益性が高い |
| 戸建て投資 | 1,000万円~ | 普通 | 高め | 中〜高 | 資産価値は安定、ファミリー需要向け |
| REIT(不動産投資信託) | 数万円〜 | なし | 分散済み | 非常に高い | 株式感覚で売買可能、分配金あり |
ワンルームマンション投資では、マンションの一室(区分所有物件)を所有する形になるため、マンション全体の管理や修繕は管理組合が担います。
不動産投資家は、マンションの管理費や修繕積立金を毎月負担する必要があります。
ワンルームマンション投資の収益構造は、「家賃収入によるインカムゲイン」と「将来的な売却益(キャピタルゲイン)」の2つです。
不動産投資において重要となるのが、「表面利回り」と「実質利回り(NOI利回り)」の違いです。
● 表面利回り = 年間の家賃収入 ÷ 物件の購入価格 × 100
● 実質利回り = (年間の家賃収入 - 年間コスト)÷(物件の購入価格 + 購入時のコスト)× 100
「表面利回り」は10%だったとしても、年間コストを加味した「実質利回り」では大きく減るケースも少なくありません。
例えば、年間家賃収入が200万円、物件の購入価格が2,000万円、年間コストが100万円、購入時のコストが120万円の場合には、次のようになります。
● 表面利回り= 200万円 ÷ 2,000万円 × 100 = 10.00%
● 実質利回り=(200万円 - 100万円)÷(2,000万円 + 120万円)× 100 = 4.71%
このように、実質利回りが、表面利回りの半分以下になるケースも珍しくないため、注意が必要です。
ワンルームマンション投資の「からくり」と広告表現の落とし穴
ワンルームマンション投資の広告では、「年利5%以上」「家賃保証付き」「年金代わりの副収入に」といった魅力的なフレーズが多用されます。
こうしたセールストークの多くは、ワンルームマンション投資の収支の一部しか説明しておらず、コストやリスクが隠されているケースが多々あるため注意が必要です。
例えば、広告に記載されている利回りは、空室率ゼロ(入居率100%)や経費ゼロで計算された「表面利回り」で、実質利回りは大きく異なる場合などがあります。
家賃保証も、家賃の減額条項や短期間での見直し規定がついている場合が多く、保証が長続きしないこともあります。
セミナーや訪問勧誘では、「節税になる」「老後の安心資産」といった文句が強調されますが、購入後にも赤字が続き、節税以上の損失を被るケースも少なくありません。
ワンルームマンション投資で失敗しないためには、実質利回りや管理コスト、現実的な入居率、将来の資産価値を精査した上で、有効な投資かどうかを合理的に判断するようにしましょう。
ワンルームマンション投資のリスクと注意点

なぜ「ワンルームマンション投資はやめとけ」という意見があるのか?
「ワンルームマンション投資はやめとけ」という意見も少なくありません。
その理由としては、次のような要因が挙げられます。
● コストが想像以上にかかる
● 空室リスクがある
● 物件価値が下落するリスクがある
思ったよりも入居せず、コストが想像以上に掛かることで、想定していた家賃収入を得られず、実質利回りが低くなってしまうケースがあります。
また、将来的な物件価値の下落リスクについても留意しておくようにしましょう。
東京一極集中により東京首都圏のマンション価格は高騰を続けているものの、大量に供給されている単身者向けのワンルーム物件は、築年数が進むと価値が急落しやすく、買い手がつきにくくなる問題を抱えています。
中古マンション市場では、築20年を超えると、売却価格が購入時の半額以下になるケースも珍しくなく、出口戦略が描きにくくなります。
また見落とされがちなのが、将来的な管理費や修繕積立金の増額リスクです。
築年数が進むと建物の修繕コストが増大し、それに応じて管理組合から毎月の負担金が引き上げられるケースがあります。
家賃が上がらない中でコストが増えると、実質利回りはさらに低下することになります。
「ワンルームマンション投資で安定収入が得られる」という広告文句とは裏腹に、長期的には収支が赤字になる「負動産」になるケースも少なくありません。
ワンルームマンション投資のメリットと活用法

ワンルームマンション投資による節税効果はどの程度か?
ワンルームマンション投資の魅力の一つに、減価償却による「節税効果」があります。
減価償却とは、長期間使用できる資産に対して、購入年に一括して経費に計上するのではなく、使用可能期間となる法定耐用年数に応じて、分割して経費に計上することです。
マンションの購入費を経費に計上できれば、収入から差し引けるため、所得を小さくでき、課税所得を小さくする節税効果が得られます。
投資用マンションの構造ごとの法定耐用年数は、国税庁「主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)」により次の通りです。
| マンションの構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 鉄筋コンクリート造(RC) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC) |
47年 |
| 鉄骨造(厚さ4mm超) | 38年 |
| 鉄骨造(厚さ3mm超4mm以下) | 30年 |
| 鉄骨造(厚さ3mm以下) 木造 |
22年 |
仮に、鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)のマンションを、3,000万円で購入した場合には、法定耐用年数は47年のため、経費に算入できる金額は次の通りです。
● 経費=3,000万円 ÷ 47年 = 約63.8万円
不動産所得の経費として出た赤字は、他の所得とも損益通算できるため、給与所得を経費分だけ引き下げて、所得税と住民税を節税可能です。
さらに、不動産を事業的規模(5棟10室以上)で展開している場合には、青色申告ができ、青色申告特別控除として、65万円を経費の他に不動産所得・事業所得から控除できるようになります。
所得税は、所得が多ければ多いほど税率が上がる累進課税のため、給与所得や事業所得が大きい高所得者ほど、節税効果は大きくなります。
ただ、節税ありきで、ワンルームマンション投資に手を出すことはおすすめできません。
赤字経営が続くと税務署から「事業性なし」とみなされるリスクもあるため、節税効果はあくまで不動産投資の副次的なメリットと考えましょう。
ワンルームマンション投資の成功例と戦略

成功する投資家が実践している物件選びの3つの鉄則
ワンルームマンション投資で成功するか否かは、物件選びに大きく左右されます。
成功している不動産投資家が実施している物件選びの3つの鉄則は、次の通りです。
1. 立地選び:今後の需要に注目する
2. 建物の構造と築年数:長期保有に向く構造か?
3. 管理状態:物件の価値を維持できるか?
「立地選び」では、現在の需要よりも、今後の需要に着目することが重要です。
日本全体では、少子高齢化により確実に人口減少しますが、若者や外国人の流入が続く東京首都圏ではしばらくの間は人口増加が続くと予測されており、マンション需要は高止まりすると予測されています。
東京首都圏の中でも、区全体の人口動態や再開発計画、インフラの整備などを確認し、5年後・10年後にもマンション需要が維持されるかを考えるようにしましょう。
次に、「建物の構造と築年数」にも注目する必要があります。
RC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造は耐久性が高く、長期保有に向いています。さらに、給排水管や外壁の修繕履歴など、将来的な修繕費を予測するための情報も重要です。
最後に見落とされがちなのが「管理状態」です。
「管理組合が機能しているか?」「修繕積立金の残高があるか?」「管理会社の対応力は十分か」などは、長期的に物件の価値を維持する要素として重要になってきます。
ワンルームマンション投資の出口戦略

出口戦略を考慮したワンルームマンション投資のライフサイクル
ワンルームマンション投資を成功させるには、最終的にどう資産を回収するかという出口戦略の視点が不可欠です。
不動産投資は、家賃収入だけではなく、どのタイミングで売却して、家賃収入と売却損益のトータルで利益を出せるかがポイントです。
● 不動産投資=(トータルの家賃収入-トータルのコスト)+(物件の購入価格-物件の売却価格-購入・売却時のコスト)
この式が期待利益率よりも大きくプラスになれば、不動産投資は成功だったと言えます。
トータルの家賃収入がプラスだったとしても、出口戦略に失敗してしまえば、不動産投資トータルでは失敗になってしまうケースもあり得ます。
築10年程度であれば買い手もつきやすく、価格も安定している点を留意しておきましょう。
高値で売却するのが理想的ですが、高所得層の相続対策として、あえて保有し続けるケースもあります。
不動産は評価額が時価よりも低くなる傾向があり、相続税対策として活用されることもあるためです。
ワンルームマンションは、相続時に「小規模宅地等の特例」を適用することで、貸付用なら200平方メートルまで50%、居住用なら330平方メートルまで80%、相続税評価額を下げられます。
出口戦略については、いざそのときが来てから考えるのではなく、購入時から戦略を練っておくようにしましょう。
まとめ
ワンルームマンション投資は、少額から始められるため、不動産投資家デビューの第一歩となる不動産投資です。
ただ、ワンルームマンション投資の、利回りはコストを含んでいない「表面利回り」となっている場合が多く、空室リスクや管理費による収益低下リスクに注意が必要です。
ワンルームマンション投資を成功するには、立地選びや長期的な管理状態はもちろん、出口戦略についても購入時から考えておくようにしましょう。
Q1 ワンルームマンション投資の目安利回りは?
A1 一般的には表面利回り3〜5%程度が目安となります。ただ、「表面利回り」ではなく、コストを含んだ「実質利回り」で考えることが重要です。
Q2 ワンルームマンション投資のリスクは?
A2 「コストが想像以上にかかる」「空室リスクがある」「物件価値が下落するリスク」などがあります。いずれも、実質利回りを下げる要因となるため、事前調査が重要です。
Q3 ワンルームマンション投資の出口はどうすべき?
A3 築10年程度であれば買い手もつきやすく、価格も安定しています。相続税対策として、あえて保有し続けるのもあり。いずれにしても、いざ出口が来てから考えるのではなく、購入時から出口戦略を練っておくようにしましょう。









