更新日:2025.6.2
不動産担保ローンとは?審査ポイントと通過のコツは
不動産担保ローンについて検討しているものの、「不動産担保ローンは危険じゃないの?」「不動産担保ローンの審査に通るポイントは?」など、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
不動産担保ローンは、不動産を担保に入れて、金融機関からまとまった資金を借りられるローンです。
不動産担保ローンは、審査に通りやすく、使用用途は原則自由な一方で、金利が高く、最悪の場合には不動産を失うリスクがある点に注意が必要です。
本記事では、不動産担保ローンのメリットやデメリット、不動産担保ローンの審査基準や借入可能額について解説しています。
Contents
不動産担保ローンの基本と特徴

不動産担保ローンとは何か?その仕組みと一般的な活用法
不動産担保ローンとは、所有する自宅や土地などの不動産を担保として差し入れることで、金融機関からまとまった資金を借りられるローンです。
不動産担保ローンは、担保の評価によって借入限度額が大きくなりやすく、無担保ローンに比べると金利が低く設定される傾向があります。
通常の住宅ローンは住宅の取得に限られますが、不動産担保ローンの資金用途は原則自由となっており、事業資金や教育費、結婚資金など、幅広い用途に活用できます。
既に所有している不動産を担保に入れるため、収入や信用に不安がある人でも通る可能性が高く、返済期間も長く設定できることから、月々の返済負担を軽減しやすい点もメリットです。
近年は、高齢者が老後資金を確保する手段として、不動産担保ローンを活用するケースも増えています。
ただ、不動産の担保評価によっては借入可能額が想定より下がる場合があるため、事前の不動産査定が重要となってきます。
住宅ローンと不動産担保ローンの違い
通常の住宅ローンと不動産担保ローンの違いは次の通りです。
| 住宅ローン | 不動産担保ローン | |
|---|---|---|
| 資金用途 | 住宅用途に限定 | 原則自由 |
| 利用者 | 個人のみ | 個人、法人 |
| 担保 | 購入する不動産 | 不動産全般 |
| 金利 | 低い | 高い |
不動産担保ローンは、住宅ローンに比べて資金用途が原則自由ですが、その分だけ金融機関にとってはリスクが高いため、金利も高めに設定されている点には注意が必要です。
2025年5月時点では、住宅ローンの金利は変動金利が0.8%前後、固定金利が1.8%前後程度となっていますが、不動産担保ローンの金利は2〜7%程度となっています。
自分の住宅を取得する場合には、不動産担保ローンではなく、住宅ローンを使うようにしましょう。
不動産担保ローンが「やばい」と言われる理由とリスクの実態
不動産担保ローンは、「やばい」と言われることも少なくありません。
不動産担保ローンを借りると、金融機関は対象不動産に「担保権(抵当権)」を設定します。
万が一返済が滞ると、金融機関は担保権を実行して不動産を差し押さえ、競売などで売却し、不動産を失うリスクがあります。
住宅ローンの場合も同様のメカニズムで、金融機関に差し押さえとなる場合がありますが、住宅ローンは使用用途が自宅であり金融機関側にとってのリスクも低いため、金利も低く抑えられます。
不動産担保ローンは金利が高めに設定されているため、返済総額が予想以上に膨らみ、負担が重くなって不動産を失ってしまうことにもなりかねません。
不動産担保ローンは便利な反面、使い方を誤ると、人生に影響を及ぼすほどの大きな代償を払うことになります。
不動産担保ローンを使う際には、必ず返済シミュレーションを行うようにして、総返済額と家計の収支状況とのバランスを確認しておくようにしましょう。
住宅普及協会の「住宅ローンシミュレーション」を使って、借入額3,000万円、返済期間30年間で、総返済額をシミュレーションしてみると、次のようになります。
| 金利2% | 金利5% | 金利7% | |
|---|---|---|---|
| 総返済額 | 39,918,903円 | 57,976,735円 | 71,852,669円 |
ローンの金利が高くなると、総返済額がいかに大きくなるのかが明らかです。
不動産担保ローンの審査基準と通過のコツ

不動産担保ローンの審査は本当に甘いのか?その真相
不動産担保ローンは「審査が甘い」と言われることがありますが、審査の基準が通常のローン審査と異なる点が要因の一つです。
無担保ローンでは申込者の収入や信用情報が重視されますが、不動産担保ローンでは信用情報に加えて、担保として提供される不動産の価値が大きな判断材料になります。
信用情報にやや難があったとしても、担保不動産の評価額が高ければ、融資が認められる可能性が高くなります。
このため「審査が甘い」と感じやすいものの、あくまで担保があるからこその話であり、金融機関側も貸し倒れリスクを担保でヘッジしているに過ぎません。
金融機関側にとっては、無担保ローンに比べて審査を甘くしても、最終的には担保にした不動産で回収できるためリスクは低いのです。
また、不動産担保ローンの審査基準は、金融機関によって異なります。
大手銀行は厳しい傾向があり収入や返済比率を細かく審査しますが、消費者金融やノンバンクでは担保価値を優先し、収入証明や信用スコアの要件が緩めなケースもあります。
同じ人でも、申し込む金融機関によって審査結果が異なる場合も珍しくありません。
とはいえ、審査が甘いかどうかはそこまで重要ではなく、不動産担保ローンを受ける側としては「金利が高くないか?」「ちゃんと返済できるか?」が最重要であることを忘れないようにしてください。
不動産担保ローンが通らないケースとその原因は?
不動産担保ローンは、無担保ローンに比べて通りやすい傾向があるものの、審査落ちになるケースも少なくありません。
審査落ちになる要因としては、次のような点が考えられます。
・信用情報に滞納歴がある
・収入が不安定で返済能力に不安がある
・他の金融機関から借り入れがある
・不動産の評価が低い
・不動産に他の抵当権が設定されている
・書類に不備がある
いずれのケースも、金融機関側がリスクを感じるものです。
不動産担保ローンが通らない場合の対処法としては、次のような方法が考えられます。
・別の金融機関に申し込む
・融資希望額を下げる
・他の金融機関の借り入れを返済する
・書類の不備を見直す
特に、不動産の担保評価額が低い場合には、別の金融機関に申し込んで再評価してもらう、もしくは融資希望額を下げることがポイントです。
不動産担保ローンの借入可能額と計算方法

不動産担保ローンでいくら借りられるのか?計算の仕組み
不動産担保ローンは、「担保物件の評価額」と「掛け目」をもとに融資限度額が決まります。
「担保物件の評価額」とは、金融機関がその不動産にどれだけの価値があると判断するかで、公示価格などの実勢価格ではなく、安全に売却できる価格を基準とします。
「担保物件の評価額」に「掛け目」(一般的には60〜80%)を掛けた金額が、借入可能額の上限となります。
例えば、評価額が3,000万円で、掛け目が70%の場合には、最大2,100万円の融資が可能です。
ただ、この数値はあくまで借入上限額であり、借入者の収入や返済能力、借入状況、信用情報などを加味した上で、最終的な融資額が調整されます。
担保とする不動産の種類が、土地、建物、土地+建物の場合にも、評価額は変わってきます。
土地の評価額は、公的機関が公表している公示地価や基準地価、路線価などをもとに算出されることが一般的です。
建物の評価額は、原価法、収益還元法、取引事例比較法のいずれかによって算出されます。
一般的には、都市部のマンションや築浅の戸建て住宅は評価が高くなりやすい一方、地方の空き地や築年数が経過している住宅は評価が下がりがちです。
不動産担保ローンの借入額を最大化するためのテクニック
不動産担保ローンの借入額を最大化するには、「担保不動産の評価額をいかに高められるか」が重要になってきます。
評価額が高くなりやすい不動産の条件は次のようなものです。
・都市部にある
・駅近など生活利便性の高い立地にある
・築年数が浅い
・耐震基準を満たしている
・権利関係が整理されている(抵当権なし、共有者なし)
すでに保有している不動産の担保価値を少しでも高めるには、抵当権を整理するなど、権利関係を整理することが挙げられます。
また、物件にリフォームを施してから評価を依頼すると価値が上がる場合もありますが、リフォーム代を考えると、本末転倒になるケースが少なくありません。
不動産の担保価値を高めるためにできることは少ないため、融資希望額を下げることが最も現実的です。
なお、担保物件が複数ある場合には、「共同担保」によって借入可能額を引き上げられますが、複数の不動産を同時に失うリスクにもなるため注意しておきましょう。
まとめ
不動産担保ローンは、無担保ローンに比べると審査に通りやすく、使用用途は自由で、融資額も大きくなりやすい一方、金利が高く、最悪の場合には不動産を失うリスクがあります。
不動産担保ローンの審査を通りやすくする方法や借入可能額を増やすポイントはあるものの、本質的には「ちゃんと返済できるか?」が最も重要です。
不動産担保ローンを活用する際には、必ず返済シミュレーションを行って、総返済額と家計の収支状況とのバランスを確認しておくようにしましょう。
Q 不動産担保ローンのメリットは?
A 使用用途は原則自由で幅広い用途に使用でき、融資可能額が大きくなりやすい。不動産を担保にするため、無担保ローンに比べて審査が通りやすい。
Q 不動産担保ローンのデメリットやリスクは?
A 住宅ローンに比べると金利が高く、返済リスクが大きい。返済できない場合には、不動産を失うことになってしまう。住宅を取得するなら住宅ローンを使うようにしましょう。
Q 不動産担保ローンの審査を通りやすくするポイントは?
A 最も確実でリスクが低いのは、希望融資額を下げること。別の金融機関に申し込む、金融機関からの借り入れを返済する、不動産の権利関係を整理するなども有効。









