更新日:2025.6.10
リートはやばい?おすすめされない理由とは?
「リート(REIT:不動産投資信託)って、最近なんだか「やばい」って聞くけど、本当のところはどうなの?」
そんな疑問や不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、金利の動向や不動産市況の変化など、リートを取り巻く環境は常に変化しており、一部では「おすすめしない」という声も聞かれます。
でも、本当にリートは避けるべき投資対象なのでしょうか?
この記事では、リート投資の現状と懸念点を整理し、なぜ一部で「やばい」と言われるのか、その実態を検証します。さらに、将来性や長期投資の視点、そして賢い銘柄選びのポイントまで、リートと上手に付き合っていくための情報を分かりやすく解説します。
「リートに興味はあるけれど、一歩踏み出せない…」
そんなあなたの悩みを解消し、リート投資への理解を深めるお手伝いができれば幸いです。
Contents
リート投資の現状と懸念点

まず、リート投資における懸念材料を見ていきましょう。
なぜ一部の専門家はリートをおすすめしないのか?
● 金利上昇局面における価格下落リスクの実態
リートの価格は、金利の動きと密接に関連しています。
一般的に、金利が上昇するとリートの価格は下落する傾向にあります。これは、リートが金融機関からの借入によって不動産を取得・運用することが多く、金利が上昇すると借入コストが増加し、収益性が圧迫されるためです。
また、金利が上昇すると、相対的にリスクの低い国債などの利回りが上昇するため、リートの投資妙味が薄れることも価格下落の一因となります。
最近の金融政策の変更の可能性などから、金利上昇への警戒感が高まっており、これがリートへの慎重な見方につながっているのです。
● 不動産市況の変化による収益性への影響と懸念材料
リートの収益は、保有不動産の賃料や売却益に左右されます。
不動産市況が悪化すれば、オフィスの空室率上昇や賃料下落、商業施設の売上減などが起こり、リートの分配金減少や価格下落に繋がる可能性があります。働き方の変化やEコマースの拡大といった構造変化も、中長期的な収益性への影響を注視する必要があります。
Jリートの現状はやばいのか?実態を検証する
日本のJリート市場は、本当に「やばい」のでしょうか。
● 足元の価格動向と需給バランスの崩れ
東証REIT指数は2023年から2024年にかけて軟調な展開でした。
これは金利上昇懸念や一部セクターの供給過剰懸念が背景にあると考えられます。
例えば、都心オフィスはテレワーク普及で以前ほどの強い需要はなく、新規供給も続くため需給バランスが緩んでいました。これがオフィス系リートの価格に影響していた可能性があります。
● 空室率や賃料動向から見える収益環境の変化
Jリートの収益環境は、セクターにより異なります。
| セクター | 空室率の傾向 | 賃料の傾向 |
|---|---|---|
| オフィス | 低位安定~やや改善傾向 | 上昇傾向 |
| 商業施設 | エリア・業態によりまだら模様 | エリア・業態によりまだら模様 |
| 物流施設 | 一部エリアで上昇傾向・高水準 | 堅調に推移 |
| 住居 | 低位安定 | 上昇傾向 |
2025年初頭時点においては、オフィス空室率は低位で賃料は都心中心に上昇、商業施設は立地等で状況に差があります。また、物流施設は一部エリアで空室率が高水準ながら賃料は堅調。
住居は空室率が低く安定し、賃料は上昇傾向となっています。
Jリート全体を「やばい」と断じるのではなく、セクターや個別銘柄の状況を見極めることが重要です。
リートの将来性と長期投資の視点

Jリートの将来性はどう評価すべきか?
● 不動産テックの進化と働き方改革がもたらす構造変化
不動産テック(不動産×テクノロジー)の進化は、AIによる物件査定やVR内覧、スマート管理システムなど、物件の効率運営や価値向上に貢献し、リートの収益性向上に繋がる可能性があります。
また、働き方改革によるサテライトオフィスやコワーキングスペースといった新たな不動産ニーズも、対応できるリートにとっては成長機会となり得ます。
● 人口減少社会における不動産需要の長期展望
人口減少は長期的には不動産需要に影響しますが、高齢者施設需要の増加や都心部への人口集中といったトレンドもあります。
また、海外からの不動産投資マネー流入も期待されます。リートは多様な不動産に分散投資できるため、変化する需要を捉える上で有効な手段です。
REITを長期保有する意義とリスクのバランスは?
● 配当再投資による複利効果の実績データ
リートの分配金を再投資することで「複利効果」が期待でき、これは長期的な資産形成において強力な武器となります 。
実際に、過去の実績データや多くのシミュレーションでは、分配金を再投資した場合、そうでないケースに比べ、長期的に見て資産額に大きな差が生まれる傾向が示されています。
具体的なリターンは市況や銘柄により異なりますが、これらのデータは複利の力と再投資の重要性を明確に物語っています。
● 20年以上の長期運用でのリターン予測とリスク要因
一般的にリスク資産は、短期的には価格変動が大きいものの、長期的には経済成長と共に価格上昇する傾向があります。20年以上の長期運用では、リートも経済成長やインフレの恩恵を受け、安定的なリターンが期待できます。
ただし、金利変動リスク、不動産市況変動リスク、信用リスク、災害リスクといったリスクも存在します。これらを理解し、許容範囲内で投資することが大切です。
リート銘柄選択の重要ポイント

リートの買ってはいけない銘柄の特徴とは?
● 財務指標から見る危険信号とチェックポイント
財務健全性は投資の安定性を左右します。以下の指標に注意しましょう。
| 財務指標 | チェックポイント | 危険信号の目安 |
|---|---|---|
| LTV (LoantoValue) |
有利子負債の割合。 高いほど財務リスクが高い。 |
60%超など業界平均より著しく高い |
| NAV倍率 | 投資口価格が純資産の何倍か。 割安・割高の目安。 |
極端に高い、または低い状態が継続 |
| FFO倍率 | 投資口価格が収益力の何倍か。 | 同セクター平均より著しく高い |
| 格付け | 信用格付け。 低いほど信用リスクが高い。 |
BBB未満など投資適格級を下回る |
これらの指標は目安であり、複数の指標で総合的に判断することが重要です。
● 物件ポートフォリオに潜む将来リスクの見分け方
保有物件(ポートフォリオ)の内容も将来リスクを見極める上で重要です。
○ 集中リスク
特定地域や用途への偏りがないか。
○ 老朽化リスク
築古物件が多くないか、適切な修繕・入れ替えが行われているか。
○ テナントの質と契約内容
特定テナントへの依存度が高すぎないか、契約期間は適切か。
開示資料でこれらの情報を確認し、リスクをしっかり評価しましょう。
セクター別のリート投資戦略

リートには多様なセクターがあり、それぞれの特徴を理解することが重要です。
今後の成長が期待できるリートセクターとそうでないセクター
● オフィス・商業・物流・住居など各セクターの見通し
○ オフィスリート
テレワークの普及という逆風がある一方、都心一等地や高機能オフィスへの需要は底堅いと見られます。物件の選別がより重要になるでしょう。
○ 商業施設リート
Eコマースの拡大で厳しい環境が続くものの、体験型消費に対応した施設や、生活に密着した商業施設は引き続き需要が見込めます。
○ 物流施設リート
Eコマース市場の成長やサプライチェーンの再編により、引き続き高い需要が期待されます。ただし、新規供給も多く、エリアによっては競争激化の可能性もあります。
○ 住居系リート
安定した賃料収入が見込めるディフェンシブなセクターとして人気があります。特に都市部の単身者向けやファミリー向け物件は底堅い需要が続くでしょう。
○ ホテルリート
インバウンド需要の回復により、大きな成長が期待されるセクターです。ただし、景気変動や国際情勢の影響を受けやすい点には注意が必要です。
● 環境変化に強いセクターの特徴と選定ポイント
環境変化に強いセクターや銘柄を選ぶためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
○ 需要の底堅さ
生活に不可欠な住居や、経済活動の基盤となる物流施設など、景気変動の影響を受けにくいセクター。
○ 時代のニーズへの対応力
DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応したデータセンターや、高齢化社会に対応したヘルスケア施設など、成長分野の不動産に投資するセクター。
○ 物件の競争力
好立地、築浅、高い設備グレードなど、競争優位性のある物件を多く保有している銘柄。
○ 運用会社の能力
変化を的確に捉え、適切な物件の入れ替えやポートフォリオの再構築ができる運用会社。
不動産市況の変化に強いリートの特徴とは?
● 景気サイクルに対する各セクターの反応パターン
一般的に、景気拡大期にはオフィスや商業施設の需要が高まり、賃料も上昇しやすくなります。一方、景気後退期にはこれらのセクターは影響を受けやすく、相対的に住居系や物流系といったディフェンシブなセクターが強さを発揮する傾向があります。
自身の景気見通しやリスク許容度に合わせて、セクターの比率を調整することも有効な戦略です。
● テナント構成と契約形態から見る安定性の評価法
リートの収益安定性を評価する上で、テナントの構成と契約形態は重要なチェックポイントです。
○ テナントの分散
特定のテナントに収益を大きく依存している場合、そのテナントが撤退すると大きな影響を受けます。多様な業種、多数のテナントに分散されているか確認しましょう。
○ 契約期間の長さ
長期契約のテナントが多いほど、安定した賃料収入が見込めます。契約残存期間も確認しておくと良いでしょう。
○ 賃料改定の条件
定期的に賃料を見直せる契約になっているか、固定賃料だけでなく売上歩合の賃料があるかなども、収益の伸びしろや安定性に関わってきます。
これらの情報は、リートの開示資料で確認することができます。ぜひ確認しておきましょう。
まとめ
リート投資は、金利上昇リスクや不動産市況の変動など、確かに注意すべき点があります。しかし、それは他の投資対象にも共通して言えることです。重要なのは、リスクを正しく理解し、長期的な視点を持って、優良な銘柄を選び、分散投資を心がけることです。
「やばい」という言葉に惑わされず、リートの仕組みや特性、そして経済全体の動きを学び続けることで、リートはあなたの資産形成の心強い味方になってくれる可能性があります。
この記事を参考に、ぜひ投資対象の一つとして検討してみましょう。
Q&A
Q.リートの分配金は、今後も安定して支払われ続けるのでしょうか?
A.リートの分配金は主に賃料収入から支払われるため、空室率の上昇や賃料下落で減少する可能性はあります。
しかし、多くのリートは複数物件に分散投資し、内部留保などで分配金の安定化を図っています。銘柄ごとのポートフォリオや財務状況、過去の実績などを確認し、総合的に判断することが大切です。
Q.NISAでリートに投資するメリットとデメリットは何ですか?
A.NISAでリートに投資するメリットは、分配金や売却益が非課税になる点です。
リートは比較的高い分配金利回りが期待できるため、非課税の恩恵を大きく受けられます。デメリットは、NISA口座での損失は他の課税口座と損益通算できない点や、非課税投資枠に上限がある点です。
Q.リートを選ぶ際、利回り以外に重視すべき点はありますか?
A.利回りだけで選ぶのは危険です。
高利回りの裏には高リスクが隠れていることもあります。利回り以外には「財務の健全性」(LTVなど)、「物件ポートフォリオの質と分散」、「運用会社の信頼性」を重視しましょう。
これらを総合的に見て、長期的に安心して投資できる銘柄を選ぶことが大切です。









