更新日:2025.7.22
不動産投資はやめておくべきか?失敗例から見えるリスクと向き不向き
不動産投資に手を出してみたいものの、「不動産投資がやめとけと言われるのはどうして?」「不動産投資に向いている人と向いていない人とは?」など、疑問に思っていませんか。
インターネットやSNSには不動産投資で成功した話が数多く流れてくるため、「不動産投資を始めれば、ほったからし投資で不労所得ができる?」といった不安にも似た感情を持つ人は少なくありません。
ただ、多くの成功例は業者が膨らませた話が多く、不動産投資で成功するには、投資家として不断の努力と継続が欠かせないことが実態です。
本記事では、「不動産投資はやめとけ」と言われる背景、不動産投資に向いている人と向いていない人、不動産投資のリスクを減らす方法などについて解説しています。
Contents
「やめとけ」と言われる理由

なぜ「不動産投資はやめとけ」と言われるのか?
不動産投資は「安定した家賃収入が得られる」とのイメージから現役世代を中心に人気となっていますが、一方で「やめとけ」という声があるのも事実です。
「やめとけ」と言われる理由の一つが、空室や修繕費など予期せぬ支出によって収支が赤字に転落するリスクが挙げられます。
新築当初は満室でも、築年数が進むと入居者が減り、家賃も下落していきます。さらに、給排水や外壁などの大規模修繕には、多額の費用がかかる点も見落としがちです。
多くの投資家が、ローンを活用した「レバレッジ型投資」を行いますが、ローン返済リスクを甘く見積もると返済が困難になり、最悪の場合は自己破産に至るケースもあります。
金利の上昇や、収益減少に対する備えが不十分なまま始めると、経営は一気に厳しくなります。
特に、2024年7月には日銀がついに利上げを実施するなど、日本でも「金利のある世界」が復活しつつあるため、不動産投資には逆風が吹きつつある状況です。
不動産投資は「買ったら、ほったらかして終わり」ではなく、継続的な管理・経営能力が問われるビジネスであるという認識を持つようにしましょう。
かつては海外不動産投資が節税対策になったが……
かつては、アメリカなどに海外不動産投資をして、簡便法により算定した年数で減価償却することで、不動産所得や事業所得に損失計上して損益通算する節税スキームがありました。
しかし、2021年の税制改正によって、個人が国外中古建物からの不動産所得で損失となった場合には、減価償却費に相当する損失部分は損益通算できないように変更されています。
現在では、日本の居住者が海外不動産で譲渡収入を得た場合には、所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得として39%、所有期間が5年超の場合には長期譲渡所得として20%の課税となります。
なお、不動産の譲渡所得の計算上生じた損失は、不動産譲渡による所得以外の所得との損益通算は認められていないため、節税には使えません。
※注意:不動産所得とは、家賃などの所得のことです。一方、不動産の譲渡所得とは、不動産を譲渡することによる所得のことです。
一部では有名な節税スキームとして知られていた、海外不動産投資による損益通算の手法は、2021年以降は使えなくなっている点に注意しておきましょう。
成功する人と失敗する人の差とは

不動産投資の失敗率が高くなるのはなぜなのか?
不動産投資で失敗する人に共通するのは、市場や物件、リスクに対する誤った認識を持っていることが挙げられます。
特に、初心者は以下の3つの勘違いに陥りやすい傾向があるためチェックしておきましょう。
1. 「不動産は持っていれば値上がりする」という誤信
2. 「満室経営が当たり前」という過信
3. 「営業マンに勧められた物件なら安心」という思い込み
これらの間違った思考に基づいて物件を購入すると、利回りが想定を下回ったり、トラブル対応に追われたりして収支が悪化します。
加えて、業者選びの失敗も致命的です。
売上重視で物件を押し売りする営業や、管理の質が低い会社と契約すると、オーナーの負担が激増することになりかねません。
不動産投資に成功する人は、慎重に情報を収集し、物件・立地・管理体制までトータルで精査しており、税制改正をはじめとする不動産投資まわりのニュースにも敏感です。
不動産投資が向いていない人の特徴

どんな人には不動産投資は向いていないのか?
不動産投資は、「買って放置で儲かる」といった受動的な収益モデルと思われがちですが、実際には地道な知識の習得や管理業務が求められる「事業型投資」です。
そのため、短期的な利益を求める人や、勉強を避けたい人には不向きです。
市況の変化や法改正、入居者トラブルなど、想定外の出来事が多く発生するため、自ら学び、対応できる柔軟性が必要不可欠となります。
また、資金管理が甘く、自己管理が苦手な人も注意が必要です。
物件購入後も、税金やローン返済、修繕費の積立など、安定したキャッシュフローを維持するための管理能力が求められます。
毎月の家計管理が苦手な人や、長期的視野での資産計画が立てられない人は、安易に手を出すべき世界ではありません。
とはいえ、これらは不動産投資だけではなく、株や投資信託、その他の投資など、あらゆる投資家に共通するポイントと言えそうです。
「投資家」という言葉は、不労所得や楽に稼げるといったイメージが浮かびがちですが、常に投資情報を収集し、税制改正のニュースにも敏感である必要があります。
不動産投資が向いている人 vs 向いていない人
不動産投資が向いている人と向いていない人について、次のチェックリスト表で確かめてみましょう。
| 項目 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 投資スタンス | 長期目線で安定収益を重視する人 | 短期間で大きな利益を求める人 |
| 学習意欲・情報収集力 | 市場や法律、税制に関心があり学ぶ姿勢がある | 不動産に関する勉強を避けたい人 |
| 資金管理能力 | 予算管理や資金繰りを計画的に行える人 | 家計管理が苦手で支出が多い人 |
| 問題対応能力 | トラブル時に冷静に対処できる人 | 問題が起きると放置・後回しにしがちな人 |
| 継続力・責任感 | 賃貸経営を「事業」として長く続けられる人 | 管理や運営をすぐに手放したくなる人 |
リスクを減らすには

失敗リスクを減らすために何をしているのか?
不動産投資のリスクをゼロにはできませんが、事前の対策によって失敗確率を大幅に下げることは可能です。
まず重要なのが、複数の物件やエリアに分散して投資することです。
一棟物件で空室が出た場合の影響は大きいため、リスク分散として複数戸・複数地域での運用が有効となります。
特に、人口減少が止まらない今後の日本においては、地域の人口動態や都市計画を把握しておくことで、空室リスクの低減にもつながります。
次に、管理会社の選定と修繕計画のチェックも、リスク対策には欠かせません。
管理がずさんだと、入居率やクレーム対応に悪影響が出るため、実績や評判をしっかり確認しましょう。
また、大規模修繕が必要なタイミングを見越して、事前に費用と積立計画を立てておくことも重要です。
不動産投資別の難易度の違いは?
不動産投資は、その投資対象ごとに、初期費用やリスクなどが異なります。
| 投資種類 | 初期費用 | 管理の手間 | 空室リスク | 流動性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ワンルームマンション | 500万円〜 | 少ない | 高い | 中 | 都市部に多く、手軽に始めやすい |
| アパート一棟投資 | 数千万円〜 | 多い | 分散可能 | 低 | 賃貸経営として収益性が高く、管理・修繕計画が重要 |
| 戸建て投資 | 1,000万円〜 | 普通 | 高め | 中〜高 | 資産価値が安定、ファミリー層向けに人気 |
| REIT(不動産投資信託) | 数万円〜 | なし | 分散済み | 非常に高い | 株式感覚で売買でき、分配金収入が見込める |
| トランクルーム投資 | 300万円〜 | 少ない | 低い | 中 | 管理が比較的楽で需要安定、立地と運営会社の選定が重要 |
| 民泊投資 | 数百万円〜 | 非常に多い | 非常に高い | 低〜中 | 稼働率に大きく依存し法規制リスクも大。観光地では高収益も可能 |
不動産投資の中でも比較的少額から始められる、ワンルームマンション投資やトランクルーム投資ですらも、初期費用や管理の手間は小さくないことが実態です。
どうしても不動産投資をしたいなら、株式投資と同じように数万円から始められるREIT(不動産投資信託)から始めるというのも、選択肢としてアリではないでしょうか?
続けるかやめるかの判断軸を持つ

どのタイミングで「やめる判断」をすべきなのか?
不動産投資を続けるかやめるかの判断は、感情ではなく数字と戦略に基づくべきです。
特に、キャッシュフローが赤字に転落した場合は即座に原因を分析し、改善可能かどうかを冷静に見極める必要があります。
経費の見直しやリノベーションによる収益改善の余地がない場合は、早期に売却を検討することが損失拡大を防ぐ手段になります。
また、税負担の増加やローン残債と物件の売却価格とのバランスも重要な判断材料です。
特に、築年数が進むにつれて資産価値が落ちていくため、売却タイミングを誤ると大きな損失につながりかねません。
「◯年間赤字が続いたら売却検討」「ローン残債が◯%以下になったら出口戦略を実行する」といった、数字に基づく機械的なマイルールをあらかじめ設定しておくと、判断に迷いがなくなります。
まとめ
不動産投資で成功している人は、他の投資や事業と同様に、不動産投資について努力を継続できることが最低条件です。
不動産投資は、初期費用だけでも少なくないリスクが発生するため、どうしても不動産投資を始めたいなら、少額から投資できるREITから始めてみるのも手です。
少なくとも、不動産投資は軽い気持ちで始めても成功できるほど甘い世界ではありません。
Q&A
Q1 「不動産投資はやめとけ」と言われる理由とは?
A1 確かに、不動産投資で成功している投資家は実在します。ただ、不動産投資は簡単に不労所得を実現できるほど甘い世界ではなく、勉強や情報収集を続ける姿勢が必須の厳しい世界です。
Q2 不動産投資に向いている人とは?
A2 「長期目線で安定収益を重視する人」や「市場や法律、税制に関心があり学ぶ姿勢がある人」、「予算管理や資金繰りを計画的に行える人」などが挙げられますが、不動産投資家としての覚悟が求められる点は共通しています。
Q3 どうしても不動産投資を始めたい場合は?
A3 株のように数万円から始められるREIT(不動産投資信託)を始めてみてはいかがでしょうか?不動産投資の中でも少額のワンルームマンション投資やトランクルーム投資でも数百万円のリスクを取る必要があることが実態です。









