更新日:2025.8.18
不動産投資に自己資金はいくら必要か?借入とのベストな比率は?
不動産投資の資金について、「不動産投資に自己資金はいくら必要?」「自己資金と借入のベストな比率は?」など、疑問に思っている方も少なくないのではないでしょうか。
不動産投資において自己資金が多ければ審査が通りやすくなり、トータルコストが抑えられるなどのメリットがあります。
一方、自己資金を入れすぎると、手元資金が少なくなり、借金によるレバレッジ効果が小さくなるなどデメリットもあるため、バランスが重要です。
本記事では、不動産投資における自己資金の目安、自己資金を多く入れた場合のメリット・デメリット、自己資金と借入れのバランスについて解説しています。
Contents
自己資金ゼロでも不動産投資はできるのか?

本当に自己資金ゼロでも不動産投資は始められるのか?
不動産投資には「大きな自己資金が必要」と思われがちですが、実は自己資金ゼロ、いわゆる「フルローン」でも始められるケースがあります。
金融機関によっては、物件価格の100%に諸費用も含めて借入可能な「オーバーローン」を提供しているところもあります。
| フルローン | オーバーローン | |
|---|---|---|
| 定義 | 物件価格の全額を借入でまかなうローン | 物件価格+諸費用を借入でまかなうローン |
| 借入対象 | 物件本体のみ | 物件本体+仲介手数料・登記費用などの諸費用 |
| 自己資金の必要性 | 諸費用分は自己資金で準備する必要があることが多い | 自己資金ゼロでも借入可能な場合もある |
| 融資難易度 | 自己資金ありに比べると審査が厳しい | 審査が非常に厳しい |
| メリット | 少ない自己資金で物件取得が可能 | 自己資金ゼロで不動産投資を開始できる |
| デメリット | 審査が厳しく、総費用も多くなる | 借入額が増え、返済負担や金利リスクが大きい |
フルローン・オーバーローンともに、誰でも利用できるわけではなく、融資を受けるには審査が必要です。
具体的には、年収・勤務先・勤続年数・保有資産といった「属性」、過去の借入や返済履歴など「信用情報」が大きく影響します。
また、金融機関としてもフルローンはリスクが高いため、購入する物件の収益性やエリアも厳しく見られます。
自己資金がない状態で不動産投資を始めることも不可能ではありませんが、ローンの条件が厳しくなり、金利が高く設定されるなど、不利な点は否めません。
自己資金の目安はいくら必要なのか?

物件価格に対して何%くらい用意すべきなのか?
不動産投資を安定的に進めるためには、ある程度の自己資金を用意しておくに越したことはありません。
一つの目安としては、「物件価格の10%〜20%程度」が一般的です。
たとえば、2,000万円の物件であれば、200万円〜400万円が自己資金の基準となります。
自己資金を用意しておくことで、金融機関からの信頼も上がり、より良い条件での融資が受けやすくなります。
特に、金利や返済期間、審査のスピードに違いが出ることが多く、無理のない資金計画を立てやすくなることがメリットです。
また、自己資金をある程度入れておくことで、ローン残債の圧力が減り、キャッシュフローの安定にもつながります。
フルローンやオーバーローンでレバレッジを大きく効かせる戦略もありますが、初めての不動産投資やリスク・コストを抑えたい場合には、1〜2割程度の自己資金を準備しておくことが現実的といえるでしょう。
どのような費用が自己資金として必要になるのか?
不動産投資の自己資金は、物件そのものの購入代金とは別に、さまざまな初期費用が含まれます。
まず大きなものとして「仲介手数料」があり、物件価格の「3%+6万円(消費税別)」が一般的です(物件価格400万円超の場合)。
次に、「登記費用」があり、司法書士への報酬も含めて数万円〜十数万円かかります。
また、ローン契約にともなう「融資事務手数料」や「保証料」も忘れてはいけません。
火災保険や地震保険への加入も必須で、毎年、数万円から数十万円程度は見積もっておくと安心です。
さらに、物件によってはリフォームや修繕費用も最初に必要になるケースがあります。
これらを合計すると、物件価格の5〜10%程度が「諸費用」として自己資金で求められるものと考えておくべきです。
フルローンを組む場合でも、「諸費用」は現金での支払いが必要になるため、事前にしっかりと見積もっておきましょう。
オーバーローンでは「諸費用」も含めて借りられますが、その分だけリスクやコストが大きくなる点に注意が必要です。
自己資金を多く入れると何が変わるのか?

自己資金を多く入れるメリット
不動産投資で自己資金を多めに投入することには、いくつかの明確なメリットがあります。
第一に、金融機関からの融資審査が通りやすくなる点が挙げられます。
自己資金をしっかり用意している投資家は、資金管理能力が高いと評価されやすく、ローン審査で好印象を与えます。
また、借入金額が少なくなることで、月々の返済負担が軽くなり、キャッシュフローが安定するのも大きなメリットです。
さらに、返済総額に含まれる金利負担も軽減でき、トータルコストを抑えられる効果もあります。
特に、昨今の日本では日銀が利上げをするなど「金利のある世界」が復活してきており、金利が上昇局面にある場合には、借入比率を抑えることでリスクヘッジにもつながります。
万一、空室リスクや修繕費などの想定外の支出が発生しても、返済に追われすぎることなく、柔軟に対応しやすくなる点も安心材料といえるでしょう。
安定性や着実な運用を重視する投資家にとっては、自己資金を多く入れる戦略は有効です。
自己資金を入れすぎるデメリットは?
自己資金を入れすぎることには、安定性などのメリットだけではなく、デメリットも存在するため押さえておきましょう。
まず、手元の資金が減ってしまい、次の投資チャンスに柔軟に動けなくなることが挙げられます。
不動産投資はタイミングが重要で、優良物件に出会ったときに即行動できる資金余力があるとチャンスも増えます。
また、自己資金を多く投入することでレバレッジ効果が薄れ、少ない元手で大きなリターンを得られる資金効率が下がる点が気になる投資家も少なくありません。
自己資金を大きく入れるとリスクを小さくできることは確かですが、非効率になる可能性もあるため、自己資金と借入れのバランスを考えるようにしましょう。
自己資金を多く入れる場合のメリット・デメリット
自己資金を多く入れる場合のメリットと、それに対応するデメリットについてまとめておきましょう。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 融資審査 | 通過しやすくなる | 資金を寝かせることになってしまう |
| キャッシュフロー | 返済負担が軽くなり、月々の収支が安定しやすくなる | 利回りや資産拡大のスピードがやや鈍くなる |
| 金利負担 | 支払う利息が少なく、返済総額も抑えられる | 他の投資チャンスに資金を回しづらくなる |
| リスク管理 | 空室・修繕などのトラブル時にも余裕を持って対応可能 | レバレッジ効果が小さくなり資金効率が下がる |
自己資金を効率よく貯めるには?

不動産投資の自己資金を準備する上では、貯金や株などの投資資金を作るための方法と同様に、日々の家計管理が重要です。
特におすすめなのは、「投資専用口座」を作り、そこに毎月一定額を自動で積み立てていく方法です。生活費と完全に切り分けることで、無理なく資金を貯められるようになります。
ボーナスや副業収入、税金の還付金などの「臨時収入」を、全て、この口座に入れるようにするのも効果的です。
また、固定費を見直して支出を減らすことは、投資に限らず有効なライフハックとなります。
特に、保険や通信費、サブスクの見直しはすぐに効果が出やすい分野のため、積極的に取捨選択して見直すようにしましょう。
投資資金を作るための「自己規律」は、どのような投資をするとしても、投資家に必要な習慣です。
自己資金と融資のバランスは?

自己資金と借入のベストな比率は?
自己資金と借入のバランスは、不動産投資の成否を左右する重要なポイントです。
具体的には、「自己資金2:借入8」から「自己資金3:借入7」程度の比率が現実的な目安です。
自己資金をある程度入れることで、金融機関からの信用が高まり融資審査がスムーズに進みやすくなり、返済比率も抑えられ、キャッシュフローの安定にもつながります。
一方で、自己資金が少なすぎると、融資が通りにくくなるほか、空室リスクや突発的な修繕費に対応できなくなるリスクがあります。
逆に、自己資金を入れすぎると、レバレッジ効果が低下して運用効率が下がるため、やはりバランスが重要です。
自己資金と借入のバランス比較表
自己資金と借入のバランスについて、自己資金割合ごとのメリットやデメリットについて確認しておきましょう。
| 自己資金割合 | 借入割合 | メリット | デメリット | 向いている投資家像 |
|---|---|---|---|---|
| 0%(フルローン) | 100% | 資金ゼロでスタート可能、レバレッジ最大化 | 審査が厳しい、返済負担が大きい | 手元資金が乏しい人 |
| 10~20% | 80~90% | 審査がやや通りやすい、自己資金を温存可能 | レバレッジ効果は大きいが、リスクも高い | 2~3件目を目指す投資家 |
| 30~40% | 60~70% | 金融機関の信頼度アップ、返済比率が安定 | 自己資金拘束が強くなる、資金効率やや低下 | 安定志向の中堅層 |
| 50%以上 | ~50% | キャッシュフローが非常に安定、リスク低 | レバレッジ効果が薄く、資産拡大のスピード鈍化 | 安定収入があり長期運用を狙う人 |
まとめ
不動産投資では自己資金が多ければ、審査が通りやすくなり、トータルコストが抑えられるなどのメリットがあります。
一方、自己資金を入れすぎると、手元資金が少なくなり、借金によるレバレッジ効果が小さくなるなどのデメリットもあるため、バランスが重要です。
「自己資金2:借入8」から「自己資金3:借入7」程度の比率が、一つの目安となります。
Q&A
Q1 不動産投資に自己資金はいくら必要?
A1 「自己資金2:借入8」から「自己資金3:借入7」程度が現実的な目安となります。少なくとも、物件価格の10~20%程度と見積もっておくようにしましょう。
Q2 不動産投資で自己資金を入れすぎることのメリットとデメリットは?
A2 自己資金を多くすると、審査が通りやすくなり、トータルコストを抑えやすくなるといったメリットがあります。一方、手元資金が少なくなり、借金によるレバレッジ効果が小さくなるなどのデメリットもあります。
Q3 自己資金なしでも不動産投資は始められますか?
A3 フルローンやオーバーローンを使えば不可能ではありませんが、ローン審査が厳しくなり、金利が高く設定されるなど、不利になる点は否めません。









