更新日:2025.9.29

個人向け国債とは?デメリットや購入方法は?

個人向け国債とは?デメリットや購入方法は?

個人向け国債に興味があるものの、「個人向け国債のデメリットって?」「個人向け国債の購入方法は?」など、お困りではありませんか?

個人向け国債は、元本保証がされていて、株や投資信託のように損をすることはない安全資産です。

ただ、個人向け国債は、昨今のインフレや金利上昇局面では、実質的に資産が目減りしてしまう点に注意が必要です。

本記事では、個人向け国債の仕組みや3タイプの比較、個人向け国債のデメリット、個人向け国債の購入方法、新窓販国債や物価連動国債についても解説しています。

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個人向け国債とは?

個人向け国債はどんな仕組みの投資か?

個人向け国債は、日本国が発行する国債の中でも、個人投資家が安心して購入できるよう設計された金融商品です。

「満期まで保有すれば元本保証」となっており、国が発行しているため信用度が極めて高く、投資初心者でも取り組みやすい運用先です。

また、最低購入額は1万円からと少額から始められるため、安全性と手軽さの両面を兼ね備えた金融商品といえます。

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種類と利率別、3タイプを比較

どのような種類がある?

個人向け国債には、利率の設定方法と満期までの期間によって「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあります。
● 変動10年型:満期は10年。半年ごとに市場金利を反映して金利が変動しますが、最低金利0.05%が保証されています。

● 固定5年型:満期は5年。購入時に決まった利率が満期まで固定されます。

● 固定3年型:満期は3年。固定5年と同様に利率は固定ですが、期間が短いためやや低めに設定される傾向があります。

分類 変動10年 固定5年 固定3年
金利 変動金利(半年ごとに見直し) 固定金利 固定金利
適用金利 基準金利×0.66 基準金利-0.05% 基準金利-0.05%
下限金利 0.05%
利払い 半年ごとに年2回(毎年の発行月および発行月の半年後の15日)
購入単価(発行価格) 最低1万円から1万円単位(額面100円につき100円)
償還価格 額面100円につき100円(中途換金時も同じ)
発行頻度 毎月(年12回)
中途換金 発行後1年経過すれば、いつでも中途換金が可能。
直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる。

※出典:財務省「個人向け国債窓口トップページ」

なお、適用金利は国が決定するため、金融機関によって異なることはなく、どこで買っても同じ金利が適用されます。

中途換金は1年経過すればいつでもできますが、中途換金の特例として、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けられた場合、もしくは保有者本人が亡くなった場合には、中途換金禁止期間中であっても中途換金が可能です。

中途換金時には直近2回分の利子が差し引かれますが、換金手数料などは発生しません。

利率はどのくらいで決まるのか?

個人向け国債の利率は、市場金利を基準に決定されます。

変動10年型の基準金利は、「利子計算期間開始日の前月までの最後に行われた10年固定利付国債の入札における平均落札利回り」×0.66%で決まります。

変動10年型は、半年ごとに市場の動きに応じて利率が見直される仕組みで、低金利環境下でも「最低0.05%」の保証があるため元本割れの心配がありません。

固定型(3年・5年)の基準金利は、「募集期間開始日の2営業日前において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年または3年の固定利付国債の想定利回り」から0.05%を引いた値となります。

固定型(3年・5年)は、発行時点の金利水準が満期まで継続し、通常は長期の方が利率がやや高めに設定されます。

金利上昇局面では変動型、金利が安定している局面では固定型を選ぶ、といった使い分けも可能です。

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デメリットについて

デメリットやリスクには何があるのか?

個人向け国債は「元本保証」される安全資産ですが、いくつかのデメリットやリスクも存在します。

まず、銀行預金よりは利回りが高いものの、株式や投資信託のように劇的なリターンを狙える商品ではありません。

個人向け国債は「守りの資産」であり、資産を増やす用途では全く期待できない点を留意しておくようにしてください。

また、満期を迎える前に中途解約する場合、直前2回分の利息が差し引かれてしまうため、途中解約は実質的に損失につながるケースもあります。

個人向け国債の中途換金時の計算式は、次のようになっており、差し引かれる「中途換金調整額」は直近2回分の利子を基に計算されます。

● 個人向け国債の換金額=額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額

さらに、注意すべきはインフレリスクです。

物価が上昇すると、国債の利息よりも物価上昇率が高くなり、結果として実質的な資産価値が目減りする可能性があります。

日本を含めた世界では、2022年以降はインフレが進行し、日本でも「金利がある世界」が復活してきています。

インフレと高金利下の状況では、個人向け国債はおすすめできる金融商品ではないと言わざるを得ません。

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購入方法について

どこで購入するのか?

個人向け国債は、銀行や証券会社などの金融機関を通じて簡単に購入できます。

大手銀行や地方銀行、総合証券やネット証券など幅広い窓口で取り扱われており、申込方法は対面手続きだけでなく、インターネット取引に対応しているところも増えています。

なお、個人向け国債は国が発行する商品であるため、どの金融機関で購入しても適用される金利条件は同一です。

つまり「この銀行で買う方が有利」ということはなく、窓口の使いやすさや普段利用している金融機関との相性を基準に選べば問題ありません。

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その他の国債

新窓販国債とは?

新窓販国債(しんまどはんこくさい)は、金融機関の窓口を通じて販売される国債で、主に個人投資家や法人が購入できる商品です。

2年・5年・10年の3種類があり、いずれも利率は発行時に固定される「固定金利型」です。

毎月発行されますが、金利水準等から発行されない月もあります。

購入単位は5万円単位となっており、利払いは年2回です。

個人向け国債と異なり、元本保証の仕組みや中途換金制度はなく、途中売却する場合は市場でいつでも市場価格で売却できますが、市場価格に応じて損益が発生する点に注意が必要です。

つまり、国債市場での取引を意識する必要があり、個人向け国債に比べるとややハードルは高めといえます。

ただし、金融機関によってはキャンペーンを通じて販売されるケースもあり、大口投資家にとっては利便性の高い商品でもあります。

安全性は国が発行するという点で高いものの、金利変動リスクを伴うため、購入時には保有期間や売却タイミングをしっかり考慮することが求められます。

個人向け国債と新窓販国債の違いは、次のようになります。

分類 個人向け国債 新窓販国債
購入対象者 個人のみ 制限なし
償還期限 3年・5年・10年 2年・5年・10年
金利 3年・5年は固定金利、10年は変動金利 固定金利
発行頻度 毎月 毎月
申込単位 1万円 5万円
発行価格 額面100円につき100円 発行時に財務省が決定
購入限度額 制限なし 1回あたり3億円まで
中後換金 発行後1年経過後に額面金額で中途換金可能(直前2回分の利子が差し引かれる) いつでも市場価格で売却可能

※出典:財務省「新窓販国債トップページ」

物価連動国債とは?

物価連動国債は、その名の通り、「物価(消費者物価指数:CPI)」に応じて元本や利息が変動する国債です。

通常の固定利付国債は発行時に利率が決まりますが、物価連動国債ではインフレが進行すると元本額が増加し、それに連動して利息も増える仕組みになっています。

これにより、インフレ環境下でも実質的な購買力を守れる点が大きな特徴です。

逆にデフレ局面では元本が減少する可能性がありますが、個人投資家向けには元本保証(フロア)が設けられており、発行時の元本を下回ることはありません。

ただし、物価連動国債も市場で売却する場合は価格変動リスクを負うため、途中売却時には損失が出る可能性があります。

長期的にインフレリスクから資産を守りたい人にとって有効な選択肢であり、株式や債券に加えた分散投資の一環として組み込むことで、ポートフォリオの安定性を高めることができます。

物価連動債についてまとめると、次のようになります。

物価連動国債
満期 10年
連動する物価指数 全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)
元本保証 額面金額まで
発行日 毎月10日
最低額面金額 10万円
表面利率 0.1%単位(イールド・ダッチ方式では入札により決定し、価格ダッチ方式ではオファー時に財務省が決定)
最低利率 0.005%
利払日 発行日の属する月から満期までの6か月毎の10日

※出典:財務省「物価連動国債の商品設計」

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まとめ

個人向け国債は、代表的な「守りの資産」であり、元本割れの心配がない安全資産です。

個人向け国債は、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、いずれも銀行や証券会社、ネット証券などで購入可能です。

ただ、個人向け国債は、昨今のインフレや金利上昇には弱く、本格的な資産形成には向かない点には注意が必要です。

Q&A

Q1 個人向け国債とは?
A1 日本が発行する国債の中でも、個人投資家が安心して購入できるよう設計された金融商品です。「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3タイプがあり、いずれも元本割れの心配がない安全資産です。

Q2 個人向け国債のデメリットは?
A2 あくまで「守りの資産」であり、資産を増やすことには向いていません。特に、昨今のインフレや金利上昇局面では、実質的な資産価値が目減りしやすくなっています。

Q3 個人向け国債の購入方法は?
A3 個人向け国債は、銀行やネット証券などの金融機関を通じて簡単に購入できます。どの金融機関で購入しても適用される金利条件は変わりません。

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