更新日:2025.6.25

保険による資産運用ってどう?リスクと保険商品の選び方

保険による資産運用ってどう?リスクと保険商品の選び方

保険による資産運用について検討しているものの、「保険による資産運用にはどういうものがあるの?」「保険による資産運用のリスクって?」など、疑問に思う方も少なくないのではないでしょうか。
変額保険や終身保険などは、死亡保障を受けながら、同時に資産形成が可能な保険商品となっています。
ただ、保険による資産運用は保険料や手数料が高く、掛け捨て型の定期保険+新NISAによる投資信託運用に比べると、合理的とは言えない面があります。
本記事では、保険による資産運用の仕組みや特徴、投資型保険のデメリット、新NISAで投資信託を運用した場合の比較について解説しています。

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保険を活用した資産運用の基本

保険による資産運用とは何か?仕組みと特徴

保険による資産運用とは、保障機能と貯蓄・投資機能を兼ね備えた保険商品を活用した資産形成です。

万一の際の死亡保障を確保しつつ、中長期的な資産形成を目指せるのが特徴となっています。

主な商品としては、変額保険・終身保険・養老保険などがあります。

変額保険は、ハイリスク・ハイリターン型の保険商品です。保険料の一部が株式や債券などの投資信託で運用され、運用成績によって満期時の受取額が変動します。

終身保険は、貯蓄性もありながら、死亡保障も受けられる生命保険です。死亡保障が一生涯続き、一定の解約返戻金もあり、長期的な資産の保全に向いています。

養老保険は、一定期間の保障があり、満期まで生存すれば満額が返ってくるタイプの保険です。貯蓄型保険としての性格が強く、保険付き定期預金のような感覚で使えます。

項目 変額保険 終身保険 養老保険
保障期間 有期型・終身型 終身 一定期間(満期あり)
資産運用リスク 高(投資信託による変動あり) 低〜中(固定利率や積立運用) 低(満期金が確定している場合が多い)
貯蓄性 高(運用成績次第) 中(長期保有で返戻率が上がる) 高(満期金を狙える)
解約返戻金 あり(元本割れの可能性あり) あり(加入期間による) あり(基本は満額)
向いている人 運用リターンを狙いたい人 長期で資産を保全したい人 将来の確実な資金を用意したい人

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投資型保険のデメリット

投資型保険のデメリットで理解しておくべき重要な点は?

変額保険などの投資型保険は、保障と資産運用を兼ねた保険商品ですが、デメリットも少なくありません。

第一に、手数料が高くなっています。

具体的には、販売手数料や保険管理費、投資信託運用の信託報酬など、見えにくい形で多重に費用が引かれるため、実質的な利回りが想像以上に低下するケースが少なくありません。

また、費用構造が非常に複雑で、一般の投資初心者には中身を理解しにくい点もリスクです。

さらに、投資型保険は流動性が低い点もデメリットの一つです。長期保有せずに途中解約した場合の解約返戻金が低いため、元本割れのリスクが高まります。

より合理的に資産を増やしたいのであれば、掛け捨て型の定期保険や収入保障保険で必要な保障だけ確保し、浮いた資金を新NISAで運用する方が効果的だと言わざるを得ません。

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保険による資産運用の種類と特徴

資産運用におすすめの保険商品とその選び方

資産運用を目的とした保険商品としては、変額保険以外にも、外貨建て保険や個人年金保険などがあります。

外貨建て保険は、米国ドル(USD)などの外貨で運用する保険です。高金利の外貨で運用するため高利回りが期待できますが、為替リスクが伴います。

円安になった場合には為替差益として収益にプラスになりますが、円高になった場合には為替差損として収益にマイナスになる点に注意が必要です。

個人年金保険は、自分で計画的に老後資金を準備するための私的年金商品です。「確定年金」「終身年金」「有期年金」の3種類があり、個人年金保険料控除による税制優遇もあります。

項目 変額保険 外貨建て保険 個人年金保険
特徴 投資信託で運用、保険金・解約金は変動 高金利の外貨で運用 老後資金を準備する積立型の保険
メリット 高リターンが期待できる 高利回りが期待でき、円安になると為替差益 個人年金保険料控除による税制優遇あり
デメリット 元本割れ・手数料高・複雑な仕組み 円高になると為替差損となる リターンは限定的、中途解約で損失が出やすい
向いている人 長期運用でリターンを狙いたい人 円安リスクをヘッジしたい人 確実に老後の備えをしたい人

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保険と他の投資商品の比較

保険による資産運用と投資信託はどちらが有利か?

保険による資産運用と、投資信託による資産運用とでは、総合的に見て、投資信託による資産運用の方が圧倒的に有利と言わざるを得ません。

保険による資産運用は「変額保険」、投資信託による資産運用は「新NISAによる投資信託運用」で、実際に比較してみましょう。

制度面から比較してみると、次のようになります。

項目 保険による資産運用(変額保険) 投資信託による資産運用(新NISA)
手数料 大きい 無料
税制 生命保険料控除で掛金を所得税・住民税から控除 運用益が一生涯非課税
流動性 低い 高い(いつでも換金可能)
死亡保障 あり なし

変額保険には死亡保障がある点だけは優れていますが、掛け捨て型の定期保険で浮いたお金を新NISAで運用すれば、より安く死亡保障を受けながら運用可能です。

リターンについては、新NISAの人気商品となっている投資信託、「オルカン」こと全世界株式型インデックス投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近5年間リターンは+151.78%です(2025年5月末時点)。

変額保険でも、全世界株式型で運用できるものがありますが、手数料(信託報酬)が非常に高くなっています。

ソニー生命の変額保険「バリアブルライフ変額保険(終身型)(無配当)」を見てみると、組み込まれている2つの世界株投資信託(「ワールドエクイティ・ファンドVL<適格機関投資家限定>」「グローバル・クオリティ・ファンドSL」)の信託報酬は、それぞれ0.22%、0.594%となっています。

一方、新NISAで人気の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は0.05775%となっており、ほぼ5分の1〜10分の1です。

変額保険の投資信託と、新NISAの投資信託が同じリターンを出したとしても、手数料がこれだけ違うと、リターンに与える影響は大きくなります。

さらに、新NISAで運用した場合には運用益が一生涯非課税となりますが、変額保険で受け取った運用益は一時所得として総合課税の対象となります。

資産運用を考えた場合、変額保険と新NISAとの比較では比べものにならないほど大きな差があると言わざるを得ません。

保険での資産運用が適している人・適していない人

証券会社で新NISAを開設できる場合には、保険による資産運用よりも、定期保険+新NISAの組み合わせの方が圧倒的に合理的です。

ただ、自分で運用するのが難しい人や、習慣的な貯蓄性を求める人には、保険による資産運用も検討の余地があります。

保険料として毎月強制的に積み立てができることは、保険による資産運用のメリットの一つです。

ただ、新NISAでは、つみたて投資枠を使えば、人気のオルカンや米国株投信(S&P500やNASDAQ100指数など)で、定期的に毎月積み立てが可能です。

保険による資産運用は、自分で新NISAで積み立てができない分の手数料が上乗せされた金融商品と言わざるを得ません。

昭和の時代とは違い、新NISAが始まった令和の現代においては、保険と投資は分けて考えるべきという考え方が主流となっています。

保障は掛け捨て型の定期保険や収入保障保険などでコストを抑え、その分の浮いたお金を新NISAやiDeCoを使って投資信託で運用する方が合理的です。

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保険資産運用の注意点とリスク管理

保険による資産運用でよくある失敗例とその対策

保険を使った資産運用で失敗する多くのパターンは、「仕組みを理解せずに契約してしまう」ことに起因します。

営業担当者の説明不足や、聞き手側の確認不足によって、保障部分にかかるコストや運用部分のリスクが十分理解されず、想定外の元本割れや運用成績の低迷が起きるケースがあります。

特に、変額保険や外貨建て保険では、市場変動や為替変動によって元本が減少するリスクがあるため、納得がいくまで説明を聞くようにしましょう。

途中解約による大幅な元本割れは、代表的な失敗例です。

例えば、個人年金保険の解約返戻金の目安としては、次のようになっていることが多いです(30歳加入時の場合)。

解約年 解約返戻金率
1年 60%
3年 82%
5年 90%
10年 94%
15年 96%
20年 98%
25年 99%
30年 100%

このように、最低でも20年以上の長期契約をしていないと、元本割れする保険商品は少なくありません。

少なくとも、契約前には、契約概要や注意喚起情報をしっかり読み込むことが、失敗を防ぐための第一歩となります。

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まとめ

変額保険に代表される、保険による資産運用は、死亡保障を受けながら資産運用ができる保険商品となっています。

ただ、保険による資産運用は、保険料・手数料ともに高額となっているのが現実です。

自分の手で運用できるなら、「掛け捨て型の定期保険+新NISAで投資信託」を運用した方が、圧倒的に合理的と言わざるを得ません。

Q&A

Q1 保険による資産運用のリスクとは?
A1 保険料・手数料ともに非常に高額な点が挙げられます。また、早期解約時には元本割れとなりやすくなります。

Q2 保険による資産運用をすべき人とは?
A2 貯蓄する習慣がない人や新NISAをするのが難しい人が挙げられます。自分の手でできるなら、「掛け捨て型の定期保険+新NISAで投資信託運用」の方が圧倒的に合理的と言えます。

Q3 保険による資産運用をする場合の注意点は?
A3 早期解約すると解約返戻金がほとんど戻ってこない点には注意が必要です。長期契約が前提となります。

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