更新日:2025.6.24
民泊投資ってどう?儲かるのか?

民泊投資を考えているものの、「民泊投資って儲かるの?」「民泊投資のリスクや注意点とは?」など、疑問に思っている方も少なくないのではないでしょうか。
民泊投資は不動産投資の一形態です。アパートやマンションなど通常の賃貸経営に比べると短期向けの経営となり、ハイリスク・ハイリターンとなることが特徴です。
民泊投資は成功していれば高利回りが期待できますが、どうしても不安定になりやすく、民泊特有のリスクも少なくありません。
本記事では、民泊投資の仕組みや収益構造、民泊投資と通常の賃貸経営の違い、民泊投資の失敗事例やリスクヘッジの方法などについて解説しています。
Contents
民泊投資の基本と市場環境
民泊投資とは何か?仕組みと収益構造
民泊投資とは、住宅やマンションの一室などを短期的に貸し出して収益を得る不動産投資手法の一つです。
Airbnbなどのプラットフォームを通じて、国内外の旅行者をターゲットにした運営が主流となっています。
民泊は、マンションやアパートなど通常の長期賃貸よりも1泊あたりの単価が高く、稼働率によっては高収益も狙えるのが特徴です。
ただ、清掃コストや運営手数料、法的手続きや近隣住民とのトラブル対策など、通常の賃貸経営にはない民泊特有のリスクも伴います。
民泊は、立地や観光需要に左右されやすく、運用にはホテル業に近い経営感覚が必要です。
民泊と通常の賃貸経営の違い
民泊と通常の賃貸経営の主な違いは、次の通りです。
項目 | 民泊投資 | 通常の賃貸経営 |
---|---|---|
契約期間 | 短期(1日〜30日程度) | 長期(1年以上) |
収益の安定性 | 稼働率により変動が大きい | 安定しやすい |
管理の手間 | 多い(清掃・鍵渡し・レビュー対応など) | 比較的少ない |
法的規制 | 特区・住宅宿泊事業法など制限あり | 比較的整備されている |
立地の影響 | 観光地・交通アクセスが重要 | 周辺住環境・通勤利便性 |
初期費用・運営コスト | 高め(家具・備品・清掃費用など) | 低め(保証会社・敷金礼金など) |
ターゲット層 | 観光客・出張者など | 単身者・ファミリーなど |
民泊は、ハイリスク・ハイリターンとなっており、立地条件やターゲット層にいたるまで、通常の賃貸経営とはまったく異なる点が多くなっています。
民泊投資の失敗事例と教訓
民泊投資で失敗する典型的なパターンとその原因
民泊投資は高収益が見込める一方、思わぬ支出やトラブルも多く、民泊特有の失敗リスクが数多くひそんでいます。
特に民泊で多いのが、「法規制の理解不足」によるトラブルです。
住宅宿泊事業法(民泊新法)や特区民泊、旅館業法など、各自治体によって適用されるルールが異なり、無許可営業が発覚すれば、即時営業停止や罰則の対象になります。
また、民泊の収益は稼働率に大きく左右されるため、「常に満室(稼働率100%)」といった甘い想定で収支見積もりを立ててしまうと、実際の運用で赤字に陥るケースも少なくありません。
特に、新型コロナウイルスによって観光客が激減した2020年から2022年頃に掛けては、稼働率0%もザラとなり、多くの民泊投資家が苦境に立たされました。
民泊投資のリスク軽減策とは?
民泊投資では、事前にリスク管理の対策をしておくことが、成功の鍵となります。
まず、法的リスクへの対策は、最優先で取り組むべき課題です。
営業許可の取得だけでなく、近隣住民への説明や騒音対策など、運用上のコンプライアンスを常に意識するようにしましょう。
次に、稼働率の低下リスクに備えるためには、複数の予約サイト(Airbnb、Booking.com、楽天ステイなど)への掲載や、繁忙期に合わせた価格戦略(ダイナミックプライシング)の導入も有効です。
また、清掃業務やゲスト対応の外注先を確保しておくことで、運営の質を維持しやすくなります。
その上で、最悪の場合でも、損失を最小限に抑える出口戦略を準備しておくことも重要です。
具体的には、「通常の賃貸物件としての転用が可能な立地・間取りを選ぶ」「収益が出なくなった際にも、すぐに売却できる流動性の高いエリアを選ぶ」など、投資の柔軟性を確保しておくようにしましょう。
最初から民泊専業ではなく、副業的に始めることもリスクヘッジの一環になります。
民泊投資の利回りと収益性
民泊投資の利回りはどの程度期待できるのか?
民泊投資は、うまく運用できれば、通常の賃貸経営を上回る利回りが期待できることは確かです。
民泊の1日当たりの収益は通常の賃貸料よりも高いため、観光需要の高い都市圏や人気観光地で稼働率70〜90%以上を超えれば、実質利回りであっても10%以上を狙えるケースもあります。
一方、住宅地など、観光需要が乏しいエリアでは稼働率が50%未満となることもあり、通常の賃貸経営よりも収益が不安定になるリスクを常にはらんでいます。
民泊は、旅行者向けに短期の賃貸を回していくビジネスモデルである以上、アパートやマンションなど長期の賃貸経営に比べると、不安定なのは避けられません。
また、民泊では、家具・備品の導入や清掃、集客などの運営費がかかる点にも注意が必要です。
民泊と通常の賃貸経営の収益構造の違い
民泊と通常の賃貸経営について、収益構造の違いについてまとめると次のようになります。
項目 | 民泊投資 | 通常の賃貸経営 |
---|---|---|
表面利回り | 8〜20%程度 | 4〜7%程度 |
実質利回り | 5〜12%程度 | 3〜6%程度 |
主な収入変動要因 | 稼働率・宿泊単価・季節・レビュー | 入居率・家賃相場・空室期間 |
初期投資コスト | 高め(家具・清掃設備など) | 比較的低コスト(内装など) |
管理コスト | 高い(清掃・予約対応など) | 低め(管理会社委託が主流) |
安定性 | 不安定(繁閑差・外部リスクあり) | 比較的安定(長期契約が前提) |
民泊は、通常の賃貸経営に比べて、ハイリスク・ハイリターンな不動産投資となっています。
民泊投資の収益性は、立地・季節・集客力・レビュー評価・プラットフォーム手数料・近隣競合の数といった複数要因により大きく変動します。
民泊投資会社との付き合い方
信頼できる民泊投資会社の選び方と注意点
民泊投資の成否は、どの運営代行会社や投資会社とパートナーを組むかによって大きく左右されます。
民泊投資会社を選ぶ際には、過去の稼働率実績や運営物件数、カスタマー対応の品質、緊急時のトラブル対処体制など、実績に裏打ちされた信頼性をチェックしておくようにしましょう。
契約前には、以下の点を必ず比較するようにしてください。
● 手数料体系:予約ごとの変動制か固定制か
● サポートの範囲:集客、清掃、備品補充など
● プラットフォーム連携状況:どの予約サイトに対応しているか
また、契約書に記載された中途解約条項、運営責任の所在、オーナー側の義務などもトラブル回避のために確認が必要です。
中には、実態と異なる稼働率を提示して契約を迫る業者もいるため、複数社の話を聞いて冷静に比較する姿勢が求められます。
民泊可能物件の探し方と選定基準
民泊可能物件の効率的な探し方とは?
民泊投資を成功させるためには、民泊可能物件をいかに効率的に見つけるかも重要です。
まず、対象物件が、民泊営業可能なエリア・条件を満たしているかを確認する必要があります。
具体的には、用途地域(住居専用地域では民泊ができない場合があります)、建築基準法上の制約(避難経路や消防法規など)に加え、分譲マンションなどの場合は管理規約で民泊を禁止していないかも事前に確認するようにしましょう。
物件検索には、通常の不動産ポータルサイトを使ってもよいですが、民泊可能物件に特化した専門サイトを併用することで、絞り込みが効率的になります。
また、不動産会社に「民泊可能物件を探している」と伝えると、非公開物件を紹介してもらえるケースもあります。
ただ、民泊に限らず、あらゆる不動産投資において共通していますが、周辺の騒音や治安、近隣住民とのトラブルリスクなどは、オンライン検索だけでは分かりません。
民泊投資の場合にも、実際に物件周辺の情報を自分の目で見て調べる「現地調査」が欠かせません。
民泊投資に適した物件の条件と立地選定のコツ
民泊で安定収益を得るには、短期旅行者にとって宿泊ニーズが高く、高稼働率が見込める立地・物件を選定することがカギとなります。
具体的には、観光地やビジネス街といった需要の高いエリアが有利です。
また、最寄駅から徒歩5分以内など、交通アクセスの良さも高稼働を支える重要な要素です。
物件条件としては、間取りや広さ、Wi-Fiやエアコン、セキュリティといった設備の充実度がゲストからの評価に直結します。
特に、ファミリー層向けには、複数人が宿泊できる2LDK以上の物件が好まれる傾向があります。
さらに、近隣にコンビニや飲食店、観光スポットがあるかなど、宿泊者にとって便利な周辺環境も重要な評価点です。
競合の多い地域では、レビュー対策やリピーター戦略も必要となるため、特殊なデザインや設備といった差別化できるポイントを備えることも、収益増加のためのポイントとなります。
まとめ
民泊投資は、アパートやマンションなどの通常の賃貸経営と比べると、ハイリスク・ハイリターンな不動産投資となっています。
民泊は、高稼働率を維持できれば、高い実質利回りを実現可能です。
ただ、民泊は短期旅行者向けに回していくビジネスモデルである以上、長期の賃貸経営に比べると不安定なのは避けられず、騒音対策など民泊特有のリスクも少なくありません。
Q&A
Q1 民泊は儲かるのか?
A1 高稼働率を実現できれば、高利回りが期待できます。ただ、短期旅行者向けに回していくビジネスモデルである以上、不安定なは避けられません。
Q2 民泊特有のリスクとは?
A2 稼働率が不安定化しやすく、初期投資や管理コストも高い点などが挙げられます。騒音トラブルなど、民泊特有のトラブルもあります。
Q3 民泊投資で成功するポイントは?
A3 高稼働率を見込める立地条件がとにかく重要です。設備や周辺店舗なども、レビュー対策において重要なポイントになります。