更新日:2025.7.23
会社員でもiDeCoはやるべきなの?節税効果と注意点
会社員でiDeCoを検討しているものの、「会社員でもiDeCoはやるべき?」「会社員のiDeCoの節税効果は?」「会社員におすすめの商品は?」など、お困りではありませんか。
会社員がiDeCoを活用すれば、節税効果を受けながらS&P500指数やオルカンで資産形成できるため、利用しない手はありません。
これまでDB(確定給付企業年金)やDB+企業型DCに加入している会社員は月1.2万円が上限でしたが、2024年12月より月2万円へ引き上げられたため恩恵を受けやすくなりました。
本記事では、会社員とiDeCoについて、会社員が享受できるiDeCoの節税メリット、会社員におすすめのiDeCo商品などについて解説しています。
Contents
会社員がiDeCoに加入できる条件とは

会社員は誰でもiDeCoに入れるのか?
原則として、厚生年金に加入している会社員であれば、誰でもiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できます。
ただ、勤務先が導入している企業年金制度の内容によって、iDeCoへの加入可否や掛金上限が変わってくるため注意が必要です。
たとえば、DB(確定給付企業年金)や企業型DC(確定拠出年金)といった制度が導入されている場合、会社員個人がiDeCoに拠出できる金額に制限が設けられています。
また、企業型DCに加入している場合は、勤務先の制度が「iDeCoとの併用を認めている」必要があります。
併用不可とされている企業も少なからず存在するため、まずは人事部門に確認してみてください。
なお、iDeCoと、DB(確定給付企業年金)や企業型DC(確定拠出年金)、中退共(中小企業退職金共済)には制度間の移管制度があります。
| DB | 企業型DC | iDeCo | 中退共 | |
|---|---|---|---|---|
| DB | ○ | △(企業規約による) | ○ | △(企業規約による) |
| 企業型DC | ○ | ○ | ○ | △(企業規約による) |
| iDeCo | ○ | ○ | - | × |
| 中退共 | △(企業規約による) | △(企業規約による) | × | ○ |
iDeCoと中退共は、移管できない点に注意しておいてください。
掛金の上限と制度の仕組み

会社員のiDeCo掛金上限はいくらなのか?
勤務先の企業年金制度によって、iDeCoの掛金上限額が異なります。
企業年金に加入していない会社員であれば、月2.3万円(年27.6万円)まで拠出可能です。
企業型DCのみがある場合は、月2万円(年24万円)が上限となります。
かつては、DB(確定給付企業年金)やDB+企業型DCに加入している会社員は月1.2万円が上限でしたが、2024年12月の制度改正により、月2万円(年24万円)へと引き上げられました。
| 企業年金制度 | iDeCo月額上限 | iDeCo年額上限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 企業年金なし | 月2.3万円 | 年27.6万円 | |
| 企業型DCのみ | 月2万円 | 年24万円 | |
| DB、DB+企業型DC | 月2万円 | 年24万円 | 2024年12月より月1.2万円から引き上げ |
節税メリットと将来の資産形成

iDeCoは会社員にとって節税になるのか?
iDeCoのメリットとして、3つの税制優遇効果があります。
● 掛金は全額が所得控除の対象となる
● 運用益は非課税となる
● 受け取り時に公的年金等控除・退職所得控除を受けられる
特に、1つ目のiDeCo掛金が全額「所得控除」の対象となる点が、会社員にとっては新NISAにはないメリットです。
iDeCoでは口座維持手数料が発生しますが、所得控除だけでも簡単に元を取れてしまう計算です。
会社員が月額2万円を拠出した場合、年間で24万円が所得から控除されます。
より具体的な節税効果としては、24万円×所得税率が控除されます。
たとえば、年収500万円(課税所得330万円〜695万円)の方が年間24万円を拠出すれば、所得税20%と住民税10%を合わせて、7万2,000円の節税効果が期待できます。
これは実質的に、投資の初期段階から“税金分のリターン”を得ているのと同じです。
さらに、iDeCoでは運用益も非課税で再投資されるため、長期的に複利効果が働きやすくなります。
受け取り時には課税がありますが、退職所得控除・公的年金等控除の枠内であれば税負担を軽減できる場合も多く、トータルで見れば非常に有利です。
節税しながら将来の資産形成ができる点で、会社員がiDeCoを活用しない手はないでしょう。
会社員のiDeCo手続きの流れ

iDeCoの申し込みはどうやって進めるのか?
iDeCoを始めるには、まず金融機関で「iDeCo専用口座」の開設が必要です。
証券会社や銀行などから自分に合った金融機関を選び、申込書を取り寄せます。
その後、本人確認書類とともに、必要事項を記入した申込書を提出しますが、会社員の場合は「事業主証明書」の提出が求められる点に注意が必要です。
「事業主証明書」は、勤務先の人事や総務を通じて取得する必要があり、社内での手続きを要するため、スムーズに進めるためには事前に会社に確認しておくのがよいでしょう。
申請から実際の拠出が始まるまでには、1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。
会社員のiDeCoにおすすめの商品を解説!

会社員にはS&P500指数やオルカンがおすすめ
会社員がiDeCoで資産運用を行う際には、新NISAでも人気となっている「S&P500指数」や「オルカン」に連動する投資信託が有力な選択肢となります。
S&P500指数は、米国を代表する500銘柄の株式で構成されている時価総額加重平均型の米国株指数です。
オルカン(全世界株式投資信託)は、米国株を中心に、先進国から新興国まで幅広い国・地域に分散投資できる金融商品です。
いずれも時価総額加重平均型の指数のため、米国株のマグニフィセント7(NVIDIA、Microsoft、Apple、Amazon、Google、Meta、Tesla)を軸としたポートフォリオとなっています。
S&P500指数とオルカンが、新NISAとiDeCoでおすすめされる理由は次の通りです。
● 長期的に安定した成長と高いリターンを誇っている。
● 米国株を中心に500銘柄以上への分散投資によりリスクヘッジされている。
● 時価総額加重平均型のため産業構造の変化がポートフォリオに反映される。
● 人気のインデックス投信でスケールメリットにより信託報酬(ファンドへの手数料)が非常に安い。
● 外貨建て商品のため円安リスクに強い(円安時に為替差益となる)。
特に、日本でお金を稼いでいる会社員の場合、円安リスクに強いという点に注目してください。
S&P500指数やオルカンは外貨建て資産が中心であるため、円安リスク・日本経済の停滞リスクをヘッジしながら、世界経済の成長の恩恵を受けられます。
iDeCoでは、手数料の安いインデックスファンドを選ぶのがおすすめですが、その中でもS&P500指数とオルカンは中核商品として押さえておきましょう。
【3大ネット証券iDeCo】会社員におすすめの商品
会社員が、3大ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券)でiDeCoを始める場合に、おすすめの商品について紹介していきます。
低コストのインデックス投信から、高い成長性が期待できる商品を選びました。
| 証券会社 | iDeCo商品 | 商品の特徴 |
|---|---|---|
| SBI証券 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 新NISAでも人気の米国株インデックス投信 |
| 楽天証券 | 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 信託報酬が低いインデックス型の世界株投信 |
| マネックス証券 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 新NISAでも人気のインデックス型の世界株投信 |
SBI証券のiDeCoでは、オルカンについては「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」がなく、日本株を除外した「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」しかない点に注意が必要です。
※自社ファンド銘柄として「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(全世界株式))がありますが、信託報酬が高めな点がネックとなります。
楽天証券では、世界株投信「楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド」、米国株投信「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」のどちらかを選んでもよいでしょう。
マネックス証券では、新NISAでも人気のオルカン「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選べます。
長期運用と出口戦略

会社員がiDeCoの出口戦略をどう立てるべきか?
iDeCoの受け取りは、原則60歳以降に開始できます。
受け取り方法としては「一括受取」「年金受取」「一括と年金の併用」の3パターンがあります。
「一括受取」と「年金受取」は、適用される控除が次のように異なる点に注意が必要です。
| 受取方法 | 適用される控除 | 税制の特徴 |
|---|---|---|
| 一括受取 | 退職所得控除 | 退職金と合わせて、税負担が軽減される |
| 年金受取 | 公的年金等控除 | 公的年金と合わせて、控除を適用しながら分割で受け取れる |
退職金と公的年金の額によっては、iDeCoに適用する前に、退職所得控除と公的年金等控除を使い切ってしまう場合があるため注意が必要です。
例えば、退職金と同時にiDeCoを一括で受け取ると、退職所得控除を使い切ってしまい、税金が増える場合もあります。
老齢厚生年金などの公的年金が多い場合には、公的年金等控除をそれだけで使い切ってしまい、iDeCo分を減額できないケースがあります。
会社員の場合、退職金と公的年金の額もそれぞれに異なるため、個人差が大きくなります。
年金を繰下げ受給してiDeCo受取とズラすことによって節税できるケースが多々あるため、より詳しくはFPに相談するようにしてください。
まとめ
会社員は、iDeCoを利用することで、節税効果を受けながらS&P500指数やオルカンで資産形成できるため、使わない手はありません。
iDeCoでは口座維持手数料が発生しますが、所得控除だけでも簡単に元を取れてしまいます。
Q&A
Q1 会社員でもiDeCoはやるべきですか?
A1 所得控除の恩恵を受けながら、S&P500指数やオルカンで資産運用できるため、お得であることは確かです。
Q2 会社員もiDeCoの節税効果を受けられますか?
A2 所得控除の恩恵は確実に受けられます。ただ、会社員は退職金や年金には違いがあるため、iDeCoの受け取りについてはFPに相談することをおすすめします。
Q3 会社員におすすめのiDeCo商品は?
A3 新NISAでも大人気の「S&P500指数」「オルカン」のインデックス投信がおすすめです。









