更新日:2025.7.28

信託報酬の目安はどれくらい?商品選びで損しないための考え方

信託報酬の目安はどれくらい?商品選びで損しないための考え方

投資信託の信託報酬が気になっていて、「信託報酬の目安はどのくらい?」「インデックスファンドとアクティブファンドの違いとは?」など、疑問に思っていませんか。

信託報酬は投資信託の実質的な手数料であり、数十年の運用が前提となる新NISAやiDeCoにおいては最終的に大きな差となって現れてきます。

信託報酬の目安としては、新NISAの大人気商品となっている「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を基準に考えることがおすすめです。

本記事では、信託報酬の仕組み、信託報酬がリターンに与える影響、実際の商品で見る信託報酬の目安について解説しています。

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信託報酬の仕組み

信託報酬はそもそも何のためにかかるのか?

信託報酬とは、投資信託を運用・管理するために運用会社・販売会社・信託銀行に支払われる手数料です。「経費率」や「運用管理費用」と記載される場合もあります。

信託報酬は、ファンドの保有期間中ずっとかかり続け、投資家の資産から日々自動的に差し引かれています。

購入時や売却時にかかる手数料とは異なり、毎年一定の割合でかかる“固定費”と考えるべきです。

そのため、投資信託を選ぶ際には「何に投資するか」「リターンがどの程度期待できるか」だけでなく、「信託報酬がどれくらいかかるか」にも注目する必要があります。

特に長期投資を前提とする場合、信託報酬の差が最終的な資産形成に大きく影響するため、低コストで効率的に運用できる商品を選ぶ視点が重要です。

なお、投資信託に発生する手数料としては「購入時手数料」や「信託財産留保額」もあります。

「購入時手数料」はその名の通り、購入時に発生する手数料のことですが、徴収されない「ノーロード型」も増えてきており、新NISAのつみたて投資枠の対象商品は全てノーロード型です。

「信託財産留保額」は、投資信託を解約する際に投資家が支払う費用ですが、こちらも徴収されないタイプの投資信託が増えてきています。

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信託報酬の相場と商品タイプ別の目安

投資信託の信託報酬はどれくらいが目安になるのか?

投資信託の信託報酬は、運用スタイルや投資対象によって大きく異なります。

一般的に、インデックス型投資信託(インデックスファンド)は信託報酬が低くなっており、0.1〜0.3%程度が目安です。

一方、アクティブ型投資信託(アクティブファンド)は、ファンドマネージャーが市場を上回る成果を目指して積極的に運用するため、信託報酬も高めで、年0.7〜1.5%程度が標準的です。

近年は、インデックス型でもさらに低コストの信託報酬0.1%未満のファンドも登場しており、競争が激化すればするほど信託報酬が下がる傾向にあります。

重要な点としては、「信託報酬が高いからといって、リターンも大きくなるとは限らない」ということです。

特に、巨額資金を運用できるファンドの場合には、信託報酬が低くても十分な収益を確保できるため、安定運用しながら低い信託報酬を実現できるようになります。

これは、投資信託における「スケールメリット」や「規模の経済性」であり、一般投資家が生かさない手はありません。

人気商品の信託報酬は?

新NISAの中でも特に人気となっている投資信託の信託報酬を見ていきましょう。

米国株500銘柄から構成される「S&P500指数」に連動するインデックスファンドとしては、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が人気商品となっています。

オルカンこと全世界株式に投資するインデックスファンドとしては、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が人気です。

三菱UFJアセットマネジメントが運用する上記2商品は、新NISAを象徴する代名詞的な金融商品となっています。

投資信託 種類 信託報酬 直近5年間リターン(年率) 純資産総額
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 米国株投信(S&P500指数) 0.0814% +189.08%(年率+23.65%) 78,600億円
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 世界株投信(MSCI ACWI) 0.05775% +157.23%(年率+20.80%) 67,434億円

※データは2025年6月末時点。

いずれも信託報酬は0.1%未満となっていますが、直近5年間の年率は+20%を超えています。

ただ、S&P500指数もオルカンも、直近5年間では、新型コロナ相場や急激な円安による為替差益を多分に含んでいるため、非常に出来過ぎだったと認識するようにしてください。

今後期待する現実的な数値としては、年率+5〜10%程度です。

なぜ、新NISAでも大人気の三菱UFJアセットマネジメントの2商品は、これだけ安い信託報酬を実現できるのかというと、純資産総額の大きさにあります。

両投信ともに新NISAで大人気の商品のため、毎月1,000億円〜2,000億円ずつ資金が流入してきています。

ファンドの総資産が7兆円あれば、信託報酬が0.05775%だとしても、約40億円の手数料収入が入ってくる計算です。

これこそが「スケールメリット」による効果であり、ファンドはもちろん投資家にとってもWin-Winの関係になっています。

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信託報酬がリターンに与える影響とは

たった0.5%の違いでどれくらいの差が出るのか?

信託報酬が年0.5%違うだけでも、長期投資では最終リターンに大きな差が出ます。

たとえば、毎月5万円積み立てして、年利5%で30年間運用した場合、信託報酬が年0.2%の商品と0.7%の商品とでは、30年後の資産額には400万円近い差が出る計算です。

金融庁「つみたてシミュレーター」で、「毎月5万円積み立て」「30年間運用」は同条件として、信託報酬0.2%として年率4.8%で運用した場合には4,011万円、信託報酬0.7%として年率4.3%で運用した場合には3,662万円となります。

これは「複利効果」が影響しており、毎年のわずかなコストの差が累積していくためです。

投資成果を最大化するには、表面上のリターンを追うだけでなく、コストをいかに抑えるかも極めて重要なことが分かります。

信託報酬が高いからといってリターンが高いとは限らない

信託報酬が高いからといって、リターンが高くなるとは限らない点には注意しておきましょう。

これは実際の商品で比較してみれば明らかです。

世界株に投資する投資信託について、インデックスファンドの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、つみたて投資枠で投資できるアクティブファンドを比較してみましょう。

投資信託 ファンド種類 信託報酬 直近5年間リターン 純資産総額
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) インデックスファンド 0.05775% +157.23% 67,434億円
キャピタル世界株式ファンド アクティブファンド 1.701% +140.43% 8,856億円
セゾン資産形成の達人ファンド アクティブファンド 1.54% +101.42% 3,829億円
iTrust世界株式 アクティブファンド 0.913% +113.93% 122億円

※データは2025年6月末時点。

世界株投信のアクティブファンド「キャピタル世界株式ファンド」「セゾン資産形成の達人ファンド」「iTrust世界株式」は、いずれも「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の直近5年間リターンよりも低くなっています。

それでいて、アクティブファンドの信託報酬は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」よりも1%前後高くなっています。

投資信託においての一般論としては、「アクティブファンドの成績は、平均的にはインデックスに収束する。ならば、信託報酬が低いインデックスファンドに投資した方が、信託報酬分だけ有利である」というものです。

中には、アクティブファンドの選定ができるスキルを持った投資家もいますが、相応のスキルと経験が必要となるため、投資初心者は信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶのが基本となります。

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商品選びのときに確認すべきポイント

信託報酬はどこを見ればわかるのか?

信託報酬は、ファンドが公開している「交付目論見書」や証券会社のファンド詳細ページなどに記載されています。

正式な書類として確認するなら目論見書をチェックすると確実ですが、日常的に簡単に確認したい場合は、証券会社のファンドページで「信託報酬」や「実質コスト」といった項目を見るだけで十分です。

また、投資信託の名前でGoogle検索すれば、日本経済新聞社などの投資信託ページでも確認できます。

ただ、税込表示や税抜表示など、表記の違いがある点には注意しておいてください。

なお、信託報酬は変更されることもあるため、購入時だけでなく、保有期間中にも定期的に確認することをおすすめします。

投資スタイル別・信託報酬の許容ラインとは

つみたて投資枠やiDeCoでは信託報酬の基準をどう見るべきか?

新NISA(つみたて投資枠)やiDeCoは、数十年以上に渡っての運用が基本となるため、信託報酬の値が資産形成に直結します。

年0.2%未満が優良な低コスト商品とされており、特にインデックスファンドではこの水準を目安にするのが妥当だというのが、一般的な説明です。

現状では、人気商品の米国株投信「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は信託報酬0.0814%、オルカンこと世界株投信「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬は0.05775%です。

この2商品の信託報酬を、基準にして良いかと思います。

スケールメリットを最大限に生かせる「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の2商品よりも信託報酬が高いインデックスファンドは、買う理由が見当たらないためです。

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まとめ

信託報酬は投資信託の実質的な手数料であり、数十年の運用が前提となる新NISAやiDeCoにおいては最終的に大きな差となって現れてきます。

信託報酬の目安としては、人気商品の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を基準に考えることがおすすめです。

Q&A

Q1 信託報酬の目安は?
A1 人気商品の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は0.0814%、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は0.05775%となっています(2025年6月末時点)。

Q2 信託報酬がリターンに与える影響は?
A2 数十年の運用が前提となる新NISAやiDeCoにおいては最終的に大きな差となって現れてきます。

Q3 信託報酬が高いアクティブファンドはリターンも期待できる?
A3 インデックスファンドよりも信託報酬が大きいにも関わらず、リターンで負けているアクティブファンドは数多くあります。信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶことが基本です。

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