更新日:2026.3.3
リースバックとは?利用時に確認するポイントやデメリットは?
リースバックについて気になっており、「リースバックとは?」「リバースモーゲージとはどう違う?」「リースバックのデメリットとは?」など、疑問に思っていませんか。
リースバックは、自宅を不動産会社などに売却してまとまった現金を得た後に、賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら住み続ける制度です。
ただ、リースバックでは、不動産の売却価格が低くなる傾向があり、売却後には家賃を支払い続ける必要がある点などに注意が必要となります。
本記事では、リースバックの仕組みやリバースモーゲージとの違い、リースバックのデメリット、リースバック利用時のチェックポイントなどについて解説しています。
Contents
リースバックとは?

なぜ住み続けながら現金化できるのか?
リースバックは、自宅を不動産会社などに売却してまとまった現金を得た後、同じ物件について賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら住み続ける仕組みです。
所有権は買主へ移りますが、賃借人として居住を継続できるため、引っ越しをせずに資金調達が可能になります。
自宅を担保に借り入れを行う住宅ローンやリバースモーゲージと異なり、売却によって確実に資金を得られる点が特徴です。
生活環境や近隣関係を維持したまま老後資金や事業資金を確保できるため、住み替えが難しい高齢者や、早急に現金が必要な人にとって有効な選択肢とされています。
一方で、所有者ではなくなるため、売却後は家賃の支払いが発生する点などを理解しておく必要があります。
リバースモーゲージとリースバックの違いとは?
リバースモーゲージとリースバックはいずれも、自宅に住み続けながら資金を得られる点が共通していますが、仕組みや注意点は大きく異なります。
リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関から融資を受ける制度で、毎月の返済は利息のみ、または不要とされ、死亡時に自宅を売却して元本を返済するのが一般的です。
所有権は本人のまま残るため、「自宅を手放したくない人」に向いています。
ただし、融資額には上限があり、長生きリスクや不動産価値の下落により、途中で利用できなくなる可能性があります。
一方、リースバックは自宅を売却して現金化し、その後は賃貸として住み続ける仕組みです。
確実にまとまった資金を得られる反面、所有権は失われ、毎月の家賃負担が発生します。
資金確保の確実性を重視する人に向いた方法といえるでしょう。
| 項目 | リバースモーゲージ | リースバック |
|---|---|---|
| 資金の受け取り方 | 融資(借入) | 売却代金 |
| 自宅の所有権 | 本人のまま | 買主に移転 |
| 毎月の支払い | 利息のみ、または不要 | 家賃が必要 |
| 住み続けられるか | 可能 | 可能 |
| 利用条件 | 年齢制限や物件条件あり | 比較的柔軟 |
| 向いている人 | 自宅を手放したくない人 | 早期に確実な資金が必要な人 |
リースバックが選ばれる背景

老後資金や相続対策にどう活用される?
リースバックは、老後の生活資金を確保する手段として注目されています。
年金収入だけでは生活費や医療介護費用が不足する場合でも、自宅を現金化することで資金の余裕を持たせることができます。
また、売却によって不動産を現金に換えることで、資産の分割がしやすくなり、相続時のトラブル回避につながる点もメリットです。
特に、自宅以外に大きな資産がない家庭では、不動産の分け方を巡る争いが起きやすいため、生前に資産整理を行う手段として活用されることがあります。
ただ、不動産から現金にすることによって、相続税評価額が大きくなり相続税が増える可能性がある点には注意が必要です。
リースバックのデメリット

注意しておきたいデメリットとは?
リースバックのデメリットとしては、売却価格が市場相場より低くなる傾向があることが挙げられます。
買主側は、将来の価格変動リスクや管理コストを見込むため、通常の売却よりも価格が抑えられやすくなるためです。
また、売却後は賃貸契約となるため、毎月の家賃負担が新たに発生する点は見逃せないデメリットです。
年金生活者など収入が限られている場合、長期的には家計を圧迫する可能性があります。
さらに、不動産が自分の持ち物でなくなるため、設備を設置する場合にはリースバック事業者の承諾が必要になるなど、これまでと同じ使い方ができなくなる点にも注意が必要です。
加えて、賃貸契約が定期借家契約の場合には、契約期間満了時に更新できず退去を求められるリスクもあります。
「住み続けられる」と思っていたのに、将来的に住居を失う可能性がある点は、事前に十分理解しておくようにしましょう。
リースバックは、長期的には不動産会社に有利になる傾向があるため、すぐにでもまとまった現金が必要な場合を除くと、積極的に利用することはあまりおすすめできません。
リースバックを利用する際のチェックポイント

契約内容で必ず確認すべき点とは?
リースバックを利用する際に、契約内容で確認しておくべきチェックポイントを押さえておきましょう。
● 賃貸期間と更新の可否
普通借家契約なのか、定期借家契約なのかによって、将来の居住の安定性は大きく異なります。
また、更新時の条件や家賃の見直しルールが明記されているかも確認しましょう。
● 売却価格と月々の賃料
売却価格が低い一方で家賃が高い場合、トータルでは不利になるケースがあります。
● 退去時の条件や原状回復の範囲
退却時のトラブルを防ぐためにも、必ずチェックしておきましょう。
いずれも、口頭説明だけで判断せず、契約書に明記されているかを必ず確認し、不明点は専門家に相談する姿勢を持つことが重要です。
リースバックではトラブルも発生している
国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドライン」によると、リースバックを巡っては、次のようなトラブルが生じているケースがあります。
● 強引な勧誘で契約してしまい、後々解約を申し出たら高額な違約金を請求された。
● 支払賃料の合計額が数年で売却価格を超えることに後々気づいた。
● 市場での取引価格より著しく低額な代金で売却してしまった。
● 当初思っていた話と実際の賃貸借条件が違い、住み続けられなくなった。
このようなトラブルを避けるためにも、不動産取引およびリースバック取引において次のようなポイントを押さえておくことが重要です。
不動産取引におけるチェックポイント
● 不動産業者や金融機関など複数の事業者に相談し、自分のライフプランに合った条件や手法を選びましょう。
● 契約の条件や内容をしっかり理解するためにも、契約を急かす営業トークを鵜呑みにせず、落ち着いて、後で家族に相談して決めると伝えましょう。
リースバック取引における基本的な注意事項
● 住み続ける期間にわたって、毎月賃料を支払うことができるか、一度計算しましょう。
● 提示されている売却価格について、複数の事業者に意見を聞いてみましょう。
● 買戻しは「当然の権利」ではありません。「いつまでに」「いくらで」買い戻せる条件なのか等を契約前に確認しましょう。
● 自分が望む期間、本当に住み続けられる契約なのか、更新·再契約の条件など契約書の記載を確認しましょう。
● リースバック期間中に、「設備が壊れたら直すのは自分と事業者のどちらなのか?」「自分の好きなように修繕等をしていいのか?」などを確認しておきましょう。また、途中亡くなった場合に、家族が原状回復費用を請求される場合もあります。
リースバックが向いていない人

向いていないのはどんなケースか?
リースバックは万能な制度ではなく、向いていない人もいます。
まず、今後も自宅を資産として所有し続けたい意向が強い人には不向きです。
リースバックでは売却と同時に所有権を失うため、将来の値上がり益や自由な売却はできません。
また、売却価格に強いこだわりがある人も注意が必要です。
リースバックは相場より安くなる傾向があり、資産評価額との乖離に納得できない場合、後悔につながる可能性があります。
さらに、長期的な家賃支払いが負担になる世帯や、住み替えの可能性が低い人にとっても慎重な判断が必要です。
リースバックが向いている人、向いていない人を比較した表は次のようになります。
| 項目 | 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|---|
| 住まいへの考え方 | 住み続けられれば「所有」にこだわらない | 自宅を資産として所有し続けたい |
| 資金ニーズ | まとまった現金がすぐ必要 | 当面の資金に余裕があり、売却を急ぐ必要がない |
| 売却価格へのこだわり | 相場より安くなることを受け入れられる | 市場価格に近い金額で売りたい |
| 将来の住居 | 将来引っ越す可能性がある、または柔軟に考えられる | 終の住処として長く住み続けたい |
| 家計の状況 | 家賃を払っても生活が成り立つ | 家賃負担が家計を圧迫する可能性が高い |
| 相続への考え方 | 相続トラブルを避けるため現金化したい | 不動産をそのまま相続させたい(相続税で有利になる) |
まとめ
リースバックは、自宅を不動産会社などに売却してまとまった現金を得た後に、賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら住み続ける制度です。
ただ、リースバックは、長期的には不動産会社に有利な制度となっている傾向がある点に注意が必要です。
すぐにでもまとまった資金が必要で、自宅に住み続けたいといった場合を除くと、早急に利用する合理性はありません。
Q&A
Q1 リースバックとは?
A1 自宅を不動産会社などに売却してまとまった現金を得た後に、賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら住み続ける制度です。
Q2 リースバックの利用時に確認するポイントとは?
A2 「賃貸期間と更新の可否(普通借家契約か?定期借家契約か?)」「売却価格と月々の賃料」「退去時の条件や原状回復の範囲」などは必ずチェックしておきましょう。
Q3 リースバックのデメリットは?
A3 不動産の売却価格が低くなる傾向があり、売却後には家賃を支払い続ける必要が出てきます。また、相続対策という点で見ると、現金化できる一方で、相続税評価額が高くなってしまう点に注意が必要です。








