更新日:2025.3.25
投資信託はどう選べばいい?まず見るべき指標とは【初心者向け】
投資信託は、投資のプロであるファンドマネージャーが、多くの投資家から集めた資金をまとめて運用する金融商品です。少額から分散投資が可能で、専門家による運用であるため、投資初心者でも比較的安心して始めることができます。
しかし、投資信託も選び方を間違えれば、期待した成果が得られないばかりか、想定していなかった損失を被る可能性もあります。
そこで本記事では、投資信託の基本的な知識から、具体的な選び方、見るべき指標まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
Contents
投資信託の基礎知識と選び方の考え方

投資信託とは?初心者にもわかりやすく解説
投資信託とは、投資家から集めたお金を、ファンドマネージャーと呼ばれる投資の専門家が、株式や債券など様々な資産に投資し、運用する金融商品です。
投資信託には、以下のメリットがあります。
● 少額から投資可能:多くの投資家から資金を集めて運用するため、金融機関のサービスによっては100円程度からでも投資を始めることができます。
● 分散投資:複数の投資対象に分散して投資することで、リスクに対するリターンを向上することができます。
● 専門家による運用:投資のプロであるファンドマネージャーが運用するため、投資知識が少ない初心者でも安心です。
一方で、投資信託には以下のようなデメリットも存在します。
● 元本保証がない:投資信託は投資商品であるため、元本が保証されておらず、損失を被ることがあります。
● コストがかかる:投資信託の運用には、運用管理費用(信託報酬等)が継続的にかかります。そのほか、投資信託によっては購入時手数料、換金時手数料などの手数料がかかります。
投資信託を選ぶ際の3つの基本アプローチ
投資信託を選ぶ際には、以下の3つの基本アプローチを考慮することが重要です。
● 投資の目標の設定:なぜ投資をするのか、目標金額はいくらなのか、いつまでに達成したいのかなど、具体的な目標を設定する必要があります。漠然と投資してしまうと、直近高いリターンを出している投資信託など、ハイリスクな投資信託を選びがちなので注意しましょう。
● リスク許容度の把握:どの程度の損失なら許容できるのか、自分のリスク許容度を把握します。交付目論見書等に投資信託の過去の年間騰落率やほかの資産との比較などが記載されているので、参考にしてみてもよいでしょう。
● 投資期間の検討:投資目的に合わせて、投資期間を検討します。例えば、30歳の人の老後資金であれば、30年以上の投資期間を設けるため、長期運用になります。マイホームに向けた住宅資金ということであれば短期運用といえます。
自分に合った投資信託の見つけ方と投資目的の設定
投資信託は、販売する金融機関によってラインナップが異なっています。もしこれから金融機関の口座を開設するなら、投資信託の取扱数が多い金融機関を選びましょう。
また、ネット証券などの口座の場合は、取り扱っている投資信託を様々な条件で検索したり、比較検討することができるようになっています。3つの基本アプローチを参考にして、自分に合った投資信託を見つけましょう。
初心者が投資信託を選ぶ際のポイント

初心者におすすめの投資信託タイプと特徴
初心者におすすめの投資信託タイプは、以下の2つです。
| バランス型 | 株式、債券、不動産など、複数の資産に分散投資する投資信託です。リスクを抑えながら、安定したリターンを目指すことができます。また、リスク許容度に合わせて複数の種類があるものや、ターゲットイアー型といった組み入れ比率を変化させていくようなタイプもあります。 |
|---|---|
| インデックス型 | 日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するように運用される投資信託です。市場全体の成長に合わせたリターンを目指すことができます。低コストの商品が、多く販売されています。 |
リスク許容度に合わせた投資信託の選び方
リスク許容度は、投資家がどこまでの損失なら許容できるかを示す言葉です。リスク許容度が高い人は、株式などのリスクの高い資産を組み入れた投資信託を選ぶことができます。一方、リスク許容度が低い人は、債券などのリスクの低い資産を組み入れた投資信託を選ぶとよいでしょう。
少額から始める際の投資信託選びの注意点
少額から投資を始める場合は、以下の点に注意しましょう。
● 手数料の低い投資信託を選ぶ:手数料が低いほど、運用効率が上がります。運用管理費用が低く、購入手数料がない投資信託を選びましょう。
● 積立投資を活用する:積立投資は、毎月一定額を積み立てることで、相場に一喜一憂せず着実に資産形成ができる方法です。
なお、投資信託の種類が多すぎて、どれを選べばいいかわからない、というときは新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる対象となっている投資信託がおすすめです。つみたて投資枠で購入できる投資信託は、購入時手数料が無料、信託報酬が低いなど、金融庁が定めた基準をクリアしたものに限られており、少額の投資に向いているものに限定されています。
他の金融商品との比較

株式投資と投資信託の違いとそれぞれの適性
株式投資と投資信託の主な違いは、以下のとおりです。
| 株式投資 | 投資信託 | |
|---|---|---|
| 投資対象 | 個別の企業の株式 | 複数の株式や債券などに分散投資 |
| 投資対象 | 自分で投資判断を行う | ファンドマネージャーが運用する |
| リスク | 個別企業の業績に左右されるため、リスクが高い | 分散投資によりリスクが軽減できる |
| 株主優待 | 企業に設定があればもらえる | なし |
| 信託報酬 | なし | あり |
| 最低投資額 | 原則として100株単位 それ以下の投資では制約がある |
100円程度でも投資可能 |
株式投資は、高いリターンを狙いたい人や、自分で投資判断をしたい人、投資したい企業がある方に向いています。
一方、投資信託は、少額から投資したい人、リスクを抑えながら安定したリターンを目指したい人や、投資初心者に向いています。
債券・定期預金と投資信託のリスクリターン比較
債券や定期預金は、リターンは限定的ですが、リスクが低い金融商品です。ただし、途中で売却や解約を行うと損失が発生する可能性がある点に注意が必要です。
一方、投資信託は、債券や定期預金よりもリスクが高いものの、期待できるリターンも高くなります。また、投資信託の中でも債券に分散投資するタイプもあることから、投資信託を用いて債券投資することも可能です。
ETFと投資信託の特徴と使い分け方
ETF(上場投資信託)は、証券取引所に上場している投資信託です。ETFは、一般的な投資信託と同様に、複数の株式や債券などに分散投資しますが、証券取引所で取引できるため、リアルタイムで価格が変動します。
ETFは、一般的な投資信託に比べて手数料が低い傾向があるため、コストを抑えたい人や、リアルタイムで取引したい人に向いています。ただし、投資信託と比較してインデックス投資がメインとなっており、アクティブ型等に投資を行う場合は、ETF以外の投資信託のほうが幅広い選択肢から選ぶことができます。
インデックス型とアクティブ型の比較

インデックス型とアクティブ型の運用方針と特徴
インデックス型投資信託は、日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動するように運用される投資信託です。
一方、アクティブ型投資信託は、ファンドマネージャーが独自の投資判断に基づいて、市場平均を上回るリターンを目指して運用されるものや、ベンチマークなどを設定しない運用方針のものなど、様々な種類があります。
それぞれの手数料構造と長期的なパフォーマンスへの影響
インデックス型投資信託は、機械的に取引を行うことができるため運用コストを低くでき、手数料も低い傾向があります。一方、アクティブ型投資信託は、ファンドマネージャーの運用スキルや企業調査に係る費用などが必要となるため、手数料が高い傾向があります。
長期的なパフォーマンスを見ると、手数料の差から、インデックス型投資信託の方が、アクティブ型投資信託よりも高いリターンを上げているというデータもあります。
投資スタイルに合わせた選択基準と判断ポイント
インデックス型投資信託は、市場全体の成長に合わせたリターンを、低コストで運用したい人におすすめです。
一方、アクティブ型投資信託は、ややコストは高くなるものの、様々な種類の中から、自分の運用目的に合うものを選んだり、より高いリターンを獲得したいという人におすすめです。
投資信託選びで見るべき指標と数値

【基準価額】の見方と価格変動の読み解き方
基準価額とは、投資信託の1口あたりの値段のことです。基準価額は、投資信託が投資している株式や債券などの価格変動によって日々変動します。
なお、金融機関によっては、分配金込み・再投資後の基準価額を出している場合があります。基準価額は分配金がある場合は、その分低下してしまいます。同じような運用方針をもつ、「分配金がある投資信託」と「分配金がない投資信託」を比較する場合は、分配金込み・再投資後の基準価額も確認しておくとよいでしょう。
【純資産総額】の重要性と投資信託の安定性への影響
純資産総額とは、投資信託の運用資産の合計金額のことです。純資産総額が大きいほど、投資信託の安定性が高いと言えます。純資産総額が小さい投資信託は、運用方針によっては運用が不安定になるケースや、総経費率が高くなる傾向があるため、注意が必要です。
投資信託を選ぶ際には、純資産総額が大きいこと、また、減少していっていないかを確認するようにしましょう。
【分配金利回り】と【実質利回り】の違いと適切な評価方法
分配金利回りとは、投資信託が分配する分配金を、基準価額で割ったものです。一方、実質利回りとは、分配金利回りから、運用管理費用(信託報酬)を差し引いたものです。確認する際には、分配金利回りだけでなく、実質利回りも確認するようにしましょう。
ただし、近年は分配金が出ていない投資信託も多くあります。分配金が出ていないほうが一般的には運用効率が向上するので、迷ったら分配金が出ていない投資信託を選びましょう。
投資信託の手数料と長期運用への影響

投資信託にかかる手数料には、購入時手数料、運用管理費用、信託財産留保額などがあります。
| 払う時期 | 種類 | 説明 |
|---|---|---|
| 購入時 | 購入時手数料 | 販売会社に支払う。 設定がないものもある。 |
| 保有中 | 運用管理費用(信託報酬、その他のコスト) | 毎日徴収され、基準価額に反映される。 |
| 売却時 | 信託財産留保額 | 残った運用資産に投入される。 設定がないものもある。 |
金融機関のサイトなどでも手数料を検索ができますが、これらの手数料は、投資信託の交付目論見書等に記載が義務付けられていますので、投資の際には必ず確認しましょう。
なお、投資信託の運用管理費用については、信託報酬とその他の費用があります。その他の費用は運用会社によって分け方は異なりますが、インデックスライセンス費用や監査費用等があげられます。
実際にかかったコストは「運用報告書」に総経費率として記載されているので確認しましょう。
信託報酬が長期リターンに与える影響と計算方法
信託報酬は、投資信託の運用期間中、継続的にかかる手数料で、一般的に日割りで徴収されて基準価額に反映されます。信託報酬が高いほど、長期的なリターンは低下します。
例えば、同じインデックスを対象にするインデックス型の投資信託のリターンと信託報酬率をそれぞれ確認すると、高コストの投資信託において年々リターンが悪化していく傾向が分析されています。
信託報酬の計算方法は、日々の純資産総額に対して、信託報酬率をかけた額となります。
手数料の安さだけで選んではいけない理由と総合的な判断法
手数料の安さは、投資信託を選ぶ際の重要なポイントですが、手数料だけで選ぶのは避けるべきです。投資信託の運用成績やリスクも考慮して、総合的に判断することが重要です。
投資信託を選ぶ際には、以下の点も考慮しましょう。
● 運用実績:手数料が高くても過去の運用実績が良い投資信託は、優秀なファンドマネージャーなどを確保している等の要因から、今後も良い運用が継続する可能性があります。
● リスク:株式のインデックス運用を中心に手数料の安い投資信託が多くラインナップされている関係で、比較的ハイリスクになる可能性が高いことから、リスク許容度に合った投資信託を選ぶよう注意が必要です。
● 運用方針:投資信託には運用方針が定められています。特にアクティブ運用やバランスファンドを選択する際は、自分の投資目的に合った運用方針の投資信託を選びましょう。
投資信託のポートフォリオ構築と定期的な見直し

分散投資の重要性と効果的な組み合わせ方
分散投資とは、複数の投資対象に分散して投資することで、リスクを軽減する方法です。分散投資を行うことで、特定の投資対象が値下がりした場合でも、他の投資対象でカバーすることができます。
効果的な組み合わせ方は、以下のとおりです。
● 株式と債券の組み合わせ:株式はリスクが高いですが、リターンも高い傾向があります。一方、債券はリスクが低いですが、リターンも低い傾向があります。株式と債券を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを取ることができます。
● 国内資産と海外資産の組み合わせ:国内資産と海外資産を組み合わせることで、地域的なリスクを分散することができます。
● 異なる種類の投資信託の組み合わせ:国内株式型、海外株式型、債券型など、異なる種類の投資信託を組み合わせることで、多様な投資対象に分散することができます。
日本の年金運用でも国内債券、外国債券、国内株式、外国株式で基本ポートフォリオを作り、分散投資によりリスクを調整して運用しています。
年齢・投資期間に応じたポートフォリオ調整の方法
年齢や投資期間に応じて、ポートフォリオを調整することが重要です。
| 若い世代 | 投資期間が長いため、リスクの高い株式の割合を増やし、積極的にリターンを狙うことができます。 |
|---|---|
| シニア世代 | 投資期間が短いため、リスクの低い債券の割合を増やし、安定した運用を目指すことが重要です。 |
投資期間が短くなるにつれて、リスクの高い資産の割合を減らし、安全性の高い資産の割合を増やすことが望ましいのですが、シニア世代でも退職金などの大きなお金が入ってきてしまうと、意外とハイリスクな投資を行いたくなる人が多い傾向があります。しっかりと投資の目標を定めて投資するようにしましょう。
また、ポートフォリオの調整が難しいという人には、ターゲットイアー型の投資信託がおすすめです。ターゲットイアー型の投資信託は、ターゲットとする時期を定め、自動的に組み入れ比率を変化させ、リスクを調整してくれるタイプのバランス型投資信託です。
定期的な運用レポートの確認ポイントと見直しタイミング
投資信託の運用状況は、定期的に確認することが重要です。運用レポートでは、以下の点を確認しましょう。
● 運用実績:運用実績を確認しましょう。ただし、市場の動きに左右されるため、下落したからと言って売却するのではなく、市場平均を上回ったのか、その理由は何かを確認しましょう。
● リスク:リスク許容度に合った運用がされているか確認しましょう。
● 総経費率(年次):他の類似する投資信託と比較して、高くないか確認しましょう。
● ファンド評価(年次):近年、運用会社では運用する投資信託の自己評価を開示しています。自分が投資している投資信託について確認するようにしましょう。
ポートフォリオの見直しは、一般的に年に1回程度行うことが推奨されます。
また、株式と債券の投資信託をそれぞれ保有していたといった場合は、元の配分に戻す(リバランス)することも大切です。
なお、ライフステージが変わると、自分のリスク許容度に変化が生じます。例えば、リスク許容度が下がった場合は、リスクを下げて投資することが推奨されます。例えば、バランスファンドに投資しているのであれば、より低リスクのバランスファンドへの投資を検討しましょう。
まとめ:投資信託選びで成功するための重要ポイントの総括
投資信託は、投資初心者でも始めやすい金融商品ですが、選び方を間違えると、期待した成果が得られない可能性もあります。投資信託選びで成功するためには、以下のポイントを押さえましょう。
1. 投資目的を明確にする:なぜ投資をするのか、目標金額はいくらなのか、いつまでに達成したいのかなど、具体的な目標を設定しましょう。
2. リスク許容度を把握する:どこまでの損失なら許容できるのか、自分のリスク許容度を把握しましょう。
3. 投資期間を検討する:短期運用か長期運用か、投資期間を検討しましょう。
4. 手数料だけでなく、運用実績やリスクも考慮する:手数料の安さだけで選ぶのではなく、運用実績やリスクも考慮して、総合的に判断しましょう。
5. 分散投資を心がける:複数の投資対象に分散投資することで、リスクを軽減しましょう。
6. 定期的に運用状況を確認し、ポートフォリオを見直す:運用状況を定期的に確認し、市場環境やライフステージの変化に合わせて、ポートフォリオを見直しましょう。
これらのポイントを踏まえ、自分に合った投資信託を選び、長期的な資産形成を目指しましょう。









