更新日:2025.4.8
投資信託はやめたほうがいい?実際に損する確率はどの程度か
「投資信託はやめたほうがいい」
インターネットやSNS上では、このような意見を見かけることがあります。
しかし、投資信託は本当に避けるべき金融商品なのでしょうか?
この記事では、投資信託で損をする確率や、他の運用手段との比較、リスクを抑えた投資戦略などを徹底解説します。投資信託に対する誤解や不安を解消し、ご自身の資産運用を成功させましょう。
Contents
投資信託はやめたほうがいい?

なぜ「投資信託はやめたほうがいい」と言われることがあるのか
投資信託に対して否定的な意見が出る背景には、過去の金融市場の変動や、一部の投資家の失敗経験が影響しています。
低金利時代に投資信託で失敗した人々の共通点
従来、定期預金などで運用していた人々が、低金利が長く続いたことで投資信託などのリスクのある金融商品に投資を行うようになりました。
そのため、投資知識が不足していたり、自分のリスク許容度を大きく超える高リスク商品に投資してしまい、市場の変動に耐え切れず損失を確定してしまうといった人々が多く発生しました。
SNSで拡散される投資失敗談の裏側にある真実
SNSでは、そうした投資の失敗談がセンセーショナルに拡散されがちです。
しかし、これらの情報の多くは、個別の事例や感情的な側面がアピールされがちで、客観的なデータや長期的な視点が欠けているケースも見受けられます。
投資信託で損する確率は実際どのくらいなのか?
投資信託の損失確率は、投資期間や市場の状況によって大きく変動します。実際どのくらいなのでしょう。
20年間の長期保有で損失を出した商品の特徴
一部の新興国市場や特定の業種に特化し分散されていないものや、信託報酬が高くリターンでカバーできないといった場合は、長期でも損失を出すケースが見られるという特徴があります。
ただ、過去のデータを見ると、20年以上の長期投資では、多くの投資信託がプラスのリターンを上げています。ではなぜ、損失を出す人がいるのでしょうか。
短期保有で80%以上の人が経験する心理的罠とその対処法
実は、短期的な市場の変動に反応して頻繁に売買を行うと、感情的な判断に陥りやすく、結果的に損失を拡大してしまうことがよくあります。
このような行動は「プロスペクト理論」や「損失回避バイアス」として知られており、多くの投資家が経験している有名な事象です。
対策としては、長期的な投資目標を設定し、市場の短期的な変動に惑わされないようにすることが重要で、自分がそういったバイアスや心理的な影響を受けていないか、常に振り返ることが大切です。
投資信託と他の運用手段を徹底比較

投資信託と定期預金、どっちがいい?
投資信託と定期預金は、それぞれ異なる特徴を持つ金融商品です。
100万円を10年間運用した場合の資産推移シミュレーション
仮に100万円を10年間運用した場合、定期預金と投資信託では資産の推移にどのような違いが生じるでしょうか。
現在の日本の定期預金の金利は、上昇基調にはあるものの依然として低い水準にあり、例えば大手銀行の10年定期預金の金利は0.5%程度です。この金利で100万円を10年間運用した場合、受け取れる利息は5万円程度にとどまります。
一方、投資信託の場合、運用成績によってリターンは大きく変動しますが、例えば、年率3%で運用できた場合、10年後には約134万円にまで資産が増える可能性があります。もちろん、これはあくまで試算であり、実際の運用成績は市場の状況によって変動するため、元本割れのリスクも考慮する必要があります。
| 投資手段 | 初期投資額 | 年間収益率(仮定) | 10年後の収益(概算) |
|---|---|---|---|
| 定期預金 | 100万円 | 0.5% | 約5万円 |
| 投資信託(例) | 100万円 | 3% | 約34万円 |
リスクとリターンのバランスからみた最適な資金配分の考え方
最適な資金配分は、投資家のリスク許容度や投資目標によって異なります。
一般的に、若い世代や長期投資が可能な場合は、株式などのリスク資産を組み入れることで、より高いリターンを目指すことができます。一方で、年齢を重ねて資金を使うタイミングが近づいてきた人はリスク許容度が低く、債券など低リスク資産を組み入れる比率をあげていく必要があります。
なぜ安全性の高い金融商品でも利益が出ないケースがあるのか?
安全性の高い金融商品でも、インフレや機会損失のリスクがあります。
インフレ率2%時代の「実質利回り」から見た資産の目減り現象
インフレとは、物価が継続的に上昇する現象のことです。もし物価が年間2%ずつ上昇する場合、現在100万円で購入できるものが、1年後には102万円、2年後には約104万円と、より多くのお金を支払わなければ購入できなくなります。
ここで重要なのが「実質利回り」という考え方です。
実質利回りとは、名目の利回りからインフレ率を差し引いたもので、実際に資産の価値がどれだけ増えたかを示す指標となります。
例えば、定期預金の金利が0.5%で、インフレ率が2%の場合、実質利回りは-1.5%となり、預金残高は増えていても、その購買力は低下していることになります。
つまり、安全性の高い金融商品に預けているだけでも、インフレによって資産の実質的な価値は目減りしてしまう可能性があるのです。
低リスクを選んだことで失った「機会損失」の実態
資産運用においては、「機会損失」という概念も重要です。
これは、より高いリターンが期待できる可能性があったにもかかわらず、リスクを避けて安全な運用を選択したために、得られなかった利益のことを指します。
投資信託は、長期的に見ると定期預金よりも高いリターンを上げてきた傾向がありますが、リスクを恐れて定期預金のみを選択していた場合、インフレによる目減りだけでなく、本来得られたはずの資産成長の機会を逃してしまうことになります。
投資信託の失敗リスクを正しく理解する

投資信託の元本割れ確率はどの程度なのか?
投資信託の元本割れ確率は、投資期間によって大きく異なります。
過去30年のデータから見る投資期間別の元本割れ確率
一般的に、投資信託の保有期間が長くなるほど、元本割れのリスクは低下する傾向があります。
1985年以降の各年に国内外の株式や債券に積立・分散投資を行ったケースでは、5年間の保有期間では元本割れが発生したものの、20年間の保有期間では、元本割れしたケースはありませんでした。
これは、長期投資によって市場の短期的な変動リスクを吸収し、安定的な成長を期待できるためと考えられます。
ただし、これは過去のデータであり、将来も同様の結果になるとは限りません。今後の金融市場の動向によっては、20年以上の長期保有であっても元本割れのリスクがゼロではないことには留意が必要です。
金融危機時の急落からどれだけの期間で回復したかの事例分析
過去には、リーマン・ショックやITバブル崩壊など、世界経済に大きな影響を与える金融危機が発生し、投資信託の価格も大きく下落しました。
例えば、リーマン・ショック時は米国株は約1年半にわたり下落し、最大で約半分まで下落しました。しかし、市場は徐々に回復し、4年程度で危機前の水準を取り戻しています。
このような過去の事例から、金融危機のような急落時においても、焦って売却するのではなく、長期的な視点で保有し続けることが重要であることがわかります。
一時的な下落に動揺して売却してしまうと、その後の価格回復の恩恵を受けることができなくなってしまう可能性があり、冷静な判断が必要です。
どんな人が投資信託で失敗しやすい?
投資信託で失敗しやすい人には、いくつかの共通点があります。
成功者と失敗者を分ける投資行動の決定的な違い
失敗する投資家は、短期的な利益を求め、感情的な売買を繰り返し、集中投資を行う傾向があります。
一方で、成功する投資家は、長期的な視点を持ち、感情的な判断を避け、分散投資を心がける傾向がありますが、失敗した経験から、成功できるように投資行動を改善し、成功を収めた人も多くいます。
投資心理学から見る「最悪のタイミング」で売却してしまう理由
投資家は、損失が出るとそれを避けようとする心理が働き、含み損が出ている投資信託を「最悪のタイミング」で売却してしまうことがあります。投資は感情をいかにコントロールするかにかかっているといっても過言ではありません。長期的な視点で安定して取り組んでいきましょう。
投資信託で利益を出すための現実的アプローチ

投資信託で平均的な利益はどのくらい出るのか
投資信託の平均的な利益は、資産クラスや投資期間によって異なります。
資産クラス別・投資期間別の平均リターンと成功率
過去のデータを見ると、一般的に株式を主要な投資対象とする投資信託は、債券を主要な投資対象とする投資信託よりも高いリターンが期待できる一方で、リスクも高くなる傾向があります。
例えば、過去のデータでは、国内株式や先進国株式に投資した場合の年間平均リターンは数パーセント程度となることが多いですが、投資期間が長くなるほどリターンのばらつきは小さくなる傾向があります。
また、新興国株式は、高い成長性が期待できる反面、政治経済情勢の影響を受けやすく、リターンも大きく変動する可能性があり、慎重に分析し投資する必要があります。
運用コストが長期リターンに与える影響と低コスト商品の選び方
投資信託には、購入時手数料、信託報酬、信託財産留保額などの運用コストがかかります。
これらのコストは、特に長期的な運用においては、最終的なリターンに大きな影響を与えますが、特に信託報酬は、投資信託を保有している期間中、毎日差し引かれる費用であるため、わずかな差でも長期で見ると大きなコスト差となります。
低コストの投資信託を選ぶためには、主に以下の点に注目すると良いでしょう。
インデックスファンドを選ぶ:一般的に、市場の平均的なリターンを目指すインデックスファンドは、アクティブファンドよりも信託報酬が低い傾向にあります。
ノーロードファンドを選ぶ:購入時に手数料がかからないノーロードファンドを選ぶことで、初期費用を抑えることができます。
信託報酬を比較する:同じような投資対象のファンドであっても、信託報酬には差がある場合がありますので、低いものを選ぶようにしましょう。
プロでも市場平均を継続的に上回れないことがある現実
資のプロであっても、市場平均を継続的に上回ることは難しいのが現実です。
アクティブファンドとインデックスファンドの長期パフォーマンス比較
過去のデータを見ると、アクティブファンドの信託報酬の高さなどにより、アクティブファンドはインデックスファンドの長期パフォーマンスを下回っている傾向があります。
投資のプロが密かに実践している「勝つ」ための3つの原則
実は、投資のプロが実践することは一般の投資家とあまり変わりません。
長期投資:短期的な市場の変動に惑わされず、長期的な視点で投資を行う。
分散投資:異なる資産クラスや地域に分散して投資することで、リスクを低減する。
コスト管理:運用コストを抑えることで、長期的なリターンを向上させる。
これらの原則を組織的かつ高水準で実践することに加えて、投資対象の企業や市場を深く理解すること、感情的な判断を避けること、そして常に学び続ける姿勢を持つことも、長期的な投資成功のためには不可欠です。
自分に合った投資戦略の見つけ方

投資信託を始めるべきでない人と、始めるべき人の違い
投資信託は、すべての人に適した金融商品ではありません。
投資開始前に必ず整えておくべき3つの生活基盤
投資前には下記の状態になっていることを心がけましょう。
| 十分な生活資金 | 生活費や緊急時の資金を確保する。 |
|---|---|
| 安定した収入 | 毎月の収入が安定していることが望ましい。 |
| 適切なリスク管理 | 自身のリスク許容度を理解し、無理のない範囲で投資を行う。 |
年齢・収入・家族構成別の最適な投資配分の目安
最適な投資配分は、年齢、収入、家族構成などによって異なります。
年齢:一般的に、若い世代は運用期間が長いため、リスクの高い株式の比率を高めにすることが可能です。年齢が上がるにつれて、徐々に債券など安定的な資産の比率を高めていくのが一般的です。
収入:収入が多いほど、投資に回せる資金も多くなり、ある程度のリスクを取れる場合が多いと言えます。
家族構成:家族が多いほど、将来の教育資金や生活費など、必要となる資金も増えるため、リスク許容度を考慮しながら慎重な配分を検討する必要があります。
これらの要素を総合的に考慮し、ご自身の状況に合った資産配分を考えることが大切です。必要であれば、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。
「やめたほうがいい」ではなく「どう活用すべきか」を考えるには?
投資信託は、使い方次第で資産形成の強力なツールであり、ぜひ活用方法を検討しましょう。
人生の目標達成のための投資信託の正しい位置づけ
投資信託は、住宅購入、教育資金、老後資金など、人生の目標達成のための手段として使うことができます。
長期的な資産形成を成功させた人々の共通する考え方
長期的な資産形成に成功した人々は、市場の変動に動じず、コツコツと積立投資を継続しています。短期的に一喜一憂せず、長期の視点を持って投資を行いましょう。
投資信託は誰にでも向いているわけではない

投資信託は誰にでも向いているわけではありませんが、安易に「やめたほうがいい」と判断するのではなく、正しい知識と情報に基づき、冷静に判断することが大切です。
自分の状況と目標に合わせた冷静な判断の重要性
年齢、収入、家族構成、そしてどれくらいの資産があるかによって、最適な投資戦略は異なります。
例えば、若い世代であれば、一般的に投資期間が長いため、多少リスクを取ってでも高いリターンを目指せる可能性があります。一方、リタイアが近い世代であれば、資産を大きく減らすリスクを避けるため、安定性を重視した運用を行うなど、冷静な判断を行いましょう。
長期的な視点でリスクとリターンのバランスを考える姿勢
一般的にリスクが高いほど期待できるリターンも大きくなるとともに、損失を被る可能性も高まります。ただし、投資信託は長期保有することで元本割れのリスクが低くなります。
ご自身のリスク許容度をしっかりと把握し、適切なバランスで投資信託を選択することが重要です。分散投資を行うことも、リスクを低減するための有効な手段です。
投資信託は、長期的な資産形成のための有効な手段の一つです。この記事を参考に、ご自身の投資戦略を見直し、賢い資産運用を目指してください。









